レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第25話 ロウバイ

「ムッシュ・フルーリの花探検 in フラワーセンター」
吾輩、ムッシュ・フルーリは、実は、 何を隠そう兵庫県立フラワーセンターという植物園の園長なんだ! 今回からは、我がフラワーセンターが誇る4,500種類にも及ぶ膨大な植物コレクションの中から、 その季節ごとに咲くとっておきの一品を紹介していくぞ!  栽培が難しくて国内では滅多に見ることのできない花、 形が奇妙で花らしくない花、普段何気なく目にしているけど、実はこんな変わった性質がある花、 そして世界中でフラワーセンターでしか見ることのできない植物などなど、次々と興味深い花たちを紹介していくから、楽しみにな!

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと冬の花探検!
加西市にある兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。 思わず「へぇ~! 」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。 大人気のセミナーです。
フラワーセンターのお花とムッシュフルーリに会いに行きませんか。

『ムッシュ・フルーリの「へぇ~! 」な雑学』開催日程
➀1/16(土)②2/20(土)③3/20(土・祝)
(各13:30~15:00 ご参加には予約が必要です。 )
*予定は変更になる場合がございます。
●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第25話 ロウバイ

ムッシュ・フルーリのファンの皆様、明けましておめでとうございます。 今年も、「へぇ~! 」な雑学をよろしくお願いいたします。

年が明けてまず最初に咲く花と言えば? そりゃあ、やっぱりロウバイだな! えっ、マンサクじゃないかって? だって、「先ず咲く」が訛ってマンサクになったんだろうって? そうだね、確かに、ロウバイが中国から渡ってくるまでは、日本ではマンサクがまず最初に咲く花だったんだろうね。 でも、ロウバイが導入されてからは、残念ながらその地位はロウバイに奪われてしまったんだな。 早咲きの品種なら12月には咲き始め、遅咲きでも2月には咲きだすくらいだからな。 しかもその香りときたら上品で何とも言えない良い香り。 晴れ渡った寒い日に、どこからともなくその香りが馥郁と漂ってくると、春の訪れが待ちどおしくなってくるだろう?
ロウバイの樹形

ロウバイとは、漢字で「蝋梅」と書くんだけど、これは、半透明で鈍い艶のある花弁が、まるで蝋細工のようであり、また、臘月(旧暦の12月)に咲くことから、そう呼ばれるようになったんだぞ。 もちろん、日本の花ではなくて、中国原産で江戸時代に導入されたと言われているんだ。 中国では、雪の中に咲く4つの花「雪中四友(せっちゅうしゆう)」の一つに数えられているんだ。 白い雪が似合うその4つの花とは、蝋梅、玉梅、茶梅に水仙。 玉梅は白い梅の花、茶梅は山茶花のことで、いずれも冬から春先に咲く花だね。
ロウバイ

英語圏では、“winter sweet”と呼ばれていて、寒い冬に甘い香りを放つロウバイにぴったりの名前だね。 蛇足ながら、英語のsweetは「甘い」という意味だけじゃなく、「よい香りがする」という意味もあり、スイートピー(sweet pea)は、エンドウ豆のような花でよい香りがするから付けられた名前で、決して「甘いお豆さん」じゃないんだぞ。

さて、ロウバイの花は、花弁が細くて中心部が暗い赤紫色をしているんだけど、みんなが良く知っているのは、「素心蝋梅(ソシンロウバイ)」と呼ばれる栽培品種で、花弁全体が黄色で香りも他の品種より強いんだ。 因みに「素心(そしん)」とは、園芸の世界、特に東洋蘭などの古典園芸植物に使われる言葉で、通常は2色以上の花色や斑点、斑紋がある花が、斑紋や斑点がなく、花色が一色になったもので、緑、黄色、白以外の色素を含まない花のことを「素心花(そしんか)」と呼んでるんだ。 ソシンロウバイも本来中心部の暗赤紫色がなくなり黄色一色になっていることからそう呼ばれているんだ。

  ソシンロウバイ

そしてさらに、「満月蝋梅(マンゲツロウバイ)」と呼ばれる品種があり、花が大きくて花弁の幅が広く、花全体が丸くて花色が濃いことから、満月にたとえられたんだね。
 
マンゲツロウバイ

ロウバイは、栽培する土壌をあまり選ばず、しかも、かなり日陰でもよく育って、花を咲かせる丈夫で栽培しやすい花木なんだ。さらに、ロウバイは実生繁殖が簡単で、種を播いて簡単に育てられる樹木でもあるんだぞ。晩秋から初冬にかけて、焦げ茶色をした実がなっているから、それをいただいてきて、中にあるあずき大の種を庭に播いておけば春には芽生えてくるぞ。種は、寒さに遭わせた方が良く発芽するので、寒いからと言って、決して暖房の効いた室内なんぞに入れないことだ。ただし、種にはカリカチンという有毒成分(アルカロイド)を含んでいるので、決して子供が口に入れないように注意するんだぞ。
 ロウバイの未熟果
 ロウバイの実と種子

