レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第15話 桜(サクラ)

「ムッシュ・フルーリの花探検 in フラワーセンター」
吾輩、ムッシュ・フルーリは、実は、 何を隠そう兵庫県立フラワーセンターという植物園の園長なんだ! 今回からは、我がフラワーセンターが誇る4,500種類にも及ぶ膨大な植物コレクションの中から、 その季節ごとに咲くとっておきの一品を紹介していくぞ!  栽培が難しくて国内では滅多に見ることのできない花、 形が奇妙で花らしくない花、普段何気なく目にしているけど、実はこんな変わった性質がある花、 そして世界中でフラワーセンターでしか見ることのできない植物などなど、次々と興味深い花たちを紹介していくから、楽しみにな!

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと春の花探検!
加西市にある兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。思わず「へぇ~!」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。
フラワーセンターのお花とムッシュフルーリに会いに行きませんか。
『ムッシュ・フルーリの「へぇ~!」な雑学』開催日程
① 3/21(土)* ②4/18(土)③5/16(土)
(① ③13:30~、②10:00~。ご参加には予約が必要です。)
(②はムッシュ・フルーリ園長の園内ガイドツアーです。)
 *3/21(土)は中止となりました。
●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)
【3月20日(金・祝)~4月30日(火) チューリップまつり2020開催中!!】

第15話 桜(サクラ)
今年は異常なほどの暖冬で、フラワーセンターの花壇は、1月の半ば頃から例年の3月のような様相。種類によっては、ひと月も早く咲き始めたものもあるんだ。今年のチューリップはどうなるんだろうか?

フラワーセンターの春と言えば、何といってもチューリップだけれど、その陰に隠れてしまっているのが桜たちなんだ。園内には40種類ほどの桜が植えられており、毎年春一番の3月初め頃に咲き始めるのは河津桜(カワヅザクラ)なんだけど、今年は2月半ばには咲き始めたんだぞ。

ところで、「サクラ」という名前の語源を知っているかい? 実のところ、いくつもの説があってはっきりとは判ってないんだってさ。でもよく耳にするのは、古事記や日本書紀にも登場し、さくらの霊ともいわれる、木花開耶姫(このはなさくやひめ)を由来とする説だよね。この姫が霞に乗って、富士の山の上空から桜の種を播いたといわれてるんだ。

さて、園内の桜で、何といっても圧巻なのは、最もたくさん植えられている「関山(カンザン)」という園芸品種なんだ。この品種は、八重桜では最もポピュラーな品種で、ソメイヨシノが葉桜になる頃、4月中下旬あたりから濃いピンクのボリュームのある花が咲き始めるんだ。四季の花壇の藤棚の後ろ側、飯盛山の山すそにあるサクラ園にたくさん植わっていて、ソメイヨシノとは違って非常に豪華な花で、しかもその下でお花見もできるから、ソメイヨシノに見飽きたら、是非フラワーセンターに見に来てほしいもんだな。

「関山(カンザン)」              「関山」の樹形

日本には野生のサクラが15種あるとされているんだけど、関西でよく知られているのは、ヤマザクラくらいかな。園内の飯盛山にもたくさん自生しているぞ。ソメイヨシノより幾分早く赤茶色の新芽と同時に白い花を咲かせるので、遠目には薄いピンクの花に見えるんだ。奈良の吉野山の桜はこのヤマザクラなんだぞ。また、典型的な里山風景で有名な、兵庫県川西市の猪名川沿いには、エドヒガンの群生地あり、開花時期には多くの見物客が訪れるんだってさ。

ヤマザクラ(花は白く新芽が赤茶色)  遠目で見るとピンク色に見えるヤマザクラ

みんなは桜と言えば、桜色というくらいだからピンク色の花だと思っているだろうけど、ヤマザクラやオオシマザクラのように、野生種でも白色の花もあるんだぞ。しかも園芸品種には緑色や黄色い花を咲かせる桜もあるんだから驚きだろう? 咲き始めは緑色で次第に黄色くなって、最後には花の中心が赤く変化する「御衣黄(ギョイコウ)」、ちょっとくすんだ黄色の花をつける「鬱金(ウコン)」っていう園芸品種も、フラワーセンターに来れば見ることができるぞ!

