レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2016.2.12 森ノ宮医療大学大学院教授 長野仁先生

2016/2/18 

今回のゲストは森ノ宮医療大学大学院教授の長野仁先生。六甲道でご自身の診療所も開業される傍ら、時にはNHKの番組監修も手掛けられる多忙な毎日を送られています。
「1月に放送された『歴史秘話ヒストリア』の戦国時代の漢方医・曲直瀬道三(まなせどうさん)、観ましたよ」「晩年の道三が残した『養生俳諧』のひとつ、朝一番の井戸水を飲むことは体に良いという意味の句が番組でも紹介されていました。水の飲み方に、鶴の飲み方『鶴飲(カクイン)』というものがあるのでご説明します。朝起きたら、水を一口、鶴のように上を向いて静かに飲みます。水の冷たい感覚が喉から食道を通って落ちていき、みぞおちのところで左右にイカリのように広がるのを感じてください。これで体にスイッチが入ります。この『水が落ちるところ』がみぞおちの語源です。」
16.2.12森ノ宮医療大学院教授長野先生①
お腹がへの字にならないよう、おへそを中心に傘をさすような気持で良い姿勢でいることは、おいしく食べることの基本。頭と腕の重みで自然と前かがみになる人の体。肩がすぼまって内臓の働きが鈍くならないよう正しい姿勢を保つことが大切とおっしゃいます。
また指と指を合わせて手を組み、組んだまま両手をグルグル回すと、自然に組みやすく回しやすい方向があるそう。これは体の使い癖で、朝と夜、逆に手を組んで、逆方向へ回すことを20回ぐらいずつ続けると体のクセの矯正に。会場でも実際に体験して「ほーっ」と納得の声が。
「解剖学が基礎になっている西洋医学は、体の器官ごとに縦割りで診察するのに対して、東洋医学は横割り。例えば心臓と舌には関係があるので、心臓の状態を知るために舌の動きをみるとか。呼吸器と皮膚も関わりが深くこの二つを取り持つのが大腸ということから、お通じを整えると花粉症が抑えられるという考え方をします。」
長野先生が監修されたNHK「つぼエクササイズ」から教えていただいたのは、小指と薬指の骨の間にある「中渚(ちゅうしょ)」というリンパ系にかかわるツボ。リンパの流れを整えるだけでなく緊張時のセルフコントロールや腰痛にも効き目があるそう。
「このようにストレッチをするときは手のひらの向きを返すだけで効果的に体を伸ばすことができます。これは柔術の関節技と同じ原理です。」「マッサージやストレッチは一日のうちでいつやるのがいいんですか?」「落ち着いた気分でできるのがベストです。時間は何時でも。慌ててやるとだめなんです」「私はストレッチを毎朝40分ぐらいやるのが習慣です。30代で入院を経験してからずっと。日頃の体調管理の大切さが身に染みたのは早くに病気をしたおかげかな。今日はセルフケアの方法をたくさん教えていただきました」。
16.2.12森ノ宮医療大学院教授長野先生②
会場からの質問にも時間ぎりぎりまで答えてくださった長野先生。「目がしらの少し上や眉毛の上は元気の出るつぼ。あたまのてっぺんから体の裏側を通って腎臓や足の裏まで繋がっています。腎臓が元気の源です。」午後一番の授業に間に合うよう急いで会場を後にされた長野先生。元気と元気の秘訣の両方を頂いたような充実したセミナーでした。           (文:土田)

