レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

おしらせプラス

知ってびっくり!こうや豆腐の最前線  vol.2

2020/9/3 

前回に引き続き、今回も旭松食品株式会社の代表取締役社長 木下博隆さんとのちょっと先行くトーク第2弾をお届けします。どんどん進化を遂げるこうや豆腐、大豆を使った新商品開発、気になる乳児のアトピー性皮膚炎の改善報告など、今回も盛りだくさんの内容でお届けします!

大豆のおいしさ、これから、もっと。
白井 前回は、こうや豆腐の健康効果などについてお聞きしました。
最近は、こうや豆腐を粉末にした「粉豆腐」や「おから」を乾燥させた微粉末の「なめらかおからパウダー」も注目されていますね。
木下 粉豆腐は、こうや豆腐と同様、レジスタントたんぱく質や鉄分、カルシウムたっぷりな上、粉状でアレンジがしやすいことから、地元長野県飯田市では昔からご家庭で愛用されているんですよ。
白井 「なめらかおからパウダー」を使った私のレシピを御社のホームページで紹介させていただいていますが、微粉末でそのままかけたり混ぜたり、ほんとに手軽。加熱も不要で、食材の水分や旨みを包み込んでくれるおからパウダーなら、白和えや鯖缶を使ったディップも余分な水分を吸収してくれて上手にできますよ。
木下 「なめらかおからパウダー」は、100g中に食物繊維が63.5gも入っています。食物繊維の目標摂取量は、男性が1日あたり21g以上、女性が18g以上とされています。不足しがちな食物繊維を手軽に補っていただきたいです。
白井 それとフリーズドライの納豆も楽しい!水気を加えてしばらく待つと粘りが出てきますよね。もどすための水分は水だけでなく、だし・トマトジュース・ポン酢醤油など、なんでもOK。料理のアイデアが広がります。そのまま食べるとさくさくした食感で・・・。
木下 家庭用商品が9月1日に発売になります。我が社はもともと生納豆の製造・販売を行っていましたが、2011年に他社に譲渡したんです。そのときもフリーズドライ納豆だけは商品として残したんです。納豆菌が生きている乾燥納豆です。チャーハンに、パスタに、味噌汁に気軽に使えます。

フリーズドライ納豆をもっと詳しく(旭松HPへ)>>>  

納豆菌の種類によって違う、免疫効果
白井 納豆は、免疫力を高める食品としてよく知られています。新型コロナウィルスで大変な今、ぜひ食べたい食品の一つですよね。
木下 しかし、すべての納豆菌が免疫力をグンと高めるとは、言いにくいんですよ。
白井 そうなんですか?菌によって違うんですか?
木下 当社は、納豆事業に参入するときに、全国の水田を駆けずり回っていろいろな稲藁を集め、菌を培養してきました。つまり、納豆菌は稲藁の数だけ種類があり、それぞれ免疫力を高める効果も違います。稲藁によって当たり外れがあり、免疫効果が高いうえに、とてつもなくうまい納豆ができるかもしれない。でも、大手メーカーは、賭けのようなことはできませんから、安定供給のため、大体が三浦菌という確実な菌を使って製造しています。当社が扱うのはオリジナルの納豆菌で、その中の一つに、特に免疫力を高める納豆菌があるんです。現在はそれを牛の飼料に混ぜて使用しています。
白井 前回のトークで教えてくださった機能性飼料ですね。きっとみなさん納豆はすべて免疫力を高めてくれると思っていますよね。
木下 もちろん、納豆は免疫力を高める食材ですよ。でも、免疫力のレベルでいうと、この飼料用の納豆菌は3倍くらいのチカラがあります。
白井 へぇ~、一般に向けて販売していただきたいと思いますね。まさに、宝の山があるという感じ。
木下 ハハハ、なかなか掘り出せない、宝の山が……(笑)。確かにフリーズドライ用に使ってもいいかもしれませんね。ちょっと急ごうかな(笑)
白井 ぜひ!大豆のフレークもあるんですよね。
木下 「大豆の華」という商品です。大豆100%のヘルシー素材で、加熱済みなのでそのまま食べられ、一切の食品添加物不使用。様々な料理に使えます。
白井 みんな、フレークもちゃんとしたものを食べたいはず。あまり知られていませんよ。もうちょっと広告されませんか?
木下 そうですよね(笑)。

