レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2018.6.22 阪急お中元青いギフトカタログ試食会

2018/6/27 

今年もお中元の季節。青いギフトカタログから白井おすすめのギフトを試食を交えてご紹介するおなじみの試食会は、桂南光さんをお迎えして、白井とのゆる~い掛け合いも楽しみのひとつ。毎回脱線するので、今回は南光さんのご提案でカタログの順のご紹介に・・・。
「京都・木山の『うなぎの花山椒』。和久傳に16年おられ長く料理長を務められた木山義朗さんに、佃煮ではなく優しい味に仕上げていただきました。」「私食べました、これ。鰻の白焼きに花山椒の香りがなんとも美味しかったなぁ」。京都・にしぶち商店からは『京のもち豚と香味だれ2種詰め合わせ』を。「中華と和を知り尽くされた西淵健太郎さんのソースが絶品。鶏・野菜なんでも美味しくしてくれそう」試食は茹でた豚を添えて。炊き立てのご飯とご用意したのは、京都・リストランテ野呂の『京野菜入りハヤシソース』は「とてもいいお肉を惜しげもなく使われて。野呂さんは揚げた京野菜の油の切り方までじわーっと丁寧なんです」「予約も難しいお店だけに。家で食べられるのが嬉しいなぁ」と南光さん。人気の商品は白井も買えないほど早くなくなるそう。

5月に仲良しのお舅さんとお嫁さんがゲストに来られた福岡・浦野醤油醸造元の『にじいろ甘酒 夏の詰合せギフト』。「アルコールを含まずビタミンB群の宝庫。地元のあまおうを生かしたり、赤飯をイメージして工夫を重ねた飲みやすい甘酒です」。吉野の名水を使い三代続く豆腐職人が作る奈良・吉野山豆腐本舗林とうふ店『吉野のおとうふセット』「ごま豆腐、ざる豆腐、がんもどき、ゆば、どれも本物の味わい。厚揚げもおすすめ。真面目が伝わってきます」。「操ちゃん、めん茶漬けってどんなん?」長崎・みそ半の『隠れ岩松「めん茶漬け」3種の詰合せ』は、熱湯3分で食感抜群のそうめんが食べられる便利もの。「炭の蔵で2~3年寝かして、湯がいてまた冷凍して戻して乾燥して・・・その手間のすべてはのど越しよく仕上げるための努力なんです」。
広島『瀬戸田のレモンジュレ』、「無農薬で皮ごと安心して食べられるとパティシエやバーテンから厚い信頼を集める能勢さんのレモン。皮ごと食べるおいしさをぜひ味わって」。長野・宮下製氷冷蔵『氷屋さんのフルーツソース』は果物の素材が生きる低温殺菌製法。試食はヨーグルトにかけて。「チーズにかけてもおいしそう」と南光さんも気になるご様子。瀬戸内の海のミネラルをたっぷり含む砂地で育てた朝どり人参で作った兵庫・御津町園芸組合『mistuモーニングキャロットジュース』。「これ1本に10本の人参が入っています」。「わ、甘~い!」とお客様の声も・・・。静岡・nikoの『夏野菜と桜えびのキッシュ』は「冷凍で届くのでお好きな時に温めて熱々をどうぞ。女性だけで頑張っている素敵なお店」と白井。

鹿児島・やごろう亭『やごろう豚詰め合わせ』、「実直なお兄さんが飼料にこだわって育てた豚を使い、妹さんがドイツから職人を呼んで本物の製法を学び、添加物が入らないウィンナーやベーコンに。そのセンスが光ります」。試食は白ウィンナーとポークウィンナーにルッコラを添えて。「材料費のほうが高くついているかも」と白井が心配する広島・蓮華『薬膳スープ』。厳選した15種類の薬膳食材をコトコト炊き続けて仕上げた薬膳スープ。「まさに命のスープ、試飲はほんの少し・・・。塩も何にも味付けしてないの、でも伝わりますよね」。京都・パウンドケーキ工房パリ21区の『初摘み抹茶のミニクグロフ』。「日本に初めてクグロフを持ち込まれたお店。初摘み抹茶の香りも色も爽やかです」。大人気の『わかめ麺』を手掛ける兵庫・井上商店からは『淡路島の恵アイスセット』。「溶けかけのちょっと柔らかくなった時が特においしいの。淡路島の牛乳が驚くほど入っています。」うなずきながら試食を味わう客席には笑顔がいっぱい。
作り手を訪ねた白井の話に取材に行っておられない南光さんが補足する名コンビが、駆け足でご紹介するセミナー。「なかなか自分では買えないからこそ、もらった時はうれしい気持ちになるでしょ?」南光さんの言葉に思わず納得のひとときでした。(文:土田)