「御衣黄(ギョイコウ)」の咲き始め     「御衣黄」の咲き終わり

もう一つ、ちょっと珍しい桜を紹介しようか。それは「普賢象(フゲンゾウ)」っていう名前の園芸品種なんだけど、この品種の面白いところは、本来1本であるはずの雌しべが2本あって、しかもその形が小さな葉のようなんだ。もちろん色も白色ではなく緑色で、その雌しべの縁には本当の葉と同じように鋸歯(葉の縁にあるギザギザの切れ込み)まであるんだってんだから驚きさ。この特徴も遠目に見ていてはわからないから、フラワーセンタに来て、桜の花を一度近くでじっくりと観察してみることだな。

「鬱金(ウコン)」           「普賢像(フゲンゾウ)」の緑色の雌しべ

操の「へぇ~!」
めずらしい桜の花にうっとり!実際に見上げるとさぞかし美しいことでしょう。疑似体験で想像をふくらますより、実際に花をみて、花を感じて感動するのが一番だと思っています。桜の花はなおのこと。昔の人もそのことをよく分かっていて、春になると桜の木の下で花見をしてきたんでしょうね。今年は早く咲きそう。フラワーセンターでは一味違うお花見が楽しめそうですね。

「さくら(桜)」を見に行こう!
兵庫県立フラワーセンターHPはこちら>

ムッシュ・フルーリは白井にとって緑の知恵袋のような存在。バックナンバー「ムッシュ・フルーリ緑の扉」にも植物の知りたいコトが満載です。

第14話 キンカチャ(金花茶)

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと冬の花探検!
加西市にある兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。思わず「へぇ~!」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。
フラワーセンターのお花とムッシュフルーリに会いに行きませんか。
(参加の皆様には会場で操さんのレシピプレゼントもありますよ。)
『ムッシュ・フルーリの「へぇ~!」な雑学』開催日程
2/22(土)、3/21(土)
(すべて13:30~。ご参加には予約が必要です。)
●「予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第14話 キンカチャ(金花茶)

今年の冬は異常に暖かくて、この原稿を書いている1月23日現在でも、フラワーセンターの最低気温が氷点下になっていないんだよ。フラワーセンターのある兵庫県加西市は、内陸型気候なので、冬場は結構冷え込みがきつくて、去年の冬は-8℃まで下がったくらいなんだ。でもこの冬はいまだに0℃止まりで、日中も春のような陽気が続いているので、花壇のビオラや菜の花、ストックはもうすでに満開状態。

もちろん温室内は冬中百花繚乱なんだけど、今回はそんな中でもフラワーホールの片隅に人知れず咲いている「キンカチャ」を紹介しようかな。ところで、みんなは「キンカチャ」という名前は聞いたことがあるかい? 「キンカチャ」とは「金花茶」という字を書いて、「金色の花が咲くお茶の木」と言いたいところじゃが、これは中国名をそのまま我が国に持ってきているので、「黄金色の花が咲く椿」という意味の名前なんだな。中国ではツバキを「山茶」と書き、ツバキの仲間の名前はほとんど○○茶と名付けられているんだ。因みに、中国で椿という字はチャンチンという樹木のことを指しているので、間違わないようにな。

フラワーホールに植栽されているキンカチャとオオバキンカチャ

日本のツバキと言えば、もちろん真っ赤な花の咲く「ヤブツバキ」で、北海道を除く至る所の山々で見られるよな。江戸時代には、椿の園芸品種が数多く作出されて、大名から庶民に至るまで、一大ブームを起こしたんだってさ。でも、花色は赤、白それにピンクのみで、もちろん黄色いツバキはなかったよな。
 キンカチャ

