レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

ムッシュ・フルーリ花探検 第19話 ナツツバキ(シャラノキ)

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと夏の花探検!
加西市にある兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。思わず「へぇ~!」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。大人気のセミナーです。
フラワーセンターのお花とムッシュフルーリに会いに行きませんか。

『ムッシュ・フルーリの「へぇ~!」な雑学』開催日程
➀7/17(土)②8/22(土)③9/19(土)
(各13:30~15:00 ご参加には予約が必要です。)
*予定は変更になる場合がございます。
●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第19話 ナツツバキ(シャラノキ)

『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。』 これは、日本人なら誰もが知っている、「平家物語」の冒頭の部分だよな。さて、ここに出てくる「沙羅双樹」ってどんな木か知っているかい?この「沙羅双樹」っていう名前は、ほとんどの日本人が知っているけど、意外とそれがどんな木かってのは知られていないんだよな。ということで、ちょうどこの時期に、フラワーセンターのアジサイ園できれいな花を咲かせる「沙羅双樹」について話をするとするかな。

まず、「沙羅双樹」は二本の沙羅樹っていう意味で、これはお釈迦様が最期を迎える時に選んで横たわった場所が、二本の対になった「沙羅樹」の下だったことから、「沙羅双樹」と呼ばれているんだ。
因みに、仏教において重要とされている三大聖樹とは、お釈迦様が生まれたところにあった「無憂樹(ムユウジュ)」、お釈迦様が悟りを開いたところにあった「印度菩提樹(インドボダイジュ)」、それにお釈迦様が亡くなったところにあった「沙羅樹(サラジュ、サラノキ、シャラノキ)」なんだ。これは知っておいて損はないぞ!

さて、平家物語の沙羅双樹に戻るけど、ここに書かれている「沙羅双樹」は、実はお釈迦様が亡くなったところに生えていてた「沙羅樹」じゃないんだよな。本来の「沙羅樹」は熱帯地域の産の樹木で寒さに弱いため、日本で育てるには温室が必要なんだよ。そこで、日本に仏教が伝わってきたときに、もともと日本にあった樹木で、姿形や花が良く似ているナツツバキっていう樹木を代用としたようなんだ。
ということで、「平家物語」に出てくる「沙羅双樹」とは、日本原産で「沙羅樹」によく似た「ナツツバキ」ということなんだな。だから、全国各地のお寺の境内には、ナツツバキが植えられているんだ。しかも、シャラノキという名前も、別名として残っているんだな。
 開花期のナツツバキ

ナツツバキは、名前のごとく夏にツバキに似た真っ白な花を咲かせる樹木で、樹齢を重ねると樹皮が剥がれ落ちて、特徴のあるモザイク模様となり、表面がつるっつるになるので、幹を見ただけでもこの木がナツツバキだって分かるほどなんだ。ツバキに似た花をつけるのは当然で、この木はツバキ科に属していて、ツバキとは親戚関係にあるからなんだな。でも、ツバキとは決定的な違いがあって、落葉樹だってこと。だから、秋にはきれいに紅葉するんだぞ。春の新緑、夏の白い花、そして秋の紅葉に加えて冬のきれいな模様の樹皮と、四季を通じて観賞価値が高い樹木なので、庭木としても高い人気があるんだ。
 ナツツバキの花と紅葉
 ナツツバキの樹姿と樹皮

でも、ちょっと大きくなりすぎて広い庭でないと植えられないんだな。そこで登場するのがヒメシャラっていう樹木だね。ヒメシャラはナツツバキに似ていて、全体的に小振りなうえに、樹皮がきれいなオレンジ色をしていることから、冬の庭をパッと明るくしてくれるので、こちも庭木として人気が高いんだな。庭のある人はぜひ植えてみるといいよ!
 ヒメシャラの花と紅葉
 ヒメシャラの樹姿と樹皮

「ナツツバキ(シャラノキ)」を見に行こう!
兵庫県立フラワーセンターHPはこちら>

ムッシュ・フルーリは白井にとって緑の知恵袋のような存在。
バックナンバー「ムッシュ・フルーリ緑の扉」にも植物の知りたいコトが満載です。

ムッシュ・フルーリ花探検 第18話 ハンゲショウ

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと夏の花探検!
加西市にある兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。思わず「へぇ~!」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。大人気のセミナーです。フラワーセンターのお花とムッシュフルーリに会いに行きませんか。

