レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2017.4.27 白井操の料理講習会

2017/4/29 

今年はNHK「きょうの料理」60周年の年。先日このセミナーにゲストにきてくださった程一彦先生とともに4月から1年間、毎月1回のシリーズ企画「程一彦&白井操の楽しいごはんの時間」が始まりました。
「4月の放送、ご覧いただけましたか?」たくさんの手があがる中、セミナーでは番組で取り上げた薄切り肉のステーキを実演を交えてご紹介。子供たちが急に来た時に慌てて作ったのが始まり・・・というだけあって、作り方はへぇ~と目からウロコ。パックトレイの肉に塩・こしょうをして、火にかける前のフライパンに脂身を下になるように、トレイからパカッと移します。

「弱火でじわ~っと豚自身の脂で焼いていきます。」赤身が上になってパックされているときは形を崩さないように裏返して・・・とアドバイス。「大きなパック肉を買って残りを冷凍保存するときはラップをしてホイルでくるんで、日付を書いて保存をすると風味を損なわず、またおいしく食べられます。」
「10分ぐらい焼いたらひっくり返して。脂か出てきた肉の周りで付け合わせの野菜を焼きます。豚肉の脂のコクを野菜に生かして」。試食は蒸したじゃがいもとスナップエンドウ、大根おろしとみかんポン酢を添えて。「付け合わせはグリーンアスパラやそらまめ、たけのこなどもいいですよ。苦みがあるものは油に溶けだして食べやすくなります。火が早く入るようにフタをして。竹串を肉の分厚いところに刺してみて、透明の肉汁が出てきたら焼き上がり。仕上げにお酒とお醤油を少し回しかけて完成です。切り分ける時、私は傷がついてもいいようなお皿の上でハサミを使います。」フライパンでじっくり焼くのは魚の切り身や鶏肉でもおいしく仕上がるのでおすすめと白井。ポン酢だけでなくドレッシングや煮物の残りを活用したりと、味付けも自由に楽しんで。厚い肉のステーキは硬く感じる年配の方にも、口の中で旨みがじゅわ~っと広がる薄切り肉ならではのおいしさを味わっていただけたら」。

今回は5月2日の八十八夜に先がけて、森半の新茶も味わっていただきました。「コクが薄い分爽やかな味わいの新茶。新茶の茶殻は水気をぎゅっと絞って、白和えなど和え物にしてもおいしいですよ。ぜひ試してみて。皮つきのゆがいたエビがちょっと匂うときは安いお茶にじゃぶんとつけると匂いがとれます。フィンガーボールの代わりに使っても」。
かつて阪急百貨店で配布されていた白井の「カラダにやさしいレシピ集」からも楽しいレシピをご紹介。ブールというドンクにもある大きな丸い食事パンをくりぬいて、くりぬいた部分でサンドウィッチをつくってピクニック気分。サンドするのはジャムやディップ。「魚の骨の周りに残った身をとっておいて、クリームチーズやマヨネーズと混ぜればもうディップになります。大豆の湯がいたものを使っても。痛み始めたイチゴに砂糖をかけて、水分が出てきたら何度かレンジ加熱し、余分な水分を粉の高野豆腐や麩に吸わせて仕上げると簡単にジャムが作れます。日本ではあまり馴染みはないチャツネ。アジア系とヨーロッパ系で味がまったく変わりますが、サンドイッチには便利なもの」。
「新しい食品部長さんは西宮阪急の立上げの時にご一緒した西田さん、そしてレシピ集を作っていた橋本さんがセミナーの新担当になられました」と白井。ご挨拶とともに今年度のセミナーも本格発進です。         (文:土田)

セミナーレポート 2017.4.7 小林製薬株式会社 会長 小林一雅さん

2017/4/15 

『アンメルツ』『ブルーレット』『サワデー』数え上げるときりがないぐらい身近な商品が多いですね」と白井が紹介したのは小林製薬株式会社会長小林一雅さん。「家庭で使っていただくものが中心なので、女性社員が活躍してくれています。開発・企画の部署では約半数が女性です。7~8年前でしたか、経営者の会合で男性ばかり20人ほど白井さんのスタジオで料理教室をしてもらったことがありましたね。今日はそのお礼もかねてここへ・・・」と笑顔で。

