レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2016.10.21 阪急デイリーマート

2016/10/27 

西宮阪急1階、野菜・魚・肉・グロッサリーなど直営の食品売り場が阪急デイリーマート。「担当者が自らの売り場をPRする初めての企画です」と食品販売部長の武居さん。3年前お客様が求めているものに近づきたいとFA制度を利用して商品部から売り場に復帰された宝塚阪急で、お客様の要望に応え白井のミニセミナーを立ち上げられた方。「武居さんとは長いお付き合い。穏やかなお人柄はずっと変わりませんね」と白井。
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青果担当の窪さんは旬を迎えるリンゴ4種類の食べ比べを試食に。「今一番おいしい時期です。10月に出るシナノスイートは甘みが強いりんごで、黄色いシナノゴールドは酸味が
適度にあり、香りも強いためりんごらしいりんごです。甘みと酸味のバランスがよく、果肉がやわらかめのジョナゴールド、王林とふじりんごの掛け合わせたトキりんごは王林の甘みとふじの食感で人気の新品種です。」。台風と日照不足で野菜の高騰が続く中、今日は赤字覚悟の朝市で野菜を販売。「心意気を汲んで他のものも買ってあげてね」と白井。
学生時代はラガーマンでガーデンズの前身西宮球場でも試合をされたという鮮魚の濱内さん。「鮮魚のウリは朝セリにかかった魚が昼過ぎに届く鮮度抜群の直送便。月・金は鳥取の境港から、火・木は徳島から大きなトラックで届きます。中央市場から届く水曜はエビの盛り売り、土日は淡路の由良港から関西人の大好きな活〆の魚と日替わりで。」毎土曜15時からの近大マグロの解体も人気だそう。鮮魚売り場にファンが多いのも納得です。試食には鮭のディップ。鮭の切り身に昆布を敷き、酒・塩を振ってハーブを添えラップをかけてレンジへ。骨を取って身をほぐし、阪急デイリーマートおすすめのクリームチーズとマヨネーズで仕上げ、ドンクのパンとともに。
西宮阪急オープンからずっと精肉を担当されている白木さんのおすすめは2つのブランド豚。関西では西宮阪急のみで販売されている甘トロ豚。「養豚がさかんな愛媛県の生産者は飼料作りが上手。良質の麦を配合して育てられています。36℃で溶ける脂の甘味をご賞味ください。」「サッとゆがいてペーパーで水気を取っておかずサラダに。いろんな使い方ができますね」と白井。甘トロ豚をゆでポン酢かけて試食に。「あっさり味がお好みの方にはオリーブ油の搾りカスを飼料に使ったオリーブ豚を。お好みで銘柄を使い分けてください」。厳選された銘柄肉の品揃えが自慢です。
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グロッサリーは北さん「試食に使ったポン酢は、商品部にいる時に自分で企画したもの。ドレッシング感覚で食べてもらえる本当においしいポン酢にしたいと特にダシにこだわりました」おすすめのバターとディップに使ったマヨネーズもパンに塗って試食に。「ゆずとオリーブ油漬けのサバ缶はオイルサーディンのようにバケットと合わせてオードブルにぴったり。地元の食材を使ったもの、ここだけで買えるものなど、さらに充実した売り場を目指します」。
銘菓・銘品の伊豫岡さんのおすすめは元町一番館のリンゴのチョコレート。「季節限定のいちじくもぜひ。意外と緑茶にも合いますよ。これから寒くなるとチョコレートがおいしい季節。」一番の売れ筋はナダシンの餅。その他新潟のえびせんべい瑞花など全国のおいしいものが集まる売り場は見ているだけでワクワク。「人気のものが品薄だと申し訳なくて。商品を選ぶ時はいつもご利用いただくお客様の顔を思い浮かべながら」地元のものを中心に西宮阪急にしかない商品も多いそう。「おすすめの商品を買っていただけると嬉しいんです。毎日楽しく仕事をしています。」
「売り場が好き」そんな思いとともに、西宮阪急の人の魅力も伝わってきた盛りだくさんのセミナーでした。(文:土田)

