レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第31話 タビビトノキ

「ムッシュ・フルーリの花探検 in フラワーセンター」
吾輩、ムッシュ・フルーリは、実は、 何を隠そう兵庫県立フラワーセンターという植物園の園長なんだ! 今回からは、我がフラワーセンターが誇る4,500種類にも及ぶ膨大な植物コレクションの中から、 その季節ごとに咲くとっておきの一品を紹介していくぞ!  栽培が難しくて国内では滅多に見ることのできない花、 形が奇妙で花らしくない花、普段何気なく目にしているけど、実はこんな変わった性質がある花、 そして世界中でフラワーセンターでしか見ることのできない植物などなど、次々と興味深い花たちを紹介していくから、楽しみにな!

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと夏の花探検!
加西市にある兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。思わず「へぇ~!」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。大人気のセミナーです。
フラワーセンターのお花とムッシュフルーリに会いに行きませんか。

『ムッシュ・フルーリの「へぇ~!」な雑学』開催日程
➀8/21(土)②9/18(土)③10/16(土)
(各13:30~15:00 ご参加には予約が必要です。)
*予定は変更になる場合がございます。
●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第31話 タビビトノキ

フラワーセンターの大温室に入り、熱帯植物室に一歩足を踏み入れると、真正面に見える巨大な植物。1枚が数メートルはあろうかという大きな葉、その葉が左右に扇状に広がって、天井にも届いている。この植物こそがマダガスカル原産のタビビトノキと称される植物なんだ。英語では“Traveller’s Palm(旅人のヤシ)”と呼ばれてるんだけど、ヤシの仲間じゃなくて、あの如何にもトロピカルな花を咲かすゴクラクチョウカの仲間なんだぞ。また、巨大な櫂状の葉が長い葉柄の先に扇状に平面に並ぶことから、オオギバショウ(扇芭蕉)と呼ばれることもあるんだ。
タビビトノキの樹姿▶

さて、別名のオオギバショウの由来は分かったと思うけど、じゃあ、本名のタビビトノキの由来は何?っていう声が聞こえてきたぞ。タビビトノキっていう名はもちろん英語の和訳なんだけど、じゃあ、どうして英語で“Traveller’s Palm”って呼ばれるようになったのかってことだけど、これがなかなか確かな定説がなくってねぇ。とはいえ、一つには、長い葉柄の付け根の重なる部分に雨水が溜まるため、乾燥地帯の旅行者の飲料水の供給源として利用されたからという説。もう一つは、扇状に広がる葉が東西方向へ広がることから、旅人に対してコンパスの役割を果たすからという説。この2説がまことしやかに言われているんだけど、一つ目の説は。溜まっている水には、埃や虫などがたくさん入っていて、衛生的にも勧められたもんじゃないということ、二つ目の説は、全ての個体が正確に東西を向いているわけではないってことで、あんまり信用できないんだな。

ともあれ、非常に背が高くなり、樹姿も美しいうえに、丈夫で育てやすいことから、世界中の熱帯及び亜熱帯地域で広く栽培され、街路樹にも使われてるんだ。日本でも、奄美や沖縄では植栽されているぞ。さすがに、フラワーセンターのある兵庫県加西市では、冬が寒すぎて屋外では枯れてしまうので、大温室内に植栽されているんだ。
実は、この奇麗な扇状の樹姿は、マダガスカル航空のロゴマークにも使われていて、マダガスカルを代表する植物になっているんだ。
◀タビビトノキを図案化した
マダガスカル航空のロゴマーク

フラワーセンターには開園当初から大温室に植えられていて、もう何度も天井にまでつっかえてしまい、そのたびにその幹は切り倒されているんだけども、その株元から次々と新しい株が出てきて、常に数本の幹が立っているんだ。

フラワーセンターでも、花はめったに咲かないんだけれど、昨年久し振りに咲いたので、種ができるのを楽しみしていたんだ。花の形は、ゴクラクチョウカとそっくりで、あのトロピカルなオレンジ色の花弁が白いっていうくらいの違いかな。でも樹上の上の方で咲くので、ほとんど目立たないけどね。
タビビトノキの花(白いものが花弁)▶