ツバキの仲間は、アジアの東南部に250種類ほど自生していて、中国南部を中心に、西はネパール、南はインドネシアの島々、そして北は日本の青森県までの範囲に分布しているんだぞ。そのうち、日本には、ヤブツバキ、ユキツバキ、それにサザンカのたった3種類しか自生してないんだ。

1965年に、中国南部の広西荘族自治区の南寧市近郊で発見された「キンカチャ」が世界的に報告されたんだけど、当時の中国は外国人による調査はもちろんのこと、観光旅行さえも認められていなかったので、実際に我々日本人が黄色いツバキを目にしたのは、それから14年もあとの1979年以降だったんだな。それ以降、中国の南部やベトナムから次々と黄色いツバキが報告されて、今では黄色い花をつけるツバキは、中国とベトナムを合わせて50種類も報告されているんだ。
 オオバキンカチャ

さて、その「キンカチャ」は、黄色い花をつけるツバキの中でも、光沢のある濃い黄色の花をつけて観賞価値の高いことから、黄花ツバキの育種親として利用されるのは、もっぱらこの「キンカチャ」なんだ。
「キンカチャ」を使った黄花ツバキの育種が始められてから、もうかれこれ40年ほどが経ち、すでに30種類以上の品種が育成されているんだけど、どれを取ってみても薄い黄色やクリーム色の域を出ず、真の黄色い花びらを持った黄花ツバキは育成できていなんだ。みんなが夢見る黄色い椿の出現にはまだしばらく時間がかかりそうだな。

黄花つばき「かぎろい」(クリーム色の花)
※フラワーセンターには植栽されていません

操の「へぇ~!」
キンカチャ、かわいい花ですね。初めて見ました。黄色い椿ってめずらしいですね。
梅でいう蝋梅に近い感じなのかな。そういえば「満月蝋梅」ってひょろっとした苗木が1万円という高値で売られていてびっくりしたことを思いだしました。
椿の世界もすごいですね。ヨーロッパの大きな八重の椿、カメリアはなんともゴージャス。京都の薬草園でお寺から預かっているというすばらしい老木の椿を見せていただいたこともありました。私が好きな椿は侘助。小ぶりのうす~いピンクの花が好きなんです。

「キンカチャ(金花茶)」を見に行こう!
兵庫県立フラワーセンターHPはこちら>

ムッシュ・フルーリは白井にとって緑の知恵袋のような存在。バックナンバー「ムッシュ・フルーリ緑の扉」にも植物の知りたいコトが満載です。

第13話 ベゴニア

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(参加の皆様には会場で操さんのレシピプレゼントもありますよ。)
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1/11(土)、2/22(土)、3/21(土)
(すべて13:30~。ご参加には予約が必要です。)
●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)
●1月2日~4日はお正月特別開園いたします!

第13話 ベゴニア

早いもので、年が明けて令和も2年。昨年の令和元年は、大きな災害が全国で発生して大変な年だったけど、今年は平穏な年になってほしいね。

さて、令和2年の初っ端は、フラワーセンターの数多いコレクションの中から、ベゴニアに焦点を当ててみよう! ベゴニアって花はみんなもよく知っているだろうが、一口にベゴニアと言っても、世界中の熱帯~亜熱帯を中心に約2,000種類もの野生種があるもんだから、その形態や性質も様々なんだよね。ただし共通する特徴もあり、葉の形が左右非対称で、ゆがんだ形をしていること。そして、花は雄花と雌花があり、雄花は4枚、雌花は5枚の花弁を持っていることなんだ。まあ、自然界のことだから、一部例外もあるけどね。
そこで、園芸上は形態と性質の似たもの同士を集めて、以下の4つのグループに分けて扱っているんだ。

