レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

お知らせ

知ってびっくり!こうや豆腐の最前線 vol、1

2020/7/21 New

今お知らせしたい耳よりな情報、白井が出会った素敵な人や仕事など、毎回新たな切り口でご紹介。トークショーや料理セミナーでお話しするような気持ちで、楽しい話題や知っておきたい知識をHPで発信します。
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第一回はこうや豆腐のとっておきのトーク。こうや豆腐の見方が変わる最新情報をお届けします。
旭松食品株式会社は、1950年に長野県飯田市で創業。健康的な食材としてどんどん進化を遂げるこうや豆腐をメインに製造販売している企業です。「私たちはお客様の生活文化の向上と共に歩み、より快適で、健康な食生活を追求し、日々に、新たに前進します」の企業理念のもと、お客様の健康に貢献する企業として、様々な研究・努力を重ねておられます。木下博隆社長にお話を伺いました。

どんどん進化するこうや豆腐
白井 旭松さんと仕事をさせていただいて、子供の頃から食べてきたこうや豆腐のおいしさを伝えられることが私にとって嬉しいことなんです。
木下 ありがとうございます。
白井 こうや豆腐って知らない間にものすごく進化していてびっくり。パッケージは昔とちっとも変わらないのに(笑)
木下 ハハハ(笑)。パッケージは登録商標なんです。PRが下手なんですよ。もともと、こうや豆腐は糖質も少なく、タンパク質や鉄分、カルシウム、マグネシウムなど様々な栄養素がギュッと詰まったスーパー食材ですが、中でもレジスタントたんぱく質に注目しています。血糖値スパイクが抑えられるとか、血中のコレステロールが抑えられるとか、様々な研究が進んでいます。
白井 私も、こうや豆腐に含まれるレジスタントたんぱく質のことをあらためて知りました。
木下 レジスタントたんぱく質は、消化酵素で分解しても分解しきれないもので、食物繊維のようなもの。食べ物が胃に留まる時間を長くします。そのため、血糖値の急激な上昇を抑え、満腹感を感じやすく、過食を防止してくれるんです。またコレステロール調整・食後の中性脂肪上昇を抑制する作用もあり、糖尿病予防や改善効果にも期待できることがわかっています。
白井 体に良いこと尽くめなのですね。
木下 さらにもう一つ、約40年ぶりに製法を見直しまして。我が社ではこうや豆腐を年間約2億枚作っているんですが、1枚あたり0.2g塩分が入っていたんです。これを加工法を替えることで、2014年に限りなくゼロにした。2億枚なので、約40トンの減塩に成功したということで、「第6回健康寿命をのばそう!アワード」で「厚生労働省の健康局長優良賞をいただきました。
白井 すごいことですねぇ。
木下 工程を全部変えないといけないから、かなりの費用がかかりました。
白井 他のメーカーがやってないことをやるというのは、大変なこと。本当に、どんどん進化してるのですね。
木下 あまり知られてないですけれどね(笑)。
白井 ふふふ、頑張ってください(笑)。


「こうや豆腐でおいしく健康に」
井のこうや豆腐レシピはこちらから>
写真は「彩りそうめん こうや豆腐の含め煮のせ」


国際規格「グローバルギャップ」認証の大豆とは?

白井 最近原料として使われ始めたという「グローバルギャップ」認証大豆について教えてください。
木下 「グローバルギャップ」は、世界120か国以上で食品の安全、労働環境、環境保全などに配慮した「持続的な生産活動」を実践する優良企業に与えられる国際規格です。東京オリンピック・パラリンピック食材選定で注目が高まったガイドラインです。うちは年間約2億枚のこうや豆腐を作るにあたり、約7千トンの大豆を使います。それだけの量を確保しながら農地の自然環境は維持しないといけないし、働いている従業員の労働安全も、食品原料なのでもちろん安全性も担保しないといけない。そうした厳しい審査基準が求められる中、米国ブラッシュベール社のミラー社長がただ一人、「やるよ」と言ってくれました。2020年4月1日出荷分より、「グローバルギャップ」認証大豆を使用したこうや豆腐に全面切り替えしています。
白井 和食に欠かせない大豆の価値を、これからも守り続けてくださいね。

自然の力でおいしく、やさしく。

白井 長野の農場で自社栽培もされているとか。
木下 量は少ないですが、飯田市の農地で「つぶほまれ」という大豆を栽培しています。こちらはアジアンギャップという審査基準を得た大豆で、限定150商品のこうや豆腐を作り、東京五輪で使ってもらおうと長野の元善光寺で必勝祈願までしたのですが、残念ながら延期になってしまったので、今度お祈りするなら、「疫病退散」だな。
白井 何人くらいの方が農業に関わっているのですか?
木下 前身の「大豆クラブ」という活動から始まって、私の母の田んぼで大豆を栽培しているんですが、そのメンバー10人ほどです。
白井 クラブ活動だなんて、楽しい!
木下 農場では、こうや豆腐の副産物である微生物の塊を使って肥料にしているんです。
白井 そうなんですか。
木下 乾物のこうや豆腐を1枚作るのに、約6ℓの水が必要なんです。それを地下水から汲み上げて、最終処理を微生物が水処理してるんですが、以前は産業廃棄物として捨てていた副産物の微生物塊と長野県の間伐材チップを原料に、昔ながらの自然に近い堆肥を作って肥料にしています。その肥料で育てた野菜が、うまいんですよ。
白井 いただいたアスパラガス、太くて柔らかくておいしかったです。そうそう、牛の飼育にも関わっておられるそうですね。
木下 肥料とは別に飼料も作っています。牛の餌なんですけど、うちは免疫作用を高める納豆菌というのを持っていて、それをこうや豆腐を作るときに出るおからに噴霧して、発酵させて作った機能性飼料なんです。これを食べさせたら、いい牛肉ができたと。
白井 サシの部分、赤身の中の脂の入り方が昔の刺繍みたいにキメが細かくて脂っこくなくて、本当においしい。
木下 今、新型コロナウイルスの影響で、いろいろな問題が起きているけれど、牛肉も大変なんですよ。牛はどんどん大きくなるのに、消費が追いつかないから。
白井 料理屋さんも大変苦労をされている声を聞きます。牛肉もまたその影響を受けるんですね。

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フリーズドライ納豆や大豆の華などの新商品展開、こうや豆腐のさらなる進化、乳児アトピー改善報告などなど、木下社長とのお話は尽きません。大豆や和食の未来が気になるこの続きは、第2回で届けします。

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