セミナーレポート 2016.10.7 白井操の料理講習会

2016/10/14 

今回は白井操の料理講習会。これまでアンケートに寄せられた料理に関する質問にもお答えします。「今日はお土産に高野豆腐と粉豆腐を。来月東京で高野豆腐のフォーラムがあるので、旭松さんにお願して送って頂いたんです」高野豆腐に多く含まれるレジスタンスタンパクはコレステロールを下げるだけでなく、腸のそうじもしてくれる体に優しい食材。最近、糖質代謝にも効果があるという研究成果が発表され、血糖値を下げてくれることが分かりました。「含め煮だけではなくて、色んな料理に使って欲しくて『豚の生姜焼き』に足してみました。まずは戻し方。高野豆腐全体が水に浸かるよう手で裏返しながら浸し、すぐ取り出しておくと、他の食材の準備をしている間に戻ります。戻した高野豆腐を包丁で斜めに薄く削ぐように切ります。豚肉は白い部分を指で押して何か触る感じがある部分が筋。最初から大ぶりに切っておく方が簡単です。脂が多い時は脂身をカットして。そんな時もハサミが絶対便利。豚肉を先に炒めて取り出し、そのまま高野豆腐を炒め、豚肉を戻し、みりんとお酒を多めにした調味液をかけて仕上げます。焦げそうな時は水を加えて。高野豆腐は水分をよく吸うので慣れないうちは鍋のそばについて水で加減しましょう」。試食には秋の枝豆「みどり豆」を添えて。
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「ジャムや佃煮を作る時、仕上げに少し粉豆腐を入れると余分な水気を吸ってくれるので便利。長野の人たちが一番よく買われるのは粉豆腐。いろんなお惣菜に入れて、たくさん食べるそうです。真似したいですね」。
セミナー後半はアンケートに多く寄せられたご質問にお答えして。
『きのこは洗いますか?』「私は洗いません。松茸は土がついているので少しだけ洗います。しめじは冷凍もできて便利。少し焼いてから使うとよりおいしくなります。」
『朝ごはんは何を食べるの?』「パンとごはんを半々かな。ロールパンをはさみでアーモンド形に切って、焼いて骨を取った干物やキュウリ、晩御飯の残りを入れたり。パンに和のおかずを普通にあわせています」。
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『ハサミの便利な使い方は?』「パンやシュークリーム、タルト、お餅やおはぎなど小さく人数分に取り分けることもできます。干物はハサミで食べやすく切ってから焼いた方が仕上りがきれい。何種類か焼いて盛り付け、メインのごちそうにも。ただ塩分が多いと覚えておきましょう。魚をおろすときはまず新聞を流しに広げ、その上で閉じたはさみの歯の背を当ててウロコを取り、背びれ腹びれなど硬い部分をハサミで切り落とし、排泄の穴にハサミの歯の片方をかけて切り開き、内臓を出します。あとは包丁で三枚おろしに。ゴミは新聞でそのまま始末できます。ぶどうを買ったら、房が枝についた状態で枝をはさみで切って小分けにしてジップロックで保存を。枝をつけておくと鮮度が長持ちします。食べる前に洗いましょう」。
『高いけど牛肉を食べたい』「きのこと牛肉のバターライスがおすすめ。たくさんのマッシュルームやエリンギを炒め、牛肉を入れて風味を付けたものをご飯に混ぜます。盛り付けの時には牛肉をトッピングするともっと牛肉を食べたという気になりますよ」。
白井のおすすめコーナーに新登場したアーモンドペーストはパンにぴったりということから、急遽ドンクの一押し「セーグル」という小ぶりの食事パンもご紹介。時間をかけて熟成させるためその見極めが味を左右する職人の腕が問われるパンなのだそう。クルミ入りのセーグルはスライスして少しあたためて食べるとおいしいとドンクの林さん。
これはセミナーのほんの一部。白井がマジシャンのように次々と食材を取り出し実演しながら話す「へぇ~」がいっぱいの盛りだくさんのセミナーでした。(文:土田)

