レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2018.2.23 西宮阪急「白井さんセレクトコーナー」からご紹介

2018/2/27 

「セミナーの朝は9時ごろ西宮阪急に到着して、開店準備中の売り場の方にお話をお聞きすることから始まるんですよ。今日の魚売り場はサザエがお買い得。サザエはたわしで洗って、網がなければグリルで焼いて。途中取り出してフタをヘラのようなもので外し、醤油かそれにダシを足したものをちょっと垂らして、もう少し焼いて・・・」いつも白井の売り場のお買い得情報や旬の食材の話題で始まるセミナー。「自分が楽しいと思えることのお裾分けをするような気持ちで毎回ここにきています」と白井。ガラス越しにうららかに春を感じる日差し。試食を味わっていただきながら、和やかな時間が流れます。

本日の試食は、この春リニューアル予定の「白井さんセレクトコーナー」から、山城屋山葵店のわさび漬、中田水産のちりめんじゃこ、山田錦の館・吟醸白みそ、ひょうご雪姫ポークの生姜焼きはご飯に乗せてミニどんぶりに、博多・美はらの柚子こしょう、佐々木農園のあの日の梅干し、あんこ屋野中・黒豆入りぜんざい、ドンクのバケットにのせた東洋ナッツのパンに塗るアーモンドと野菜につけるピスタチオの9品。
それぞれに作り手のお人柄やこだわり、畑や作業場の様子など白井自身が見たこと聞いたことをお伝えしながら、味わっていただきました。

今回はお客様アンケートから感想をいくつかご紹介・・・。「白井さんコーナーの商品はよく購入します。安心できて本物の味が好きです。」「たくさんの試食が出て、どれもおいしかったです。前から気になっていたものもあってとても参考になりました。」「食べず嫌いだったわさび漬け、一口頂きとてもおいしく食べることができました。」「白井さんのコーナーはその良さを知らないと少し値が張って手を出しにくかったです。作り手のこだわりや食べ方のアドバイスを教えてもらうと納得できます。セミナーをもっと活用したい。」「三木市から来ました。吟醸白味噌は身近にこんなおいしい味噌があったこと初めて知りびっくりしました。地元の友人にも紹介したいです。」。
毎回セミナーの後、白井は一枚一枚すべてのアンケートに目を通します。温かなご意見に喜んだり、アイデアを頂いたり、時には反省も。

「レシピをもっと教えて欲しい。れんこんだんごは何度も作りました。」「魚のさばき方を教えて欲しい。」「肉じゃがをおいしく作りたい。」言葉に励まされたり、次はこんなセミナーにしようと考えたり、白井はいつも手紙のようにアンケートを読んでいます。
「白井さんの柔らかいトークを聞いているだけで心が温まり穏やかな気持ちになりました。」「セミナーに来るといつも何故かほっとします。」白井は「私たちも同じ思いだよね。嬉しいね」とにっこり。
ゲストとしてお招きした方がいつも口々に驚かれるこのセミナーのなんともいえない一体感。是非あなたも温まりにいらっしゃいませんか。   (文:土田)

セミナーレポート 2018.2.9 フジッコ株式会社 取締役 北島幹也さん

2018/2/17 

とろろ昆布から始まって58年、昆布はもちろん、おまめさんやカスピ海ヨーグルト、おかず畑など数々のヒット商品で売り上げを伸ばすフジッコ株式会社の取締役 北島幹也さんをゲストにお迎えしました。数ある人気商品の中でも一番の売り上げを誇るのが「おかず畑」などの惣菜商品なのだそう。「寒い日が続いてインフルエンザも流行ってますね。パック入りの和惣菜などは、体調を崩した時やいざという時のお助けもの。ピンチの時の家族を支える大切な一品が手軽に作れます」と白井。売れ筋の「たけのこの土佐煮」に豆腐やしめじを足して、とろろ昆布の旨みを生かしたアイデアレシピをご紹介。

試食は「焼き野菜の豆入り豚生姜味噌添え」「合わせ昆布にぎり」「メープル風味の金時豆をトッピングしたカスピ海ヨーグルト」の3品。自宅でもこの味わいを楽しんでいただけるようにと試食に使用したフジッコ製品をまとめてお土産にもご用意くださいました。
「昆布はもともと繊維質が多いのですが、昆布を削いで作るとろろ昆布の『純とろ』は、透ける程薄くて0.02mm。ここまで薄いと細胞膜が壊れているので、水溶性の食物繊維も溶け出しやすくなっています。その水溶性食物繊維であるアルギン酸が腸内の脂肪の排出を助けるということで、だいだい3年に1回ぐらい健康番組に取り上げられ、ブームがきて売上が伸びるという周期があるんですよ。」「私もとろろ昆布はもっと広く使われたらいいなとよく思いますね」とうなずく白井。