『ムッシュ・フルーリの「へぇ~!」な雑学』開催日程
➀6/27(土)②7/17(土)③8/22(土)
(各13:30~15:00 ご参加には予約が必要です。)
*予定は変更になる場合がございます。
●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第18話ハンゲショウ

みんなはハンゲショウという言葉を聞いたことがあるかな? えっ、聞いたことがないって? それじゃぁ話が進まないから、ハンゲショウの説明からするかな。ハンゲショウは漢字で書くと「半夏生」。半夏生とは雑節(八十八夜や土用など、五節句・二十四節気以外の、季節の移り変わりの目安となる日の総称)の一つで、かつては夏至から数えて11日目の日を当ててたんだけど、今では、天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日となってるようだね。因みに今年は7月1日なんだってさ。

昔から半夏生は気候の変わり目として、農作業の大きな目安とされてきたようなんだ。田植えは「夏至~半夏生に入る前」に終わらせるものとされ、それを過ぎると秋の収穫が減ると言われてきたんだ。そして、この日から5日間は働くことを忌み、天から毒が降ってくるので井戸に蓋をして、この日に採った野菜も食べてはいけないと言われてたんだって。関西では、田植えした稲がタコの足のようにしっかりと大地に根付くように、タコを食べる風習があるんだぞ。

また、この頃は梅雨の末期で、昔は半夏(ハンゲ)という毒草が生える多湿で不順な頃とされていて、半夏生までに田植えを済ませた農家では、この日の天候で稲作のできを占ってたらしいんだ。半夏生という名は、このハンゲという植物にちなんで名付けられたとされているんだよ。このハンゲという植物は、今ではカラスビシャク(烏柄杓)という名で呼ばれており、サトイモ科でマムシグサやウラシマソウが属するテンナンショウ属に近い仲間で、その球根は生薬にもなるんだよ。
 カラスビシャク(ハンゲ)

さて、そろそろ本題に入るとするかな。ところで、みんなはハンゲショウという植物は知っているかな? えっ、それも知らないって? ではあらためて、ちょうど半夏生の頃になるとフラワーセンターの水路沿いの湿地でハンゲショウが最盛期を迎えるんだ。ハンゲショウは、その頃になると、それまで緑一色だった葉のうち、花のついている先端部分の2~3枚が真っ白に変わってしまうことから、ハンゲショウと呼ばれるようになったんだ。
 ハンゲショウの花

ハンゲショウは、ドクダミ科に属する宿根草で、日本の本州以南と朝鮮半島、中国、さらにはフィリピンなどに自生していて、日当たりのよい湿地によく群生していたんだ。ところが最近はそのような生育に適した環境が減ってきて、次第に姿を消しつつあるんだって。でも、本来は非常に丈夫な植物なので、環境さえ整えてあげれば、どんどん地下茎を伸ばして増殖していくぞ。フラワーセンターでは増えすぎて困っているくらいなんだ。
 ハンゲショウ

水辺や湿地に生える宿根草だけど、乾燥させ過ぎないようにすれば、普通の庭でも育てることができるから、みんなも一度栽培してごらん! 暑い夏の庭にさぁっと涼風が吹くよ。

 「ハンゲショウ」を見に行こう!
兵庫県立フラワーセンターHPはこちら>

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ムッシュ・フルーリ花探検 第17話 ポピー

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと春の花探検!
加西市にある兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。思わず「へぇ~!」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。
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【新型コロナウィルス感染防止のため4月14日~5月6日まで臨時休業】
『ムッシュ・フルーリの「へぇ~!」な雑学』開催日程
➀5/16(土)②6/27(土)③7/17(土)
(各13:30~15:00 ご参加には予約が必要です。)
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●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第17話 ポピー

フラワーセンターでは、ここ数年春花壇の一員としてチューリップと相性のいいポピーを使うことが多いんだよ。ポピーって一口に言っても、たくさんの種類があるんだけど、みんなはポピーって聞くとどんなポピーを思い浮かべるんだい? シャレーポピーにアイスランドポピー、オリエンタルポピーなどなど。ポピーという名前は、分類上ケシ科ケシ属の植物の総称として使われているからねぇ。でも、日本語でケシと言えば、花を観賞するポピーではなくて、アヘンやモルヒネの原料となる、あへん法で栽培を禁止されているケシを思い出すよね。今回は、ケシ類の中でも、花を観賞するポピーに焦点を当ててみよう!