 今年の冬は寒さが厳しいから、ロウバイが咲き始めるのはいつもより遅くなるかなぁ。咲き始めたら、フラワーセンターのSNSにアップするから、フラワーセンターで一足早い春を感じてくれよな。

「ロウバイ」を見に行こう!
兵庫県立フラワーセンターHPはこちら>

ムッシュ・フルーリは白井にとって緑の知恵袋のような存在。バックナンバー「ムッシュ・フルーリ緑の扉」にも植物の知りたいコトが満載です。

                

第24話 ポインセチア

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと冬の花探検!
加西市にある兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。思わず「へぇ~!」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。大人気のセミナーです。
フラワーセンターのお花とムッシュフルーリに会いに行きませんか。

『ムッシュ・フルーリの「へぇ~!」な雑学』開催日程
➀12/19(土)②1/16(土)③2/20(土)
(各13:30~15:00 ご参加には予約が必要です。)
*予定は変更になる場合がございます。
●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第24話 ポインセチア
 さあ、師走に入り今年もいよいよ大詰めになってきて、街中はクリスマス一カラー色だね。クリスマスの花といえば、もう何といってもポインセチアだよな。フラワーセンターでも11月21日からポインセチア&スミシアンサ展をやってるぞ!スミシアンサについては、去年に話をしたので、今回はポインセチアについて話をしてみようか。

ポインセチアは、植物に興味のない人でもそ名前や姿を知らない人はまずいないだろうな。それくらいこの時期にはポピュラーになった植物だな。クリスマスといえば、ポインセチアと言われるようになった一番のポイントは、ポインセチアそのものが、赤と緑というクリスマスカラーだったからだろうな。
ポインセチア

そもそもクリスマスカラーとはどうして赤と緑なんだって? えっ、そんなことも知らないのかい? じゃあ、その辺の基本から説明するとするかな。
まず「赤」だけど、これはキリストが十字架の上で流した血潮を表しているんだ。こう聞くと、ギョッとするかもしれないけど、これは、自分自身の死をもって人の罪をあがなおうとするキリストの愛と犠牲を表しているんだぞ。つまり、キリストは命がけで人々を愛しているということなんだ。
次に「緑」だけど、これは「永遠のいのち」を象徴していて、クリスマスツリーに使われる「モミの木」は、一年中枯れることなく緑を保つ常緑樹。この「枯れることがない」というところから、緑色は、キリストが与える命は永遠のものであることを表す象徴としてされているんだぞ。
ポインセチアの新品種たち➀

ポインセチアがクリスマスに飾られるようになったのには理由があって、話は、300年以上前の17世紀までさかのぼるんだけどね。17世紀、メキシコに住み着いたフランシスコ修道会の僧たちがポインセチアと出会うんだ。そして、ポインセチアの赤は「キリストの血」、緑は「永遠の象徴」を表すことから、縁起のよい植物として「ノーチェ・ブエナ(聖夜)」と呼ぶようになったんだな。最初は、キリストの誕生祭の行列で使われ、徐々にクリスマスの飾りとして世界中に広まっていったらしいんだ。やっぱり、真冬に咲く赤と緑がぴったりとハマったんだね。

ところで、当初「ノーチェ・ブエナ」と呼ばれていたものが、どうして「ポインセチア」になったのかって? それは、時が下って、アメリカ合衆国の初代メキシコ公使だったJ.R.ポインセットが「ノーチェ・ブエナ」を本国に紹介したところから、彼の名前を取って「ポインセチア」と呼ばれるようになったんだな( Poinsett ⇒ Poinsettia )。

日本には、明治になってから導入されたんだけど、当時は、ショウジョウボク(猩々木)と呼ばれてたんだ。これは、ポインセチアの赤く色づく苞を、大酒飲みで赤い顔が特徴の伝説上の動物「猩々」になぞらえて名付けられたんだ。でも、今ではこの名前を知ってる人は少ないだろうね。

さて、ポインセチアがなぜ冬に花が咲くのかってことだけど、ポインセチアは短日植物と言って、秋になって日長が短くなると花芽をつける性質があるんだ。だけど、温帯地方ではその頃には気温が下がってくるので、熱帯育ちのポインセチアには寒すぎるんだな。だから、11月頃に花を付けさせるには、まだ日が長い夏ころから日長を短くする短日処理をして、花芽を分化させてから温室内で管理をすると11月頃には花の周りの苞(ほう)が赤く染まるようになるんだ。
苞の中心部にあるポインセチアの花

ちなみに、みんなは知ってると思うけど、ポインセチアの赤いところは、花びらじゃなくて葉が変化した苞が色づいたもので、花はその苞の中心部にある粒状の物で、花弁はないんだぞ。花が付くころにはその周辺の苞が赤く色づいて、受粉を助けてくれる昆虫たちを呼び寄せるってわけさ。だから観賞価値がほとんどない花でも、それが付かないと苞が赤く染まらないってことなんだぞ。その小さな花が実は面白い形をしているので、是非フラワーセンターに来て、良―く観察してごらん!!