セミナーレポート 2018.6.8  白井さんの料理講習会

2018/6/14 

今回のテーマは「一生自分で歩けるからだを作る」。白井が応援するNPOフィールドキッチンのセミナーで好評をいただいた資料をもとに骨の健康に役立つ話題やレシピをご紹介します。「日本の平均寿命は過去最高。女性はなんと約87歳。その時まで動ける体でいたいなぁってみんな思いは同じですよね」。

偶然に観たNHKの番組で白井が驚いたのは大腿骨骨折のワースト1位が兵庫県だったこと。特に関西は全体的に大腿骨骨折が多い傾向に。番組ではその理由として、関西は納豆を食べない人が多いこと、日焼けをしないようにサンバイザーや日焼け止めクリームでがっちりブロックしている人が多いこと、せっかちな人が多いことなどが理由にあげられていました。「納豆を食べられない方は?」と白井の問いかけに手がチラホラと上がります。「納豆に、市販のたけのこの土佐煮の煮汁を少し加えて混ぜ、たけのこを小さく刻んだものを混ぜると、匂いとか食感が目立たなくなって食べやすくなります。先日の講習会で『初めて食べられました』っていう方が二人もおられて。もう私まで嬉しくなりました」。納豆には骨を作るために欠かせないビタミンKがたっぷり。「シミが増えると困るけど、お日様に当たることも最近は心がけるようになりました」と白井。

今日の試食は「高野豆腐の卵とじ丼」を。「高野豆腐は最近食べられなくなってきているけど、日本の伝統食として大事にしたい食材。戻すひと手間が面倒、味が決まらないという声をよく聞くでしょ。で、こんなことを考えてみたんです。」戻す前の高野豆腐1個につきめんつゆ大さじ2を直接かけると、中心はまだ硬さが残るものの、表面は柔らかくなってすぐに包丁で切れる状態に。「炒めた具の中にこの高野豆腐を入れて100gの水を加えて炊きます。めんつゆが煮汁にしみ出して旨みになるし、高野豆腐にもしっかり味がついているので、誰でも味がさっと決まります」。詳しいレシピは「きょうの料理」テキスト8月号の広告ページに掲載される予定です。今日は特別にセミナーでひと足早くご紹介。
「この資料を冷蔵庫に貼ったり買い物に持って出て生かしたいって嬉しいお声もいただきました。この白井流・健康な骨を作る工夫もぜひ試してみて」。ひじき煮や切干大根に大豆を加えたり、さっと湯がいた小松菜を添えたり。切干大根をさっと洗って、サバの水煮缶と合わせ、汁を切干大根に吸わせて戻したり、ヨーグルトに小さじ1/2ぐらい味噌を溶かして食べたりと、白井が日々の暮らしで実践する小さなアイデアの色々をご紹介。

「食べ物も大事だし、楽しく暮らしを作ることも大事。便利にしすぎないで家の中でもこまめに動いたり、誰かに何かしてあげる方が嬉しいと思える自分でいることとか、仲間と一緒に笑い合ったりね。いろんなことが元気な体を作ってくれるような気がします。最後は脳の活性化と骨の健康に大切な運動が一緒にできるボディージャンケンをみんなでご一緒に」。グー・チョキ・パーを、全身を使ったゼスチャーで表現し、後だしジャンケンで相手に負けるものを出すというボディージャンケンは、最初は頭と体がバラバラで意外と難しいもの・・・。みんなでひとしきり笑って遊んで、笑顔があふれる中、お開きとなりました。
(文:土田)