「大豆の華」は通販サイトでの取り扱いになります(旭松HPへ)>>>

アトピー性皮膚炎にこうや豆腐を
木下 実は、6月にこうや豆腐を用いた栄養指導で、乳児のアトピー性皮膚炎がステロイドなしで改善したという内容のニュースリリースを出しました。
白井 わあ、それは、大きなニュースですね!アトピー性皮膚炎で困っているお母さんは、みなさん嬉ばれますよ~。
木下 小児科医の佐藤美津子先生と、栄養士の渡辺雅美先生との共同研究で、粉豆腐を使用したデザートメニューを追加するなどの栄養指導を行ったところ、6ヶ月以上の乳児8名中7名の患者に改善傾向が見られたんです。佐藤先生は、以前からステロイド薬を投与することなくアトピー性皮膚炎の症状を改善できたらいいなとお考えだった方で。我々も、今後もさらに健康的な食生活に寄与できる商品の開発を進めていきたいと、気持ちを新たにしているところです。
白井 私も、以前NHKの「きょうの料理」でお医者様と一緒にシリーズでアレルギーを持つ子どもたちに向けたレシピを紹介しました。ジャガイモを蒸して、酢と油と塩を少しずつ入れて、卵を使わず見た目がマヨネーズに似た家族で食べられる疑似食「自家製ノン卵マヨネーズ」とかね。お母さんたちに取材をして。ずいぶん学びの多い番組でした。
木下 お母さん方は、本当に困り果てて来られるらしいです。乳児の食事指導は、赤ちゃんじゃなくてお母さんにするじゃないですか。なので、お母さんの食生活を見直すことで母乳も改善される。リバウンドを乗り越えるまでは大変らしいですが。
白井 高野豆腐のパワー、すごいですね。
木下 あくまで食品なのでね。薬じゃないので、伝え方が難しいですよね。

これから、めざしたいこと
白井 いろんな技術を持っておられて、どんどん進化されて・・・。未来が楽しみですね。
木下 今まで以上に研究を重ねて成果を上げていきたい。こうや豆腐は、日本で1200年も続いている長寿食品です。昔の人は生豆腐を凍らせて熟成させ乾燥させていた。このフリーズドライという工程に、こうや豆腐の健康機能性を高める秘訣がある。目下の夢は、海外にもっともっとこうや豆腐を普及させること。和食とともに、こうや豆腐も海外で親しまれる食材に成長してほしいですね。
白井 ウィズコロナの中、みんなが健康の大切さを改めて実感しています。旭松食品さんの製品は、こうや豆腐をはじめ、どれもこれもみんな気軽に手に入るものばかり。だからこそ、世界を救う食材に成長するのでは・・・と期待します。貴重なお話、ありがとうございました

知ってびっくり!こうや豆腐の最前線 vol、1

2020/7/21 

今お知らせしたい耳よりな情報、白井が出会った素敵な人や仕事など、毎回新たな切り口でご紹介。トークショーや料理セミナーでお話しするような気持ちで、楽しい話題や知っておきたい知識をHPで発信します。
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第一回はこうや豆腐のとっておきのトーク。こうや豆腐の見方が変わる最新情報をお届けします。
旭松食品株式会社は、1950年に長野県飯田市で創業。健康的な食材としてどんどん進化を遂げるこうや豆腐をメインに製造販売している企業です。「私たちはお客様の生活文化の向上と共に歩み、より快適で、健康な食生活を追求し、日々に、新たに前進します」の企業理念のもと、お客様の健康に貢献する企業として、様々な研究・努力を重ねておられます。木下博隆社長にお話を伺いました。

どんどん進化するこうや豆腐
白井 旭松さんと仕事をさせていただいて、子供の頃から食べてきたこうや豆腐のおいしさを伝えられることが私にとって嬉しいことなんです。
木下 ありがとうございます。
白井 こうや豆腐って知らない間にものすごく進化していてびっくり。パッケージは昔とちっとも変わらないのに(笑)
木下 ハハハ(笑)。パッケージは登録商標なんです。PRが下手なんですよ。もともと、こうや豆腐は糖質も少なく、タンパク質や鉄分、カルシウム、マグネシウムなど様々な栄養素がギュッと詰まったスーパー食材ですが、中でもレジスタントたんぱく質に注目しています。血糖値スパイクが抑えられるとか、血中のコレステロールが抑えられるとか、様々な研究が進んでいます。
白井 私も、こうや豆腐に含まれるレジスタントたんぱく質のことをあらためて知りました。
木下 レジスタントたんぱく質は、消化酵素で分解しても分解しきれないもので、食物繊維のようなもの。食べ物が胃に留まる時間を長くします。そのため、血糖値の急激な上昇を抑え、満腹感を感じやすく、過食を防止してくれるんです。またコレステロール調整・食後の中性脂肪上昇を抑制する作用もあり、糖尿病予防や改善効果にも期待できることがわかっています。
白井 体に良いこと尽くめなのですね。
木下 さらにもう一つ、約40年ぶりに製法を見直しまして。我が社ではこうや豆腐を年間約2億枚作っているんですが、1枚あたり0.2g塩分が入っていたんです。これを加工法を替えることで、2014年に限りなくゼロにした。2億枚なので、約40トンの減塩に成功したということで、「第6回健康寿命をのばそう!アワード」で「厚生労働省の健康局長優良賞をいただきました。
白井 すごいことですねぇ。
木下 工程を全部変えないといけないから、かなりの費用がかかりました。
白井 他のメーカーがやってないことをやるというのは、大変なこと。本当に、どんどん進化してるのですね。
木下 あまり知られてないですけれどね(笑)。
白井 ふふふ、頑張ってください(笑)。