「学生時代はフィギュアスケートの選手でいらっしゃたとか」「当時の最高難度2回転は飛んでたんですよ。」「すごい!」「私は中2で始めたのですが、子供の時からやって基礎をきっちり身に着けないとなかなか優勝には届かないんです」。兵庫県初の通年リンク『ひょうご西宮アイスアリーナ』の建設に力を尽くされたのはそんな思いから。「夏にはスケートリンクがプールに変わるため、岡山や大阪まで行かなければならかった選手たちに一年中滑れる練習場をと、県と連携しながらやっと実現しました。」その功績が認められ兵庫県から文化賞「スポーツ賞」が贈られました。先の国際大会で彗星のごとく優勝を果たした三原舞衣選手やジュニアの坂本花織選手など若手選手が活躍し、嬉しいニュースが続いています。
「『熱さまシート』や『ケシミン』などネーミングが楽しいですね」「新商品の開発会議は全社員がアイディアを出すんです。他にない新商品を何とか生み出していこうという気持ちは他よりも強いかも知れません。シンプルで分かりやすく、店頭でどんなものかすぐ伝わることが、商品名、パッケージ、広告宣伝に共通するコンセプトです。そんな大阪的なところも受け入れられているようです。」「社長をされていた時代に発売されたものは?」「『アイボン』や『のどぬーるスプレー』『トイレその後に』など色々あります。」「これまで売れなかった商品もあるんですか?」「それはたくさんあります。中には私としては気に入っているものも・・・。ポンと放り込むだけで泡の力で掃除してくれる『トイレ洗浄中さぼったリング』はリピート率がとても高く、携帯できる目薬サイズの消臭剤『一滴消臭元』は旅行や外出先のエチケットにぜひおすすめしたい。どれもいい商品なんですがねぇ。」「へぇ~。いつも発想はトイレで思いつくことが多いのですか?」「トイレもそうですが、洗面所やベットサイドなどいろんな所にメモをおいて、すぐ書き留めるようにしているんですよ。社内でもアイデアをよく出す人は常に意識している人。ウチは後発メーカーなので、小さいマーケットだけどトップになれる商品を目指しています。『ブレスケア』や『やわらか歯間ブラシ』がその代表ですね」。
「ついこれもいるかなって色々バッグに詰めすぎてしまうんですが、よく見ると小林製薬のものを知らないうちにたくさん使ってました。あるとちょっと幸せなものが多いですね」。会場のお客様のほとんどが、商品の何かは買ったことがある、愛用しているというのもうなずけます。会場へのお土産に「サワデー香るスティック」と「マダムジュジュクリーム」をご用意くださいました。
海外での人気も高まり、すでに海外での売り上げが国内を上回る商品も多いそう。日本人の知恵と感性が詰まった商品は、世界中の人々の暮らしを便利に楽しくしてれる魅力にもあふれているようです。

今日の試食はあおやま菓匠の草餅と花見団子、森半の深蒸し茶に、白井から手作りのつくしの干菓子を添えて。つくしの干菓子のレシピは白井のHPでもご紹介しています。
(文:土田)

2017.3.10 株式会社三宮一貫樓 常務取締役 安藤孝志さん

2017/3/17 

今回のゲストは神戸の3大豚まんのひとつ「三宮一貫樓」の常務取締役 安藤孝志さん。
「神戸豚まんサミット」の発起人のお一人であり、北京料理「中華菜群青」も手掛けられる方。「電車から一貫樓のビルがよく見えますね。」「あのビルは一貫樓本店製麺所のもの。そこからのれん分けした一貫樓が30店ほどあって、ウチもそのひとつなんです。」「へぇ~知らなかった。その中で三宮一貫樓が一番有名になられた、ということね。」「3人の子を育てるために40代で食堂を始めた祖母が創業者。厳しい人でしたが大人になってそれが優しさだったことも分かりました。姉がホール、長男が三宮一貫樓、次男が製造、私が営業と、兄弟4人がそれぞれの責任者として、祖母のスピリットを受け継ぎ店を守っています」。

11月11日の「豚まんの日」に恒例となった人気イベント「神戸豚まんサミット」。「最初の年は私もお手伝いをさせていただいて。大盛況でびっくりでした」と白井。「老祥記の曹さん、四興樓の葉さんとともに、神戸を豚まんで元気にしたいという思いから始めたのが2011年。準備を始めた3月に東日本大震災が起きました。神戸は16年前の震災からここまで復興できたことに思いがおよび、その希望を届けたいと初めての豚まんサミットの収益で、翌年の1月17日には東北へ出向き、ほかほかの豚まんを炊き出しで被災された方にふるまいました。「東に行くと『肉まん』よね」「はい、関西は肉といえば牛肉なので誤解がないように『豚まん』と呼び、関東は肉といえば豚肉なので『肉まん』と呼ぶと言われてます。お礼の手紙にも『肉まん、おいしかった』と書いてましたねぇ」。毎年恒例になった炊き出しは、今年は被災地熊本へ。大いに喜ばれ「ぜひ熊本で豚まんサミットを」との声も頂いたそう。「華僑の方と日本人の違いを感じることはある?」「今は三世の方が多く仲良くしてもらっています。彼らは団結力があって誇りと気骨を感じますね。私は祖母の思いに恥じない仕事をと頑張っています」。
「北野坂の『群青』はとってもおしゃれで素敵なお店ですね。」「ソムリエがいて中華料理とワインを楽しむ、神戸にもそんなお店があったらいいなと」。かつて神戸の食通に愛された東明閣が入っていた建物が震災で倒壊し、店を失われた料理人の張さんは一貫楼に。「グランメゾンの料理人が一品ものの店で働くということになる訳です。でも嫌な顔ひとつせず、店のために本当に良くしてくださって。その腕を振るう場をと定期的にSNSで呼びかけて始まった張さんの料理の会に人が集まるようになって。今年69歳になる彼に、そのキャリアにふさわしい店を作りたかったんです」。

「ところで冷めた豚まんを温めて食べたことってある?」「はは。ありますよ。本当は蒸し器が一番なんですけど、自分が家で温めるときは、水をざぶざぶっとかけて、水気で底がべちゃっとならないように、お皿に箸を渡して豚まんをその上にのせて、空気が通るようにふんわりラップをかけて、電子レンジでチンします。」豚まんにはしょうゆか、ソースか、ソースと辛子、いや何もつけない方が・・・と食べ方もみなそれぞれ、豚まん談義でも盛り上がりました。
夢は「神戸の街に人がたくさん集まるようになること、神戸といえば豚まんと言われるようになりたい」と安藤さん。会社帰りに買ってもスマートに見えるようにと紙袋やパッケージをスイーツのようにかわいいものにリニューアルされたそう。一貫樓袋を持った人を見かけるとついそっと頭を下げてしまうという言葉に、お客様の心もほかほかと温まったひとときでした。(文:土田)