免疫細胞の60%は腸にあり、腸内環境を整えると免疫力も上がると北島さん。「豆はゆでると食物繊維が増える性質を持ちます。ヨーグルトと一緒に食べる白井先生のレシピはまさに『腸活』にぴったり。ヨーグルトには生きた菌を腸に届けるプロバイオテクスと、生きてはいないが腸で善玉菌のエサになるプレバイオテクスの二つがあり、腸でしっかり役に立つんですよ。」「乳酸菌も昆布も野菜も豆も、私たちの腸の活性化に欠かせない大きな仕事をしてくれるんですね。商品に込められたメッセージを感じますね・・・」。

「・・・ところで、カスピ海ヨーグルトってどれぐらいで種菌を新しくする方がいいの?」と白井。「茶色っぽくなったり、粘りがなくなったり、水が出たりすると別の菌が入ったサイン。心配な時はお客様相談室にお気軽にお問合せください。目安として1か月に1回ぐらい種菌を新しくされることをお勧めします」。「昔に比べて煮豆の甘さも柔らかくなりましたね。」「はい、嗜好のトレンドを反映して、昆布や惣菜商品の塩分もどんどん低くなってきているんですよ。」「へぇ~!」と話題は広がります。
会場からもフジッコ商品への色々な思いが寄せられ、多くのファンの存在に人気の高さを改めて感じるセミナーになりました。(文:土田)

セミナーレポート 2018.1.26 京・南禅寺畔 瓢亭 当主 髙橋英一先生

2018/2/5 

「去年も来てくださった方は?」髙橋先生の問いかけにたくさんの手が一斉にあがります。毎年この日を楽しみにされているお客様が集う大人気セミナーも10回目を数えます。「寒い時期に蓮根の澱粉をおいしくいただくお料理を・・・」とご用意下さったのは「カニ入り蓮根団子 ほうれん草 京人参 うす葛仕立て もぐさ生姜」のお吸い物。

「ずわいがにの身は手で半分にすると白いスジが出てスッと取れます。蓮根をすりおろす時は穴に対して垂直に。今の蓮根はそのままで自分の澱粉で固まります。」ほうれん草は湯がいて、ザクザクと切って散らすとたくさん食べられて、ほうれん草ならではの柔らかい食感を楽しめるのだそう。「おろした生姜の塊がのっているのもまたいいもんです。『もぐさ』も『やいと』も若い人は知らないみたいですが。どうぞあつあつを召し上がってください。」椀には京人参の赤も美しくあしらわれ、蓋の裏は春待つ季節に嬉しい梅の模様。会場には出汁のいい香りが漂います。

「蓮根とカニの比率は、出す人によってカニを減らしたり、増やしたりして(笑)」。メガネが新しくなった理由や外国人観光客があふれる祇園界隈の事情など気さくに軽口を交えながら、白井のいろんな問いかけに柔らかに答えてくださいます。
「あちこちの初釜に行かれるのは大変でしょうね。お家元じきじきですものね。」「裏千家、表千家、官休庵など・・・6~7軒、家内や息子と手分けして行くんです。お濃茶、お薄、点心を頂くのですが、和やかで晴れやかで、私も楽しみなんです。流儀もそれぞれに事細かに違いますし、様子もまたそれぞれで。」そんな話題もこのセミナーの楽しみのひとつ。
400年続く老舗14代目の髙橋先生が、ご自分の代で新しく始められたのはマグロ節を使うこと。「カツオ節のクセが気になって、修行から帰っていろいろ勉強して、マグロの鬼節と本枯節の4つの部位をブレンドしたものにたどりつきました。4年寝かせた利尻産の大ひね昆布と軟水で1時間半ほどかけてクセのないお出汁をとります。お出汁がおいしくできたら料理はおいしくなります。それが私の持論です。」15代目の髙橋義弘先生が新たに手掛けられるのは、名物の明石鯛のお造りを引き立てるトマト醤油。オーブンでじっくり焼いたトマトの旨みがたっぷりの薄口醤油はわさびとの相性もよく、オリジナルのゆず油を少し足すと日本酒にもワインにもよく合うのだそう。「3月には東京の日比谷公園前の新しいビルに出店が決まっています。京都の本店にはないカウンターと個室でまた別の趣になる予定です」。今回も苦楽園口の京料理「くまがい」の熊谷伸司さんがお手伝いに。「丁寧な仕事をする子で、うちで15年修業を積んだ後、開店してすぐミシュランの星もとりました」と髙橋先生。「この3人が揃うことがなんとも贅沢ですよね」と白井もにこにこ。

「粉末や液体ではなく、きちんと出汁をとることがまず大事。手間をかけた分、料理はおいしくなります。おいしいものを食べさせてあげたい、喜んでもらいたいという真心を忘れずに」と髙橋先生。和食の粋を、目で、舌で、香りで、心で味わう豊かなひととき。「だしの大切さがわかりました」とお客様アンケートにも嬉しい言葉がたくさん届きました。                     (文:土田)