タビビトノキのその驚くべき特徴は、花の後にできる種子にあるんだ。果実が熟して乾燥して実が開くと、中から植物の種子とは思えないほど鮮明なコバルトブルーの種子が顔を覗かせるんだ。
地球上には25万種類もの種子植物があるけど、これだけ鮮やかな色をした種子はなかなかお目にかかれないぞ。大温室にあるタビビトノキの前には実物が展示してあるから、是非、コバルトブルーに輝く種子を見てほしいもんだな。

 

 

◀タビビトノキの果実
(果実の中にあるコバルトブルーの物が種子)

 

 

「タビビトノキ」を見に行こう!
兵庫県立フラワーセンターHPはこちら>
www.hyogo-park.or.jp/flower-center/index.html

ムッシュ・フルーリは白井にとって緑の知恵袋のような存在。バックナンバー「ムッシュ・フルーリ緑の扉」にも植物の知りたいコトが満載です。

 

 

 

第30話 ノウゼンカズラ

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと夏の花探検!
加西市にある兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。思わず「へぇ~!」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。大人気のセミナーです。
フラワーセンターのお花とムッシュフルーリに会いに行きませんか。

『ムッシュ・フルーリの「へぇ~!」な雑学』開催日程
➀7/17(土)②8/21(土)③9/18(土)
(各13:30~15:00 ご参加には予約が必要です。)
*予定は変更になる場合がございます。
●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第30話 ノウゼンカズラ

7月の声を聞くと咲き始めるのが、いかにも夏の花やなぁっていう感じのノウゼンカズラなんだけど、今年は春先の2~3月が暖かかったもんだから、芽出しが早かった分咲き始めも早くて、フラワーセンターでもこの原稿を書いている6月中旬には、もう咲き始めてるんだよ。

◀ノウゼンカズラの花
ノウゼンカズラはノウゼンカズラ科に属する落葉性のつる性木本。 中国原産で日本には平安時代には渡来していたらしく、すっかり日本の夏の花になっているよね。寒さにはそこそこ強くて東北地方以南であれば戸外でも冬を越すし、何といっても暑さに強いのがとりえだね。最近の真夏の暑さにもびくともしない強靭さで、暑さに強いだけでなく、樹勢が非常に強く、丈夫で栽培しやすいので全国的に普及したんだろうね。

 実はノウゼンカズラに、よく似ているアメリカノウゼンカズラっていうのがあって、よく混同されているんだ。こちらは名前のとおりアメリカ原産なんだけど、ノウゼンカズラとの違いは、花の筒が細長くて花径が一回り小さい、さらに花色が濃いオレンジ色なので、花をよく見ると区別はつきやすいんだけど、たしかに遠目に見ればよく似ているね。
アメリカノウゼンカズラの花▶

さて、ノウゼンカズラは、漢字で書くと「凌霄花」で、これは漢名から来ているんだよ。漢名の「凌霄花」っていうのは、「霄(そら)を凌ぐ花」っていう意味で、高いところに攀じ登ってその先にたくさんの花を付けることから名付けられたんだ。英語では、花の形にちなんで、「トランペット・ヴァイン」や「トランペット・クリーパー」なんて呼ばれてるよ。

実は、ノウゼンカズラには毒があるっていう迷信がまことしやかに伝えられているんだ。中には「ノウゼンカズラを触った手で目をこすると失明する」なんてのもあるくらいなんだ。ノウゼンカズラにとってみれば迷惑な話で、ノウゼンカズラは全くの無毒だっていうことをここではっきりと言っておくぞ。でも、どこからそんな迷信が生まれたんだろうね。

 また、ノウゼンカズラを庭に植えてはいけないっていうことをいう人もいるんだけど、確かに非常に丈夫で生長が早く、すぐに大きくなって屋根を覆いかぶさるように茂ってしまうこともあるので、そういわれているのかもしれないね。でも、一つ言えるのは、蔓が壁などに這っていく際に、付着根っていう木質の気根を出して這い上っていくんだけど、それが壁にへばりついて見た目が汚く見えるってことだな。さらに言うと、樹勢が強いだけに地下茎を延ばしてひこばえを出して増えていくので、必要がなくなった時に根絶やしにするのが困難だっていうことかな。だから、庭に植える時はそのあたりを十分に考慮するようにな。

