レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操発スタジオ*トピックス

「彼岸花のお話」 

2010/10/7 

兵庫県の石田さんに教えていただいた彼岸花のお話です。今年の暑さは誰もが認めるところですが、この40年ほどの間で彼岸花が最も遅く開花したそうです。なぜなら彼岸花は20℃を下回る日が3日続かないと咲かない・・・から。へぇ~。
そもそもこの花は庭ではなく、里のしかも田んぼのあぜ道に良く咲いています。毒花といわれていますが、実は救荒植物(飢饉の際に食べる植物)なんだそうです。いざという時には、その球根をすりおろし一晩水にさらすと毒は抜けます。これででんぷんがとれるのだとか。そんなわけで昔の人は身近なところに植えたんだそうです。
また別の人によれば、田んぼのあぜに植わっているのはもぐらよけだとも・・・。彼岸花の球根の毒を嫌がって、みみずが近寄らない、餌がないともぐらも寄り付かないという仕組み。毒があるから役に立つって、面白いですね。
実はスタジオの庭の片隅にも、いつの頃からか、少しだけ彼岸花が咲いています。今年はお彼岸には間に合わなかったけれど、その赤い色で、毎年夏の終わりを教えてくれます。彼岸花

「梅の力を信じて」 

2010/8/9 

今年の梅干しは「あの日の梅干し」の作り手佐々木美佐子さん流です。作り方を教えていただいた時の言葉が心に残りました「梅の殺菌力を信じて・・・」。水洗いした梅に塩をして、拭かずに水気を梅に残したままカメに入れます。「ぬれているほうが梅のまわりに塩がつくでしょう・・・」なるほど。塩と梅を交互に入れていくのですが、すぐに重石をしません。2日ぐらいおいて水が上がってきてから重石をします。その後は極力さわらないことが大切なんだそうです。「少々白いカビが浮いていてもさっと取れば大丈夫・・・」なるほど、なるほど、殺菌力を信じて、梅の力を信じて・・・梅への深い信頼があってこそ、香りがよく、身ばなれよく、おいしい・・・そんな梅干しが仕上がるんですね。減塩の梅干しはあとから塩を抜いているものが多く、塩と一緒に香りも栄養分も抜け、旨味・甘味を足しているとか。梅は南高梅の木で完熟したものを使いました。梅の力を信じて出来上がりを待ちます。楽しみ、楽しみ。南高梅

「旬を追いかけて」

2010/7/12 

「なんだかおかしいよね。あったかすぎるよね。」「なんだ!この寒さは。せっかくクリーニングに出したのに袋をあけるの勇気がいるね。雨が多すぎない?これじゃあ植物は育たないよ・・・。」そんな会話を交わしていた冬の終わりから春の始まりそして夏の初め。やはり今年は野菜や果物の生育が遅れ、中央市場の魚屋さんからも「山形から鰆が入ってびっくりしたよ。」とのお話が。瀬戸内の味覚・鰆は北上し、昼網でおなじみのイワシやベラ、川津エビなども獲れず、魚種が減っているのだそうです。人が海辺の自然を作り変えたことや、異常気象は海に棲む魚たちも敏感に感じ取っているのしょう。
神戸新聞で月2回連載している青空主義「うまいもんライブラリー/兵庫の素材行脚」の記事も予定していた撮影日が刻々と変わり編集委員の辻本さんと私のスケジュール帳は消したり書いたり、他との調整をしたりと大変です。でもこんな気候に負けず、なかなか赤くならなかったオランダトマトも時間をかけて、ちゃんと大きく赤くなってきました。梅雨の気配が伝わったのか明石のタコも淡路のウニも揃ってきました。このシリーズのおかげで兵庫県の奥へ特産品を追いかけています。食べものを扱う人と自然とのきびしい戦いを間近に感じ、それを乗り超えた皆さんの笑顔に学ぶことがたくさんあります。

*写真は「たっぷりスープのトマトマリネ」
7/14(水)の神戸新聞「うまいもんライブラリー/兵庫の素材行脚」でレシピをご紹介しています 続きを読む…