最近では、赤だけでなく白やピンク、絞りの入ったものなど数多くの新品種が育成されているので、冬の室内に飾るのが楽しみだな。


ポインセチアの新品種たち②

「ポインセチア」を見に行こう!
兵庫県立フラワーセンターHPはこちら>

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第23話 モミジバフウ

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと秋の花探検!
加西市にある兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。思わず「へぇ~!」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。大人気のセミナーです。
フラワーセンターのお花とムッシュフルーリに会いに行きませんか。

『ムッシュ・フルーリの「へぇ~!」な雑学』開催日程
➀11/21(土)②12/19(土)③1/16(土)
(各13:30~15:00 ご参加には予約が必要です。)
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●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第23話 モミジバフウ
11月の声を聞くと、そろそろ暖房が恋しくなってくるよね。8月はあんなに猛暑に苦しんだのに、寒さが近づいてくると、なんだかあの暑さが懐かしく感じるよ。 さあ、毎年この時期になると、フラワーセンターの園内でもそろそろ木々が色づき始めるんだ。なかでも、来園者に好評なのがモミジバフウの並木なんだ。ちょうど北門からは北料金所を経て本館事務所までの間にある「彫刻の道」の両側に、80本ほどが並木として植えられているんだ。この並木は、フラワーセンターのオープン当時に植えられてたものだから、樹齢は優に50年は越えているよな。なかなか見ごたえのある並木だから、みんなも一度くらいは見ておかなきゃな!!

モミジバフウの紅葉(フラワーセンターの彫刻の道11月中旬)

モミジバフウの原産地は、北アメリカの東南部で、日本に導入されたのは、大正末期で、アメリカ庭園協会から寄贈されたそうなんだ。病害虫や公害に強く、日本の気候によく適応して、丈夫でよく育つことから、全国の街路樹によく植栽されているんだ。しかも、どんなところに植えてもすごくきれいに紅葉するので、使い勝手が非常いい木なんだな。

さて、モミジバフウを漢字で書くと「紅葉葉楓」となるんだけど、なんだか変だよなぁ。そうだろう、「モミジの葉をしたカエデ」っていう意味なんだぞ。モミジもカエデも一緒だからねぇ。 で、モミジバフウの葉の写真を見てもらえばわかると思うけど、モミジの葉のような掌状葉で5~7裂しているよね。これが「紅葉葉(もみじば)」の理由なんだ。
モミジバフウの葉

では、「楓」とは? これにはちょっとしたからくりがあって、中国にはフウというモミジバフウの仲間が自生していて、これを中国では「楓」と書いているんだ。この「楓」という漢字が日本に導入されたときには、日本にはフウの仲間は存在せず、葉の形が似ていることから、どうも「楓」という漢字がカエデのことを指していると勘違いしたらしいんだな。ということで、それ以降カエデを指す漢字として、日本では「楓」が使われてきていて、今でも「楓」と書けば誰でも「カエデ」って読むよな。ところがだ、明治時代になってから、中国のフウという樹木が日本に導入されたときに、「楓」という名前だったものだから、これをそのまま音読みして「フウ」という呼び名にしてしまったんだよ。そこまでは良かったんだけど、それを漢字で表すと「楓」になってしまうので、「楓」という漢字が、カエデとフウという2種類の樹木を指すことになってしまったんだな。それが今でも続いてるってわけ。最初のほんのちょっとした勘違いから、千数百年後の現在の世の中にまで影響を及ぼしているんだぞ。当時、「楓」をカエデと勘違いした人は、この現状を知ったらどう思うんだろうか?

当時の人も勘違いしたと言われるカエデとモミジバフウの違いだけど、葉の形は良く似ているよなぁ。でも、付き方が全く違うんだぞ。カエデ類は対生といって、茎の両側に必ず2枚ずつ対になって葉が付いているけど、モミジバフウは互生といって一枚ずつ互いに付いているんだ。

さらに、モミジバフウの1~2年目の若枝には、「翼(よく)」と呼ばれるコルク層でできた平たくて硬いでっぱりがあるんだ。さらにさらに、モミジバフウの樹皮は縦に細くて深い切れ込みが多数入っていてるけど、カエデ類は比較的なめらかなんだ。どうだい、これで間違うことはないだろう?
モミジバフウの若枝のコルク層(翼)
モミジバフウの樹皮

ところで、モミジバフウの果実は非常に魅力的なフォルムをしていて、ドライにすると非常に長持ちするから、リースの材料としても良く使わているんだ。花材屋さんで買うと結構するもんだけど、年末にフラワーセンターに来たら拾い放題だぞ。
モミジバフウの果実

「モミジバフウ」を見に行こう!
兵庫県立フラワーセンターHPはこちら>

ムッシュ・フルーリは白井にとって緑の知恵袋のような存在。バックナンバー「ムッシュ・フルーリ緑の扉」にも植物の知りたいコトが満載です。

 

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