フラワーセンターでは、11月から年末にかけて、園内のあらゆる花壇にチューリップの球根を16万球も植えるんだけど、花壇に球根を植え付けたら、翌春に芽が出てくるまで、花壇の表面には何もなくなってしまうよね。、それでは冬花壇にならないので、球根を植えこんだ花壇には、冬から春にかけて花を咲かせる一年草を、球根と球根の間に植えておくんだよ。その代表がパンジーやビオラなんだけど、そればかりじゃつまらないので、最近はポピーを使うことか多いんだ。 今年は、アイスランドポピーとシャレーポピーを植えているんだけど、この冬があまりにも温かかったもんだから、本来はチューリップが終わるころから咲き始めるアイスランドポピーが、チューリップに先駆けて3月の半ばくらいからちらほらと咲き始め、今ではチューリップと共演の真っ最中。だから今年の春の花壇はすっごく華やかなんだ。(この原稿を書いているのは4月中旬)でも、本来の時期の5月にはどうなっているのかちょっと心配なんだけどね。

アイスランドポピー

観賞用のポピーの代表と言えば、まずはヒナゲシ。最近はシャレーポピーなどとハイカラな名前で呼ばれることが多くなってきたけど、我々の世代は、何といってもアグネス・チャンが歌って大ヒットした「ひなげしの花」だよね。♬丘の上ひなげしの花が~♬ってね。
ヒナゲシは、ヨーロッパ原産で、麦畑の雑草だったんだよ。特に痩せた土地を好んで生えることから、イギリスでは、畑がケシで赤く染まるのは農家の恥とされた時代があったらしいんだ。ヒナゲシは、またの名をグビジンソウ(虞美人草)とも言うんだけど、これは、中国の伝説に由来していて、秦朝末期の武将・項羽には非常に美しい虞と言う愛人がいたんだけど、項羽が劉邦に敗れて垓下に追い詰められた時に、死を覚悟した項羽が詠った垓下の歌に合わせて虞が舞ったんだ。この舞の後に彼女は自害し、彼女を葬った墓にこの花が赤く咲いたという伝説からこう呼ばれるようになったんだってさ。

ヒナゲシ(シャレーポピー)

次は、最近ヒナゲシよりもよく見かけるようになったアイスランドポピーだね。和名はシベリアヒナゲシって言うんだけど、今では全く使われていないね。もちろん原産地はシベリアから極東で、その地域の気象条件などからアイスランドポピーと名付けられたらしいけど、アイスランド共和国とは全く縁もゆかりもないんだぞ。じつは、これに非常に近い仲間が日本にも自生しているんだ。それは北海道は利尻島の利尻岳だけに自生している、小さな黄色い花をつけるリシリヒナゲシなんだ。 アイスランドポピーは、1日で散ってしまう他のケシとは違って花保ちが良く、数日間も咲き続けるんだ。花色も基本色の白や黄色に加えて、オレンジ、サーモン、ローズピンクにクリームイエローなど、カラフルな園芸品種が育成されていて、その上寒さに強くて栽培しやすいので、大変な人気なんだ。


ケシの花(栽培禁止)  ケシの果実(栽培禁止)
最後に、みんなに気を付けてもらいたいことがあるんだ。冒頭でも触れたように、ケシ類には栽培してはいけない種類があることは知っているよな。「あへん法」や「麻薬及び向精神薬取締法」により、ケシ、ハカマオニゲシ、アツミゲシの3種の栽培が禁止されているので、十分注意が必要なんだ。特にイギリスなどの海外で栽培されている園芸品種の種子を、現地で買ったり輸入したりする際には、気を付けるんだぞ。アヘンが取れるケシは、ヨーロッパでは観賞用として多様な園芸品種が普通に栽培されているからな。でも、このケシの種子にはモルヒネが含まれていないので、日本でも昔からアンパンのてっぺんに乗っかってるだろう? そう、それが芥子粒すなわちケシの種子なんだ。種子は煎ると香ばしいので、パンやケーキに振りかけたり、七味唐辛子に混ぜたりしているんだ。もちろん、種子は取り締まりの対象にはなっていないから安心してもいいが、その種を播いて発芽した途端違法になるから気を付けるようにな。

アンパンの頂部に振りかけられている芥子粒
(ケシの種子を煎ったもの)

※ フラワーセンターは、新型コロナウィルス感染防止の観点から、兵庫県の指導により4月14日~5月6日まで臨時休園しています。

「ポピー」を見に行こう!
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