レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2016.4.8 有限会社阪急泉南グリーンファーム 

2016/4/12 

「久しぶりのスーツは窮屈で・・・」と笑うのは、有限会社阪急泉南グリーンファームの代表取締役大島一夫さん。阪急百貨店に入社後、新規事業として社命を受けた会社の有機野菜が好評で今では全国でひっぱりだこ。琉球大農学部出身の生え抜き社員島田さんと共に「ぜひ味わって頂きたい」と穫れたての野菜をわんさか持って来てくださいました。
IMG_2336
「セミナーは3年ぶりですね。ビニールハウスもご自分達で作られたり、体も雰囲気も立派になられて。今ものすごく売れているサラダケールやサラノバレタスのこと教えてください」「青汁でおなじみのケールはブロッコリーやキャベツの先祖でカルシウムやビタミンなどの栄養価や繊維質が豊富なことで注目されている野菜です。生でも食べやすいよう改良されたサラダケールも人気で毎日200kgを出荷しています。ケールの味を左右するのは肥料。この味わいは有機ならでは」需要に応え1日400㎏の増産が目標。有機認定農場7700㎡の他、2年前から耕作放棄地を借り受け除草から始め、微生物菌やたい肥を使って土壌改良を行い有機栽培の農地を増やしておられるそうですが、日本農林規格JASの有機認定を受けられるのは3年以上化学肥料や農薬を使われていない農地が条件。万全を期して全数が認定農場で作られていない野菜にはあえて有機の表示はされないそう。
丸やギザギザ、葉の形や色、味わいのバリエーションが豊かなサラノバレタスはオランダ生まれ。現在6品種を栽培されています。葉は株元からすべて食べられてレタスより柔らかく、土耕栽培ならではの肉厚が自慢です。全国に向け毎日400パック、多い時は1200パックが出荷される人気商品になりました。
「ベビーリーフなどは生にこだわらず、さっと湯がいてかき玉汁の三つ葉の代わりに使ったり、水切りした豆腐をすり鉢でつぶした中にゴマやめんつゆ、オリーブ油と和えて、白和え風のドレッシングにも使えます。」後半は白井がこれまでお客様アンケートに寄せられた質問などにお答えしながら、料理のコツをいろいろと講習。「ケールはキャベツのようにサッとゆがいてもいいけどちょっとかたくなる。盛り付けのアクセントにはこの小さい葉のところが役立ちます。葉物は葉の中心部分や色のグラデーションのあるところが盛り付けを楽しくしてくれます。」
この日は但馬の赤花そばの里から届いたつくしをさっと湯がき、砂糖水につけて干した、スタジオ名物の春のお菓子「つくしの干菓子」も1本ずつプレゼント。「めぐる季節の旬を感じたり、思い出の器を1年に一度使ったり、去年と同じことを今年もまたできるという幸せ、元気でまた1年を暮らせることに感謝ですね」。
IMG_2344
試食はオリーブオイルの絞りカスを飼料に混ぜて育てたオリーブ豚の薄切り豚肉を茹でて生姜焼き風のタレを添えたものを生のサラダケールと共に。ほどよく柔らかいケールの葉を初めて口にしたお客様もそのクセのないおいしさに「へぇ~っ」と納得。お土産のサラダケールやサラノバレタスを手に「さぁどんな風に食べようかな」とワクワク感がいっぱいのセミナーでした。
(文:土田)

セミナーレポート 2016.3.25 株式会社蓬莱 取締役常務 田中一昭さん

2016/3/28 

大阪土産の定番551の豚まんが「ある時」と「ない時」をコミカルに対比させる関西でおなじみのCM。お父さん役として出てみるか?と社長に指名され、その後すっかり人気者になられた株式会社蓬莱の取締役常務の田中一昭さんをゲストにお迎えしました。
16.3.25株式会社蓬莱②
「行列ができている551の店先で感心するのは、包装する手が早いこと、手を休めることなく親切に対応してくれる店員さんたちの笑顔」と白井。「お待たせする時間を少しでも短くという日々の積み重ねやお客さんの言葉が励ましになって身についたんでしょうね。大阪市立大学の非常勤講師もしていますが、『大阪の元気な企業』ということで学生さんがウチを調査した結果『お客さん、取引先、従業員のすべてに恵まれている』という結論になったそうです。おとといも新入社員研修で『創業71年目を迎えられるのはお客さんのお蔭。忘れたらあかんで』と話したところです」。
創業経営者の羅邦強さんは台湾がご出身。昭和16年に来日後様々な仕事を経て、食べ物で喜んでもらいたいと蓬莱食堂を立上げたのが始まり。仕入れに訪れた神戸の中華街で豚まんのおいしさに感激し、大阪の人にも喜んでもらえる味をと泉州たまねぎと豚肉でオリジナルの具を考案。発売するとこれが大人気に。「『お客さんの側に立ってして欲しいことをして差し上げる、喜んでもらえることをすると長続きする』と初代はよく言ってました。価格も市営地下鉄の初乗り運賃より高くしないという方針をずっと守ってます。年間5500万個、一日15万個売れる豚まんは全部手作り。てっぺんの皮のひだの数は12か13、『おいしなれ、おいしなれ』と呪文を唱えて包みます。味も品質も変わらないように、生地も具も誤差は1g以内。これをまた従業員はきちんと守ってくれるんです」。
16.3.25株式会社蓬莱①
会場にも蒸したてホカホカの豚まんが用意されみんなで舌鼓。「まずは何もつけないで、その後辛子をつけてまたおいしく召し上がってください。ポン酢がいいという方も・・・。ウチの日本一おいしい辛子は正味そのまま天然の辛子。大阪の家の冷蔵庫に必ずあるといいますが、4日もすると風味がなくなるので『家のおでんに使いたいから余分に頂戴』というときはそのタイミングで豚まんを買って頂くほうがいいですよ」とにっこり。
神戸の震災の時は温かい物を届けたいと三千個の豚まんを携え11時に大阪を出発したものの大渋滞で現地に着いたのは18時。それでもほんのり温みが残っていたのが嬉しかったと振り返られます。
聞き手を飽きさせない明るく楽しい語り口が魅力の田中さんの好きな言葉は「アイラブユーモア」。天満繁盛亭で落語を学び、シニアミュージカル劇団でも活躍される多彩な方。天性のサービス精神と誠実さに、初代から受継がれる社風そのままのお人柄を感じます。「電話番号の0551から『味も電話もココが1番』で『551』。『蓬莱』の漢字が思い出せなくても数字なら誰でも覚えてもらえる。今では何においても『ココが1番』を目指すマークやと思てます。」
心和む「ある時」の幸せに胃袋と心をしっかりつかまれたひとときでした。
(文:土田)