セミナーレポート 2018.5.21 浦野醤油醸造元 五代目当主 浦野惇美さん 浦野敦子さん

2018/5/23 

今回のゲストは「にじいろ甘酒」を手掛ける浦野醤油醸造元の五代目当主浦野惇美さんと六代目のお嫁さん・敦子さんのお二人。福岡・豊前市で江戸時代から150年続く老舗です。

まずは麹作りの話を浦野さんから。「米は前日から水に浸けて、翌日の午前中に耳たぶほどの柔らかさを目安に釜で蒸します。35℃まで冷まして麹菌をふりかけ室で寝かせます。一日目はストーブをたいてやり、35度程度を保ってやると、あとは発酵熱を出しながら麹菌が繁殖していきます。2日目以降は自分の発酵熱でどんどん温度が上がりますので、その熱で菌が死んでしまわないようほぐしてやり、適温に保つよう世話をしてやります。3日目には、びっしりと白い菌糸がお米を覆って完成です。」原料には福岡産の「夢つくし」を。100㎏単位で作る重労働で、特に夏は暑くて大変だそう。「米麹は見た目に白いものを、乾燥よりは生麹がおいしいと思いますねぇ」と浦野さん。米麹の保存は密封して冷凍がおすすめと教えてくださいました。
「お父さんは『何でもやってみろ』という精神の持ち主。嫁に来た頃はまだ発酵ブームではなく、甘酒を飲んだこともありませんでした。仕込み方、飲み方はお母さんに一から教わりました。こんなにいい材料を使って、こんなに手間暇をかけて・・・と分かってくると、すごく愛着が湧いてきて・・・。」醤油が売れにくくなった蔵のピンチの頃にお嫁にきた敦子さん。最初は苦手だった甘酒を「誰でも飲みやすい味に」と一生懸命、試行錯誤を重ねた末に生まれた「にじいろ甘酒」。基本の「米麹」と「発芽玄米」、「博多あまおう」の3種の甘酒を試飲に。

「発芽玄米」は食感を少し残してコクと噛みごこちを楽しんでもらえるように。人気の「博多あまおう」は地元農家が大切に育てたあまおうをふんだんに使い、あまおう独自のほど良い酸味と香りが冴える爽やかな甘酒。「ブルーベリー」も福岡産のブルーベリーを皮ごと細かくつぶしてたっぷり使いました。小豆は北海道産のものを柔らかく炊いてしっかり糖化させて甘酒に。ほっこりとした味わいは赤飯のよう。「自然の色や香りを生かしたものを作りたかった」それぞれに敦子さんの思いが込められています。
「甘酒はジャムのような感覚でヨーグルトに入れたり、すり鉢でなめらかにした甘酒と醤油、味噌やゴマを混ぜて焼肉のたれに。市販のたれと混ぜても。味噌生姜焼きの隠し味に使っても。甘酒は夏の季語。ビタミンB群が豊富で昔から鰻と並んで暑い夏の栄養源だったそう」と白井。「夏はそのままジッパー袋に入れて冷凍するとシャーベットに。豆乳を少し加えてもうまくいきますよ。麹から作る甘酒はアルコールを含まないので子供さんでも大丈夫」と敦子さん。料理やおやつに使い方はいろいろ。

最後に「私の曽祖父が村の庄屋に麹室を建てさせて欲しいと申し出た古文書が今も残っていて、見ると曽祖父の情熱が伝わってきます。それを受け継ぐ者として原点の麹造りをきちんと息子たちに伝えなければと思っています。人よし、社会よし、自分よしの理念を持って、体に優しいものを商っていきたい。いい嫁を連れてきてくれた息子にも感謝だな。」と浦野さん。敦子さんと実の父娘のように仲の良いご様子から福岡で待つ奥様の典子さんと六代目雅人さんとの温かな家族の絆が伝わります。「今ここでお話していることも、カタログの写真をみても、今まで想像もできなかったことばかり。家族みんなで感謝しています。このチャンスを生かしきるように力を合わせて頑張ります。」敦子さんの言葉に浦野さんもにっこり。会場からの拍手がエールのように響きました。

試食はもう1品。奈良・吉野のはやし豆腐店の「ざる豆腐」を。にがりを極限まで減らし、吉野の名水を使った豆腐は格別。ギフトには葛がたっぷりのごま豆腐やひろうす、お揚げとセットになっています。                     (文:土田)