▼ピンクノウゼンカズラ           ジャカランタ▼
   

ノウゼンカズラの仲間には、ピンク色の爽やかな花を付けるピンクノウゼンカズラと呼ばれているものがあるけど、越らは常緑の蔓性木本で、ノウゼンカズラよりは寒さに弱いので、関東地方の沿岸部以西でないと冬越しは難しいかもね。もう一つ、同じノウゼンカズラ科の植物で、最近はやりのジャカランダっていう花木があるんだけど、みんなも知っているよな。
こちらは蔓性ではなくて、れっきとした大木になるんだけど、ネムノキに似た羽状複葉を付け、枝の先端に青紫色花をたくさんつけるんだ。大きな花木で青紫系の花を付けるのは珍しいので、最近、暖地で普及しているようだけど、ジャカランダも寒さには強くはないので、神戸の街中で何とか冬越しする程度の耐寒性なんだ。

どちらにしても、フラワーセンターには、風車前のパーゴラに、ノウゼンカズラとアメリカノウゼンカズラが咲き誇っているから、庭に植えられない人はぜひ最盛期に見に来てほしいな。

「ノウゼンカズラ」を見に行こう!
兵庫県立フラワーセンターHPはこちら>

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第30話 インパチェンス

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(各13:30~15:00 ご参加には予約が必要です。)
*予定は変更になる場合がございます。
●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第30話 インパチェンス

 インパチェンスっていう花は、みんなは良く知っているよね。 今ではフラワーセンターの夏花壇には欠かせないポピュラーになっている花だよね。因みに和名はアフリカホウセンカって言うんだけど、みんなは聞いたことあるかな? えっ、聞いたことがないって? みんなはそんなに若いんだねぇ。今では、あまり聞かなくなってしまった名前だけど、ホウセンカの仲間でアフリカ原産という意味合いだから、わかりやすい名前だと思うけどなぁ。
◀インパチェンスの花壇

それじゃあインパチェンスっていう名前は、どういう意味かって? では、説明をはじめるとするかな。ホウセンカもアフリカホウセンカもツリフネソウ科ツリフネソウ属に分類される熱帯性の多年草で、日本の野山に生えているツリフネソウの仲間なんだな。     ツリフネソウの花▼
この仲間の共通点は、実はその果実にあるんだ。 ホウセンカを育てたことのある人ならわかるだろうけど、果実が熟すと、ちょっと触れるだけで果皮が一瞬で弾けて、中の種子が勢いよく飛び散るんだよ。飛び散った種が当たると痛さを感じるくらいの勢いで弾き飛ばされるんだけど、それはできるだけ広範囲に種子を散布するために、長い年月をかけて勝ち取ってきた仕組みなのさ。植物は自分の子孫の繁栄を願って、あらゆる手段を講じて、種子をできるだけ広範囲の散布する努力をしているんだ。

▲ホウセンカ    今にもはじけそうなホウセンカの実▲

風で飛ばされていくタンポポの綿毛やカエデの翼、動物の毛や衣服にくっつくオナモミの鈎針、甘いおやつを付けたスミレ、水に浮くスポンジに囲まれたハマユウ、人間が食べても美味しいと感じる果肉を蓄えたフルーツ類などなど、調べれば調べるほど、いくらでも数多くの仕組みが見つかるんだ。 動けない植物は身の回りの環境を巧みに利用して、生産した種子をなるべく広範囲に散布するための努力をしてきたのさ。

さあ、話を元に戻そうか。インパチェンスっていう名前は、ツリフネソウ属の学名Impatiens(インパティエンス)から来てるんだけど、この属名は、ラテン語の「impatiens=我慢できない」を語源にしていて、果実がちょっと触るとすぐに弾けることが由来になっているんだ。どうだい、なかなかセンスのいい名付け方だと思わないかい?

最近では、インパチェンスの他にも、花が大きくて、株張りも大きなニューギニア・インパチェンスの品種も多数育成され、花壇や寄せ植え以外にも大鉢で観賞されるなど、利用方法も多様になってきているので、是非、みんなも育てて見てくれよな。その際には、果実に触れてみて、我慢できるかどうか調べることを忘れないようにな!!

◀ニューギイア・インパチェンス 

 

 

 

「インパチェンス」を見に行こう!
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