セミナーレポート 2016.2.26 質問にお答えして 白井 操

2016/3/3 

パンジーにビオラ、アイビー。小さなガラス容器にはガーデニングでおなじみの草花たち。「今朝スタジオや自宅に咲いているのを摘んできました。上等のお花じゃなくても、こんな何気ない草花も素敵。緑ばっかりで花が少ない時はカラフルなビー玉を花器に沈めて。プリンを買った時についてくる白い器は、形がバラバラでもアンダー皿に並べるだけでぐっとおしゃれに。今回はこれまでセミナーアンケートに寄せられていた質問に白井がお答えしつつ、日常がちょっと幸せになるヒントをお伝えします。項目が多いのでテーマごとに・・・。

????????????????????????????????????

(節分の煎り豆の余り)スープで10分ほど煮ると柔かに。これは黒豆の煎り豆でも同じこと。ポトフやシチューのようなスープにいれても、ご飯と一緒に炊いても炒り豆ならすぐに柔らかくなります。
(鯛の昆布じめ)刺身に塩をしてお酒をふった昆布に並べて。ちらし寿司にトッピングして華やかに。
(高野豆腐)重曹ではなく炭酸カリウム使った新しい製法の商品も。作り方もそれぞれなので箱に書かれた作り方に従って。煮汁を吸って水分を含み切りやすくなったところで包丁で切ると鍋のサイズギリギリまで高野豆腐を入れられます。薄めたお味噌汁や煮汁の多い煮物の残り汁などで味をつけても。まめに食べて元気な体に。
(岩津ネギたっぷりレシピ)近頃は葉の青い部分も食べられる白ネギがよく出回っています。小口切りにした白ネギをじっくり炒めて柚子胡椒を加えます。薄揚げを開いた中に詰め、両面をこんがり焼いて、大根おろしにしょうゆを添えて。一人一本は軽く食べられます。
(牛肉の佃煮)牛肉の切り落とし300gを用意して、肉をあらかじめ一枚ずつ軽く丸めておきます。浅い鍋に砂糖・醤油・酒・みりんを各大さじ3ずつ。調味料はお鍋のサイズと火加減で調節を。煮立った中に肉を並べます。肉を丸めておくと固くなりにくく食べやすい形に仕上がります。お弁当にも便利。、残り汁はゆでたジャガイモにからめてもおいしいですよ。
(煮魚のコツ)浅い鍋がなければ24㎝のフライパンでも。お酒をたくさん使う人も多いのですが、水とお酒・醤油・砂糖・みりんのバランスはご自分の好みで。煮汁は被るぐらいだと多いかな。途中で回りの煮汁をかけながら、泡で炊くイメージ。新鮮な魚ほど短い時間でOK。などなど・・・。
16.2.26白井先生質問にお答えして③
魚売り場からは旬のメカブと生わかめにボイルしたイカナゴが届きました。「ワカメの根っこあるエネルギーたっぷりのメカブ。足が早いので買ったらすぐにさっと湯がいて。きれいな緑のメカブをフードプロセッサーにかけ、醤油・卵などを好みで混ぜてご飯にのせて。この時期だけのごちそうです。ボイルしたイカナゴはさっとあぶって生姜醤油で。素朴な春の味わい。毎年、あの窓の外のミモザが黄色い花をつける頃なんですよね。」
試食はお豆腐に醤油と粉山椒を振りかけて。杉樽で手作りされる足立醤油とやまつ辻田の粉山椒を。いずれもナチュラルセラーから。
映像を観ていただきながら実演とおしゃべりたっぷりの和やかなセミナーとなりました。
(文:土田)