セミナーレポート 2016.9.23 韓国旬彩料理 妻家房 黄命相さん

2016/9/30 

ゲストは韓国料理「妻家房」を全国に展開する有限会社永明の取締役 黄命相(ファン ミュンサン)さん。26年前、経済学を学ぶため日本の大学へ。その後伯父様と共にお弁当屋さんから始め、ここまでお店を大きくしてこられました。「ひたすら仕事に励んできました。色んなことがありましたが質のいいものを作ることには自負があります。」ご自分で料理も作るとおっしゃる黄さん。
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ポッサムキムチ、チヂミ、チャプチェの3品を試食にご用意くださいました。「ポッサムとは韓国語で包むという意味。白菜の葉にイカ・タコ・栗・銀杏・リンゴなど海山の幸を包んだ特別なもの。王様のキムチとも呼ばれています」「西宮阪急の妻家房でも予約すれば買えるんですよね。梅田阪急の妻家房で頂いたチヂミはどこのものよりきれいな仕上がりでおいしかったです」と白井。「チヂミは昔、ごはんを炊くおかまの金属のフタで焼いていたんですよ。」「チャプチェは春雨?」「韓国のものはサツマイモで作るので歯ごたえがしっかりしています。手間がかかるので、誕生日などお祝いの時にごちそうとして食べられます」韓国料理というと唐辛子と思われがちですが、ポッサムキムチも辛さは控えめ、チヂミ・チャプチェ・プルコギなど唐辛子を使わない辛くないものもたくさん。だしは主に野菜と煮干しが使われます。調理で混ぜるのには主に手を使って。それには愛情を手に込める、体温がほどよく仕上げてくれるという意味があるのだそうです。
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韓流のドラマやアイドルの流行で身近になった韓国。お客様からも質問が次々と。「韓国の女優さんはとても肌がきれい。何を食べておられるの?」「韓国料理はとにかく野菜をたくさん食べます。韓国で普通の食生活をしていればビタミンが十分摂れていると言われるほど。特定の食材をたくさんというのではなくバランスよく食べることが大切。和食でも同じじゃないかな。」「韓国で食事をするとキムチとかサンチュがおかわり自由なんですよね」と白井。客席からは次々と韓流ドラマの質問が続きます「よくわかめスープがでてきますが実際もそうなんですか」「よく食べます。体にもいいですし。昔は子供を産んだお母さんは母乳に影響がないようにと1か月ぐらいは味をつけないわかめスープだけを食べていたんですよ。」「ラーメンを鍋のまま食べたり、大きなボールでいろんなおかずを混ぜてそれをみんなでつついたりしているシーンをよく見かけますが」「うーん。普通はどんぶりに移して食べますよ。子供の頃、インスタントラーメンはまだ高価でごちそうだったんですが、韓国は寒いので冷めないようにと温かい鍋のフタに移して食べたりしました。韓国料理は混ぜて食べる文化。ボールで混ぜて調理する、食器の中で混ぜる、あとスプーンにいろんなものをのせて口の中で混ぜるといった風です。昔はひとつの器からみんながスプーンですくって食べることもありましたが、今は普通に取り皿も使います」。韓国では基本お箸とスプーンがセット。「食事に必ずスープがつくと聞きましたが・・・」「スープかチゲは必ずありますね。チゲはスープより具が多くて鍋のような感じ。日本の味噌汁より、肉・魚・野菜などバリエーションがたくさんあります」。
26歳で日本に来られて今年で26年。電車で若者が年配の方に席を譲るのは当たり前の韓国、日本の若者にもいいところがたくさんあると黄さん。「振り返ると友人や家族、職場でたくさんの人の支えがあってここまで来られました。人は周りと支えあってこそ生きていけるもの」「私たちの国の間には難しい問題もありますよね」「韓国の普通の人たちは日本が好き。私もそう。今一緒にいる人たちを大切にしたいし仲良くしていきたい。仕事で一緒に苦労をしてくれた人達の面倒をずっと見ていきたい、それが夢です」家ではメダカを見て癒されてますと笑顔で。韓国の素敵と日本の素敵、心のうちを正直に語ってくださった黄さん。韓国をまたグッと近くに感じた温かなひとときでした。(文:土田)