レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操発スタジオ*トピックス

今できること

2020/4/27 

光と風が窓の外の緑の葉をキラキラゆらしています。いい天気です。あー残念だけど、今は眺めるばかり。今日は4月26日。前回のエッセイを書いてからちょうどひと月が経ちました。新型コロナウィルスの勢いは衰える気配がなく、増々私達の暮らしを脅かしています。非常事態宣言が出て、不要不急の外出を控えて!とニュースが繰り返し流れます。電車に乗って出かけることもためらわれ、百貨店もしばらくはお店によってはかろうじて食料品売り場だけがあいているといった様子。スーパーでも人と人との距離を置いて、高齢者や身体に障がいのある人、妊婦の方への配慮をと、新しいマナーが定着してきました。
こんな時、自分に出来ることはなんだろう・・・。
先ずは今の健康を守る暮らしを続けることです。外出できなくても、人に会えなくても、自分らしいリズムで冷静な気持ちで元気でいられるように。
元気といっても私も立派な高齢者。今までにも増して免疫力をつけようと努力しています。免疫力を高めるには腸が重要な働きをするといわれます。ヨーグルトは腸内の環境を整え、免疫力を高めてくれることは知られていますが、私は甘麹と一緒に食べることも。甘麹は生麹カップ1強に対して4~5倍のお湯(70℃弱)を加え、2~3日おいたもの。うす甘いのでそのまま飲んだりもしています。
納豆のネバネバは免疫機能を調整してくれるとか。麺つゆの中に、トマトの刻んだものや溶き卵、ひき割り納豆を入れてわかめ麺をゆがいてつけて食べます。朝食ならごはんにかけてもいいですね。
免疫力を高める食材をたくさん使ったこんなレシピはどうでしょう。豚肉をフライパンで焼いて、にんにくと土生姜をすりおろして加え、酒・みりんをふりかけ、だしと少しの醤油を。火を止める直前に味噌を加えてからめ出来上がり。付け合わせはゆがいたほうれん草とレンジでチンしたきのこを。
緑茶は常に身近においてチョビチョビ飲みで頻繁に飲むようにしています。じわ~っとぬる目のお湯で入れたおいしいお茶はリラックス効果が、熱い湯で入れるとカテキンが出やすく苦いお茶に。こちらは抗ウィルスや抗酸化、老化や病気の予防になるそうです。
体にいいものを心がけつつ、バランスよく食べて、楽しく台所に立つ、やっぱりそれが私らしいリズム。ご飯は明日の笑顔のエネルギーを作ってくれます。コロナと戦ってくれる自分の体にエールを!

健康と経済と

2020/3/26 

新しい言葉がニュースにどんどん出てきます。
オーバーシュート(感染爆発)、クラスター(集団感染)、ロックダウン(都市封鎖)などなど、ふさわしい日本語を選ぶ間がないのか、カタカナ言葉で日本や海外の様子が紹介され、刻々と状況が変わっていきます。レストランやホテル、百貨店、駅、空港、新幹線、人が集まる場所に人が減って、街中が大変なことになっているのを実感しました。言いようのない不安・・・。新型コロナウィルスの流行が、どうぞ早く収まりますように。
百貨店のお中元カタログで、私が紹介するページの撮影のため、2月3月はあちこちに生産者を訪ねました。本当に体にやさしくておいしい、ちゃんとしたものを作っている人たちの誠実な笑顔と思いを伝えます。
手を洗い、マスクをして、緑茶を入れて頻繁に飲んで、胃酸の力を信じて胃腸を意識したご飯を食べて、免疫力を上げることを心がけました。無事、ロケハンメンバーみんな元気に撮影を終了。帰り道、公園で遊ぶいつもより大勢の子供たちを見ました。笑い声と元気に走る姿が心に残りました。

このままレストランやホテル、百貨店に人が行かなかったら日本の経済は大変なピンチに・・・。元気な人は、ルールを守って状況を確かめながら、スーパーや百貨店にも買い物に行ってご飯を作ったり、楽しみにしていた日には、少人数でレストランやホテル、旅館で小さな気分転換も。毎日食材を仕入れてお客さまを待っているお店がつぶれてしまう前に・・・。健康も経済もどちらも大事。複雑な心境の春です。

「ささやかな『間』が取り持つもの」

2019/12/29 

2019年の年の瀬、紅葉が遅かったスタジオの紅葉は風の強い日に、まるで紅葉吹雪のようにパラパラと葉が舞落ち、あっという間に地面が紅葉の赤で埋め尽くされました。家の中ではクリスマスツリーが飾ってあって、秋と冬が隣り合わせの本当に不思議な光景でした。

西宮阪急の開業以来、1階ドンクのティールームを会場に、月2回トークショーを始めて10年が過ぎました。ゲストを招いてお話を聞かせていただいたり、料理講習、お中元お歳暮の青カタログの試食会をしたり・・・。抽選に当選された40人の方たちが、雨でも雪でも休むことなく来てくださいます。ありがたいことです。長い年月を振り返ると人数が半分にも満たない日もありました。
毎回アンケートを書いていただくのですが、ふとした思いつきから書くための時間を作るようにしました。しーんとして熱心に思いを書いてくださる様子はなんだか作文の時間のよう。ほんの3~4分ですが、この「間」をとることで、会場の皆さんから私への大切なメッセージが届くようになりました。

「〇〇だと見にくい」「もっと〇〇して欲しい」など時には厳しいご意見も。一番多いメッセージは「癒されました」の言葉。「久しぶりに当たりました。来てよかったぁ~」「〇〇には意味があったんですね。知らなかった」「食わず嫌いでした」「お店のプロの方のお話、伝わりました」。言葉を届けるだけでなく、書く時間を作ることで、相手の心の声が聞こえてくる、お互いにとって、とても大切な時間だったようです。
先日NHKの「ラジオ深夜便」に出演しました。拙著「兵庫の酒をつなぐ30の物語~この土地に米と人あり~」についてのインタビューの放送後、この本の問い合わせのメールやTELが全国から殺到し、一時はアマゾンの日本酒部門ランキング1位になりました。
番組収録のために東京から来てくださった担当アナウンサーは、打ち合わせもほとんどなく、台本があるわけでもなく、時に「間」を置くような、ゆったりとした雰囲気で質問してくださり、収録は楽しいひとときでした。その「間」がラジオの向こうの誰かの心を動かしてくれたのかも知れません。
「間」というほんの短い時間も、人間にとって大切なのかも知れませんね。

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