レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第12話 ハボタン(葉牡丹)

「ムッシュ・フルーリの花探検 in フラワーセンター」
吾輩、ムッシュ・フルーリは、実は、 何を隠そう兵庫県立フラワーセンターという植物園の園長なんだ! 今回からは、我がフラワーセンターが誇る4,500種類にも及ぶ膨大な植物コレクションの中から、 その季節ごとに咲くとっておきの一品を紹介していくぞ!  栽培が難しくて国内では滅多に見ることのできない花、 形が奇妙で花らしくない花、普段何気なく目にしているけど、実はこんな変わった性質がある花、 そして世界中でフラワーセンターでしか見ることのできない植物などなど、次々と興味深い花たちを紹介していくから、楽しみにな!

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと冬の花探検!
加西市にある兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。思わず「へぇ~!」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。
フラワーセンターのお花とムッシュフルーリに会いに行きませんか。
(参加の皆様には会場で操さんのレシピプレゼントもありますよ。)
『ムッシュ・フルーリの「へぇ~!」な雑学』開催日程
12/14(土)、1/11(土)、2/22(土)
(すべて13:30~。ご参加には予約が必要です。)
●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)
●1月2日~4日はお正月特別開園いたします!

第12話 ハボタン
早いもので、もう今年も師走がやってきたなぁ。12月や年末の花と言えば、シクラメンやポインセチアを思い浮かべる人も多いだろうが、日本人ならやっぱり馴染みの深い葉牡丹じゃろう!?
 ミニ葉ボタンんの装飾事例

ということで、今月はハボタンに焦点を当ててみようかの。みんなは、ハボタンがキャベツの仲間ってことぐらいは、知っとるじゃろうな。ハボタンは、まぁ、結球しないキャベツって思ったらよいかの。鎌倉時代の中頃に、キャベツの野生種に近いケールという野菜が渡来したらしいんじゃが、とても当時の日本人の口には合わなかったようでな(まぁ、今でもケールは青臭くてそのままでは食べにくいわなぁ)。ところがじゃ、江戸時代も中頃になって日本中が園芸ブームに沸いていたころに、オランダから改めてケールが野菜として入ってきたんじゃが、その際に園芸植物の仲間入りをしたんじゃな。しかも、野菜ではなく、観賞用の草花として脚光を浴びたんじゃ。当時は、草物の斑入りや葉変わりなどが珍重されていて、ケールの持つ赤紫色の色素と葉緑素が抜けて白くなる性質を利用して改良され、紅白の葉物として好まれたらしいんじゃ。当時はケールの性質が強くて葉が楕円形をしていたようじゃが、次第に改良されて今のような丸い大きな葉となっていったんじゃな。その江戸時代の直系の子孫が、今、東京丸葉系と呼ばれているグループなんだぞ。
東京丸葉系
ちなみに、世界広しといえど、ケールを観賞用の園芸植物に改良したのはわが日本人だけなんだぞ。江戸時代の人はすごいよなぁ。野生のケールから改良された野菜には、代表的なキャベツはもちろんのこと、ブロッコリーやカリフラワー、コールラビなんかがあるのは、みんなもよく知ってるとおりじゃな。日本生まれの観賞用のケールであるハボタンは、今では冬の花壇材料として、世界中で栽培されているんじゃ。
 名古屋縮緬系
 大阪丸葉系

現在のハボタンの園芸品種は非常に多様化していて、以前は、東京丸葉系、名古屋縮緬系、それに大阪丸葉系の3つのグループしかなかったんだけど、1980年代ごろから、葉が縮れて深い切れ込みの入る「くじゃく」や「さんご」、「かんざし」などが育成され、また茎が長く伸びて切り花向きの高性種なども作り出されたんだ。
 さんご系
さらに最近は、お正月の門松に入れるような大きな株ではなく、直径が10センチ程度のミニハボタンが寄せ植えに使われるようになり、それに伴ってさらに品種が多様化してきたんだな。ハボタンの特徴である白い粉を吹いたような葉ではなく、てかてかと艶のあるものや非常に細かく切れ込みの入ったもの、さらに黒に近い色やごく薄いピンクから鮮やかな濃いピンクなど、色彩の面でもすごくバラエティ豊かになっているんだぞ。
 ミニ葉ボタン照り葉
 黒色丸葉系

 濃色切れ葉系

じつは、フラワーセンターのある加西市を含む北播磨地域は、県内でも最もハボタンの生産が盛んなところで、生産者自らが育成したオリジナル品種も数多く生産されているんじゃ。そこで、この冬は、北播磨の生産者が育成したミニハボタンをフラワーセンターの冬花壇に植栽しているんだぞ。南ゲートを入ってすぐの花壇に植栽しているから、是非見に来るんじゃぞ。

操の「へぇ~!」
お正月の門松に欠かせない葉ボタン。今では色も葉も大きさもバリエーション豊かで、ガーデニングや生け花としてすっかり身近になりました。ケールから改良されて観賞用として進化をとげた今、美しい葉色そのままに、柔らかくおいしく改良されて、食用の葉ボタンができたらいいな。お正月のお重やお皿に咲くおいしい葉ボタンって素敵だと思いませんか?

「ハボタン」を見に行こう!
兵庫県立フラワーセンターHPはこちら>

ムッシュ・フルーリは白井にとって緑の知恵袋のような存在。バックナンバー「ムッシュ・フルーリ緑の扉」にも植物の知りたいコトが満載です。

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