セミナーレポート 2016.1.22 京・南禅寺畔 瓢亭 当主 髙橋英一先生

2016/2/2 

「今日は眼鏡を忘れてこられてしまったそう」白井の紹介に穏やかな笑顔でこたえてくださるのは、瓢亭14代当主 髙橋英一先生。嬉しいことに新年最初のセミナーにお迎えするのが恒例になりました。
毎年このセミナーを楽しみにされている方も多く、ご参加のお客様は高い倍率の抽選に当選された幸運の持ち主。会場からは和やかな中にも期待感が伝わってきます。
「おだしをおいしくお召し上がり頂きたい。寒い時期ですので、すり下ろした聖護院かぶらに、吉野葛でとろみをつけた吸い物です」試食としてご用意くださったかぶらあん仕立ての吸い物は、雲子(くもこ)、身ガニ、九条葱と冬のごちそうに、霰(あられ)柚子がちらされています。
16.1.22瓢亭高橋先生①
「雲子は鱈の白子です。このシワがくっきりして弾力があるのが鮮度の良いもの。2パーセントの塩水に一晩つけて一口大に切って焼いておきます。身ガニは半分に切っておきます。九条ネギは焼き目をつけて二番だしでサッと炊きます。焼くことで香りがぐっと引き立ちます。」二番だしは一番だしをとった残りに一番の7割の水を加え、沸騰したら弱火にしてコトコト20分ほど炊いて濾したもの。白みそ汁など、一番だしでは旨みが濃すぎるものに使われるそう。
毎日8升の水に利尻昆布300gを入れて、65℃~70℃で1時間ぐらい旨みを出して取り出し、火を強めて沸騰する前にまぐろ節350gを加えアクを取って火を止め、20分ほどおいて厚いネルの布で濾すのが瓢亭流のだしの取り方。鰹に比べあっさりとクセがないのがマグロ節で、昆布は塩分が強くならないように流水でさっと流してから使われています。
「吸い物は一番だしに薄口醤油で色と香りをつけ塩で味をしめる」と髙橋先生。塩は天然のものを。海水と同じミネラルが含まれ体にもやさしいと言われます。愛用の伊豆大島の海水で昔ながらの製法で作られた「海の精」を今回もお土産にご用意くださいました。「聖護院かぶらと聖護院大根、全体が真っ白なのがかぶら。首の辺りが少し青くなって、全体に長めに感じられるのが大根と見分けます。すりおろしたかぶらをだしに加えたらアクを丁寧に取り除いてください。」
「柚子は白い部分を取って黄色の皮だけを使った霰柚子にしましたが、白い部分を残すやり方もあります。細く黄色の皮をきざんでも。いろんなやり方で柚子の風味を楽しんでください。」「酢の苦手な方でも柑橘の絞り汁だと食べやすくなります。レモン・柚子・スダチ・ダイダイ・カボスなど3種以上を混ぜ合わせると酸味がまろやかになります。生姜汁を加えてもまた違ったおいしさに。」髙橋先生は惜しむことなく食材の楽しみ方を次々と伝えてくださいます。
16.1.22瓢亭高橋先生②
「苦手だった雲子がこんなにおいしいと思いませんでした」「上品なだしのおいしさを堪能しました」とアンケートにもたくさんの感動が寄せられました。「家庭料理もひとてまをかけるとやっぱりおいしいんです。『きょうの料理』でそのことをお伝えしたら大きな反響をいただき、本にもなりました。」今年もまた大切なことを五感で味わい、心で学ぶ貴重な時間を作ってくださいました。
(文:土田)

2015.12.11 ウェスティンホテル淡路 代表取締役社長 藤井英映さん 

2015/12/16 

今回のお客様は、ウェスティンホテル淡路の代表取締役社長 藤井英映さん。色々と持って来てくださったホテルオリジナルのお土産の中から、淡路の特産品たまねぎを使った「たまねぎスープ」と「クッキー」を試食に。
15.12.11ウェスティンホテル淡路①
『仕事は楽しくやるべき』がモットーの藤井さん。外大出身の語学力を生かし、兵庫県職員としてアメリカへの赴任や東南アジアとの橋渡し、県の観光の仕事などに長く携わられ、今年4月から社長に着任されました。「お客様のある商売は大変です。今は人に頭を下げてまわる毎日、人生が変わりました」と朗らかに。「藤井さんは、行政の方の雰囲気とちょっと違う。石橋をポンと渡ってしまわれる方」と白井。
「ウェスティン淡路の素敵を教えて」「一番は食事ですね。食料自給率110%を誇る淡路はたまねぎ以外にもたくさんの海山の幸に恵まれています。野菜も魚も生産者から直接仕入れる新鮮な食材が自慢です。御影の自宅からホテルまで車で40分、電車とバスでも1時間10分程度。橋の通行料金も安くなり気軽なリゾートホテルとして、リピーターのお客様も多くいらっしゃいます」「宿泊予算は?」「時期によって変わりますが、ベースはツインで一泊3万円、一部屋の値段です。4人が連泊して朝食付10万円が目安、一番多いのがファミリーのお客様です」。ホテルに併設された国際会議場は県の施設ということもあり、週末はファミリー、平日はビジネス中心にカラーががらりと変わるそう。
15.12.11ウェスティンホテル淡路②
日本では観光の足場としてのホテル利用がまだまだ多い中、連泊してのんびりとした時間を楽しむリゾートホテルのスタイルを提案されています。「ホテルのまわりは迷路のようですね。」「ホテルに隣接する夢舞台という施設は安藤忠雄さんの建築で、コンセプトはまさしく迷路。回り道や行き止まり、水の回廊など仕掛けが点在していて、ここに来て色々散策してみるとこれがとても楽しいんです。夢舞台の良さをもっと知ってもらいたいとキダタローさんにお願いしてPRソングを今作っているんですよ」と笑顔で。韓国でも安藤建築は人気で、夢舞台を目当てにホテルに来られる方も多いそう。
台湾・香港・韓国を中心に海外のお客様にも人気のウェスティン淡路。「TPPのことを考えると、多くの方に兵庫県のいい食材を知っていただく場でもありますね」と白井。震災の時には、前例がない中いち早く国に掛け合い予算を確保した兵庫県。被災者の救済と復興に直接かかわる市町村の動きを資金面でも大きく支えたことなど、普段知ることの少ない県の仕事についても話題が及びました。
最後はウェスティン淡路の周辺で見られる野うさぎにちなんだオリジナルマスコット「ラスティン」グッズの抽選会を楽しんでいただきました。
ウェスティン淡路に行かれたことがあるというお客様も多く「長い連泊のお得なプランはありますか?」「大きな国際会議を誘致できるよう頑張って」と様々な声が寄せられました。白井の応援するNPOで今年の花博の時にバスツアーで訪れた淡路の観光スポットも写真を交えてご紹介し、気軽なリゾートとして淡路島の魅力を再発見したひとときとなりました。                       (文:土田)