レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

老祥記 店主 曹英生さんをお招きして

2011/3/25 

198nishi-garden神戸南京町の名物、豚まんの老祥記の三代目店主曹英生さんが今回のゲスト。「お店の前にはいつも長蛇の列ですね」と白井。「はい、全て手作りなので一度にたくさんは作れなくて・・・。仕方なく並んで頂いてます。職人さんの数を増やしましたので、一時に比べれば待ち時間は短くなったと思います。」と話される曹さんの手の甲には、筋肉のコブが。長年包丁を握り具材を刻み続けた勲章です。
「ウチは皮を麹で発酵させているのですが、阪神大震災の時は種麹を守るのが大変でした。あちこちに分散させて、何とか守ることができました。今も種麹は内緒の場所に保管していますよ。」と曹さん。夏場は10分単位で状態が変わり、温度管理が大変な麹。「イーストを使うと簡単なんですが、麹で手作りしないとウチの味になりません」。会場ではホカホカの豚まんにお客様も舌鼓。「老祥記の豚まんはそのままで美味しいのに、今日はマヨネーズが添えてありますね。」と白井。「風味の変化が面白いのでどうかなと」と笑顔で答えられます。 震災の直後、春節祭を中止にする代わりに無料の炊きだしを行った南京町。「温かいものを美味しそうに食べておられる姿を見て、逆に大きな元気をもらったんです。」と振り返る曹さん、南京町の理事長も務めておられます。「震災後すぐ横浜中華街から1千万の義援金を頂きました。関東大震災の時お世話になったお礼だと言われて・・・。語り継がれた思いや助け合いの心に感動しました。今、私たちも何かしたいと心から思っています。」南京町では東北関東大震災の支援イベントも行われるそうです。
「お隣の楽しい中国雑貨やさんも曹さんのお店なんですよね?」と白井。「はい、去年は買い付けに10回ほど上海に行ってきました。たくさん中国の知り合いができて中国語も上達しましたよ。」中国の人には自分の意見をはっきり伝えるのが大切と曹さん。「商談でもいる・いらんをはっきり口にします。『考えときます』では伝わらないんです。」。中国との習慣の違いなども楽しくお話しいただきました。日本で初めて「豚まん」と命名とされた初代に続き、老舗を守るご苦労をたずねた白井。「景気の悪い時にリストラしたり、質を下げたり、ブレるのは嫌です。景気がいい時に大きくしすぎると跡を継ぐものが大変ですし。儲けはそこそこでしっかりおいしいものを手作りして行くことですね。」曹家の教えとして『土俵際を感じながら商売をしろ』とお父様から聞かされてきたそうです。「南京町全体が支えあっておいしいものを作ること、仲良くみんなの発展を願いあうこと、それを重ねていけば、日本一、世界一になれると思っています。」飾らない態度の中に曹さんの温かさと力強さが伝わってくる楽しいひとときでした。

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