レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

はま一 人羅(ひとら)賢司社長をお招きして

2010/4/23 

144nishi-garden京都の料亭で練り物といえば「はま一」さん。全国にもその名は広く知られています。数に限りある最高の原料(魚)を仕入れることができるのは大手の1社と「はま一」さんのみ。そして全ての商品に最高の原材料を使って手作りを守っているのは「はま一」さんただ一つ。冷たくした大きな石鉢を使い、人の手で2時間かけてすり身に・・・。味を毎日確認されている人羅社長。いつもの味でない時は仕入先に返品することも。こだわりの味を守るために「長く働く人の手の感覚は大切なもの」と、定年を越えて長く勤めて下さる方も大切にしておられます。
今回の試食は魚そうめんとしんじょう、旬を感じる”たけのこの味噌バター焼”と黒豆のディップ。いつものように料理講習の後、試食をしていただきました。「”かまぼこ”と”しんじょう”の違いは何ですか?」と白井。「しんじょうはかまぼこと同じ魚のすり身を蒸したものですが、かまぼこに比べ柔らかくあっさりとしています」。緑と白の取り合わせが涼しげな魚そうめんはすり身を湯がいて作るそう。「湯がくとどうしても味が少し抜けますから、だしにつけていただきます。京都の夏には人気の商品です」と人羅社長。「最近ではかまぼこより揚げ物の人気が高いんですよ。時代の流れですね。すり身を作って、小麦粉やお酒や塩やらを入れて混ぜたらご家庭でもすり身の揚げ物はできますよ。ウチでは魚をまず水にさらすんです、袋に入れて。魚の脂を抜くんですけど、そこはご家庭ではちょっとやりにくいので、省いていただければ。余分な脂があると食感がザクッと悪くなるんです。」水にとけるたんぱく質のみが流れているのでコレステロールを気にされる方にもかまぼこはお勧めなのだとか。「ごぼう天はどうやって作るんですか?ご自身でもなさいますか?」「はい、一応一通りは。こうすり身を広げてごぼうをのせてくるっと包むんです。」と人羅社長はこなれた仕草を交えて説明してくださいます。「野菜天なんかの下ごしらえは?」「ごぼうは太いもの以外は生です。歯触りがおいしいですからね。筍は水煮で。食感を大切にしてモノによって変えています。切り方一つでも変わりますから」と細やかな心配りを。ここで客席からも質問が・・・「高級な練り物にはどんな魚が使われているのですか?」。「4~5年もののタラや白フチですね。白フチを混ぜるとモチッとします。100%のすり身より混ぜた方が美味しくなりますね。」。「『はま一』さんのものは百貨店や限られたところでしか手に入らないんですよね」と白井の言葉を受け、「『今まで大切にして下さった方を先々も大切にしていくように』と父の遺言がありまして、破るわけにはいかないんです。」と答える人羅社長。実直で温かなお人柄が会場にじんわり伝わるセミナーでした。

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