「こうや豆腐でおいしく健康に」
井のこうや豆腐レシピはこちらから>
写真は「彩りそうめん こうや豆腐の含め煮のせ」


国際規格「グローバルギャップ」認証の大豆とは?

白井 最近原料として使われ始めたという「グローバルギャップ」認証大豆について教えてください。
木下 「グローバルギャップ」は、世界120か国以上で食品の安全、労働環境、環境保全などに配慮した「持続的な生産活動」を実践する優良企業に与えられる国際規格です。東京オリンピック・パラリンピック食材選定で注目が高まったガイドラインです。うちは年間約2億枚のこうや豆腐を作るにあたり、約7千トンの大豆を使います。それだけの量を確保しながら農地の自然環境は維持しないといけないし、働いている従業員の労働安全も、食品原料なのでもちろん安全性も担保しないといけない。そうした厳しい審査基準が求められる中、米国ブラッシュベール社のミラー社長がただ一人、「やるよ」と言ってくれました。2020年4月1日出荷分より、「グローバルギャップ」認証大豆を使用したこうや豆腐に全面切り替えしています。
白井 和食に欠かせない大豆の価値を、これからも守り続けてくださいね。

自然の力でおいしく、やさしく。

白井 長野の農場で自社栽培もされているとか。
木下 量は少ないですが、飯田市の農地で「つぶほまれ」という大豆を栽培しています。こちらはアジアンギャップという審査基準を得た大豆で、限定150商品のこうや豆腐を作り、東京五輪で使ってもらおうと長野の元善光寺で必勝祈願までしたのですが、残念ながら延期になってしまったので、今度お祈りするなら、「疫病退散」だな。
白井 何人くらいの方が農業に関わっているのですか?
木下 前身の「大豆クラブ」という活動から始まって、私の母の田んぼで大豆を栽培しているんですが、そのメンバー10人ほどです。
白井 クラブ活動だなんて、楽しい!
木下 農場では、こうや豆腐の副産物である微生物の塊を使って肥料にしているんです。
白井 そうなんですか。
木下 乾物のこうや豆腐を1枚作るのに、約6ℓの水が必要なんです。それを地下水から汲み上げて、最終処理を微生物が水処理してるんですが、以前は産業廃棄物として捨てていた副産物の微生物塊と長野県の間伐材チップを原料に、昔ながらの自然に近い堆肥を作って肥料にしています。その肥料で育てた野菜が、うまいんですよ。
白井 いただいたアスパラガス、太くて柔らかくておいしかったです。そうそう、牛の飼育にも関わっておられるそうですね。
木下 肥料とは別に飼料も作っています。牛の餌なんですけど、うちは免疫作用を高める納豆菌というのを持っていて、それをこうや豆腐を作るときに出るおからに噴霧して、発酵させて作った機能性飼料なんです。これを食べさせたら、いい牛肉ができたと。
白井 サシの部分、赤身の中の脂の入り方が昔の刺繍みたいにキメが細かくて脂っこくなくて、本当においしい。
木下 今、新型コロナウイルスの影響で、いろいろな問題が起きているけれど、牛肉も大変なんですよ。牛はどんどん大きくなるのに、消費が追いつかないから。
白井 料理屋さんも大変苦労をされている声を聞きます。牛肉もまたその影響を受けるんですね。

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フリーズドライ納豆や大豆の華などの新商品展開、こうや豆腐のさらなる進化、乳児アトピー改善報告などなど、木下社長とのお話は尽きません。大豆や和食の未来が気になるこの続きは、第2回で届けします。

予告

2020/7/8 

【予告】白井HPの「お知らせ」だけではお伝えしきれなかった、
様々な話題をお届けする新コーナーが始まります。
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