<木立ち性ベゴニア>
夏の花壇の主役として、みんなもよく知っているベゴニア・センパフローレンスを代表とする茎が立ち上がるタイプのベゴニアで、その形態から、叢生型、矢竹型、多肉茎型,つる型に分けらているんだ。センパフローレンスは叢生型だけど、その次によく栽培されているのは矢竹型だね。この矢竹型は、細い竹のような茎を伸ばして人の背丈ほどにもなるけど、大きな花房をたくさんつけるので、結構観賞価値があるんだな。みんなも作ったことがあるよな。
 ベゴニア・センパフローレンス(叢生型)

木立性ベゴニア(矢竹型)         木立性ベゴニア(矢竹型)の花房

<根茎性ベゴニア>
太短い茎が地表面に横たわっていて、主に葉の美しさを観賞するグループで、レックス・ベゴニアと呼ばれる品種群が有名だよね。みんなも聞いたことがあるだろう? このタイプは日当たりを好まないので、明るい室内で栽培できるんだ。だから、レックス・ベゴニアは室内用の観葉植物として重宝するので、非常にたくさんの品種があるぞ。
  根茎性ベゴニア(レックス)3種

<球根性ベゴニア>
ベゴニアの中で最も豪華で美しい花をつけるのがこのタイプで、球根ベゴニアとも呼んでいるよな。このグループは、南米のアンデスの熱帯の高山地域に自生する球根を持つ数種類のベゴニアを交配して作出された品種群で、寒さにも暑さに弱いため、冷暖房完備の温室がないと栽培が難しいんだな。でもその花を一度見たらとてもベゴニアとは思えないほどの豪華さなので、誰しも一度は栽培してみたいと思うんだけど、栽培環境を整えるのに苦労するよな。フラワーセンターでは、オープン当初から球根ベゴニアを栽培していて、「球根ベゴニア室」では年中その豪華で美しい花をたっぷりみられるぞ。

上記以外の栽培品種として、エラチオール・ベゴニア、クリスマス・ベゴニアなど、冬の鉢物として出回っているけど、寒さに弱くて日当たりを好むので、室内ではすぐにダメになってしまうよな。これら以外にも、どのグループにも属さないような変わったものがあるけど、滅多にお目にかかることもないので、これくらいにしておこうか。

エラチオール・ベゴニア          クリスマス・ベゴニア

ところで、ベゴニアの中で暑さ寒さに強くて栽培しやすく、屋外に植えることのできる種類があるのを知っているかい?  おっ、やっぱり知っている人がいたなぁ。そう、シュウカイドウっていう植物だな。どうだい、聞いたことがあるだろう? 漢字で書くと「秋海棠」これは地下に小さな球根を作る多年草で、花も葉もベゴニアの特徴を持っていて、秋には茶花にもなるような、いかにも日本的な花を咲かせるんだ。 放っておいても毎年花が咲くので、庭の片隅にでも植えておけばいいと思うよ。ただし日の当たり過ぎと乾燥には注意するようにな。半日陰とやや湿っぽいのが好きな花だからな。
時々、野生化しているのも見るけど、これはずいぶん古くに中国からやってきた植物なんだぞ。なんか昔から日本にいるような顔をしているけどな。
多様なベゴニアを見たくなったら、フラワーセンターに見に来るんだぞ。

シュウカイドウの群落          シュウカイドウ

 操の「へぇ~!」
フルーリおじさん!フラワーセンターってすごいね。「へぇ~!」というお宝がたくさんあってびっくりです。古い話だけど今から40年前くらい前、六甲山のホテルで夏の間いろんな球根ベゴニアや背の高いベゴニア(木立性ベゴニアっていうのね)が本当に見事でしたよ。大勢の人が感動して見ていたことを思い出しました。シュウカイドウはやっぱりベゴニアの仲間だったんですね。名前もそーっと凛と咲く姿も素敵です。
生け花にするときは太めの曲がるストローに挿すと短い枝のベゴニアも楽しく生けられますよ。

「ベゴニア」を見に行こう!
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