レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート2017.6.9桂南光さんをお迎えしてお中元ギフトカタログ試食会

2017/6/14 New

恒例の阪急お中元青いギフトカタログから白井のおすすめギフトの試食会。盛りだくさんの試食とともにゲストの桂南光さんと白井のトークが楽しい人気企画です。
「今回も寒い時期に麦わら帽子をかぶって笑ってるでしょ?」。まずは「福井開花亭」『冷製スープとゼリー寄せ』。「福井で120年続く老舗料亭で地元の最高の食材が集まるお店。トマト「越のルビー」、鱧や夏野菜の旨みと贅沢なだしのおいしさは格別」。「大阪心斎橋フレンチレストランリュミエール」からは『夏野菜のブルーテ』を。「ブルーテてなんですのん?」「スープとピュレの間ぐらいの感じかな。兵庫県の有機野菜をバターやクリームを使わずにじわ~っと仕上げるプロの技。このままでもアレンジしても使えます。調理場の穏やかな空気も印象的でした」。「居心地のいい家とお店が一緒になったよう。シェフのお人柄かな?」と白井が紹介したのは「神戸苦楽園オリーブ」。『旬の夏野菜とバーニャカウダ』は厳選した青森産にんにくとイタリア産の上質なアンチョビーで作るバーニャカウダに旬の野菜を添えて。

「今回は女性の作り手ならではのこだわりの逸品もたくさんあると聞きましたよ」「「山梨 設楽彦吉商店」の『手炒り麦茶』は四代目を継ぐ女性が収穫から2年熟成させた六条大麦を伝統の技で手炒りした麦茶。深く濃く懐かしい麦茶の本来のおいしさです。」「「大分 帆足本家富春館」は400年続く旧家。家に伝わるお宝をしつらえに生かしたレストランとショップがとっても素敵で。地元の特産のごぼうや庭の老木の梅の実を隠し味に使った『万能だれセット』は手作りの味わい。」「自ら時間をかけて育てたアグー豚を使った「沖縄 ゆいまーる牧場」の『石垣島アグー豚カレー』。骨からスープをとり、余分な脂は除く贅沢な作り方でさっぱりとしたカレーに。」「4年前はご夫婦で立ち上げれらたばかりの「福岡 自然薯大国」。その後、誠実なものづくりが広く認められてお店も立派に。2度目の今回は新製品を加えて『自然薯とろろ味くらべセット』を。頑張る女性の姿に元気をもらいました」。
「次は暑うて食欲がない時でも食べやすいもんのご紹介ですね」。「お元気でいて下さいのギフトにもぴったりの「福井 米又」の『特別栽培米「極」のおかゆセット』。「極」は福井が誇る希少なお米。こんなストックがあると嬉しいでしょ」。「甘酒はもともと夏バテ対策に食べる夏のもの。「熊本 原田食品製造所」は明治から続く老舗の麹やさん。5代目がコツコツ工夫を重ね発芽玄米を使って『食べる甘酒』を作ってくれました」。「老舗料亭に湯葉をおさめる「京都祇園 東山ゆう豆」。美山産の大豆を使った豆乳麺を湯葉入りのつけだれで楽しむ『ゆば入り豆乳つけ麺』は濃厚な味わい」。「「青森 コンブリオ」の『五種の海藻和風スープとお味噌汁』は大間の海にびっしり生える海藻のツルアラメの高い栄養機能に目を付けた地元の女性の力で商品になったもの。みなさん体にやさしいものを作ってくださいました」。
毎回人気のスイーツは4種。「北海道スイーツセルクルの「白と黄のシュークリーム」は白と黄色で卵の種類からすべての材料を変えるこだわりのレシピ。吉野の本葛を贅沢につかった「京都本くず氷」の『本葛アイス』は溶けながら変わる葛ならではの食感がまた楽しいんです。お歳暮でも人気だった「山梨あんこや野中」のこだわりが詰まった『水ようかんと冷やししるこ』は味わいものどごしも絶品。「奈良 農悠舎王隠堂」の『干し柿ばたーサンド』は作り手が少ない添加物を使わない干し柿と国産バターの味わい。ブランデーやお濃茶にも」。

今回の試食は『夏野菜のブルーテ』『万能だれセット』『自然薯とろろ味くらべセット』『白と黄のシュークリーム』『水ようかん』と、ベストセレクションから『ひょうご雪姫ポークのしょうが焼き』を。「現場で拝見する原料へのこだわりとかけられた手間を思うとその値打ちを感じます」「値段書いて贈りたいぐらいやね」「ふふっ。作る人の思いだけでも伝えたいなぁって。」こんなトークのやりとりを全部お伝えできないのが残念。テンポよく笑いの輪も広がって一体感に包まれた味わい深いひとときとなりました。(文:土田)

セミナーレポート 2017.5.26 白井操の料理講習会

2017/5/30 

毎回好評をいただいている白井の料理講習会。まずは先日放送のNHK「きょうの料理でご紹介したレシピのご紹介から・・・。
「『のりちりめん』は一度ぜひ作っていただきたいレシピ。『のりの佃煮』を20年前『きょうの料理』で紹介して、今回はそれにちょっと工夫を」。旨みがより求められる今の時代に合わせて、ちりめんじゃこを加え、焼き海苔を水で少し湿らせるのにもダシを使った「のりちりめん」に。「ちりめんじゃこは、関西では乾いたもの、関東ではウェットなものが主流。乾いたものは塩分が多めなので、さっと水で洗います。小さい上等なちりめんじゃこは、目の細かいザルを使って」。
海苔は小さくちぎってバットに広げダシで湿らせ5分ほど置きます。ダシと調味料を入れた鍋に海苔を入れ、弱めの中火で約10分。「焼き海苔を10枚も使う贅沢なレシピ。新しいものがやっぱりおいしいけど、古くなりかけたり、使いきれなかった海苔のおいしい使い道にも・・・」。「こんな簡単に家で佃煮が作れるなんて知らなかった」「想像していた味とは違った。海苔の味ってこれなんだ!」「のりの風味がなんとも言えない」と会場からは嬉しい声が・・・。

もう一品は「牛肉とマッシュルームのしぐれ煮」。「これもね、昔は牛肉だけで作ってたんだけど、きのこに旨みとカサの助けを借りて・・・」。薄く切ったエリンギとマッシュルームに塩と酒をかけ、電子レンジへ。きのこの旨みたっぷりの汁を煮汁に加えます。「薄切の牛肉は食べ応えがあるように少しずつまとめておきます。鍋に肉を並べてあまり触らずにアクを取りながら10分程で炊きあがり。いくつになってもお肉が好きという方に何かエネルギーがあるように感じますよね」。「旨みを吸ったエリンギはなんともおいしい」「お弁当に使ってみたい」とこちらも客席の反応は上々。
後半は青果売り場を楽しむアイディアを。「切干のようなささめ大根は、さっと洗って、生のままお酢・砂糖を入れたダシで戻すだけでいい箸休めになります。きゅうりを足しても合いますよ」。「こんなフェンネルの大束も怖がらずに買ってみて。鮭と合わせてマリネもおすすめ。生のハーブは香りが違います。使いきれない時は人に分けたり、ハーブ酢に。広口の瓶に色んなハーブを詰めて、かぶる程度にお酢をいれたら、ラップをかけてふたをします。最初の1週間は日に2~3度瓶を動かしながらカビが来ないように・・・。香りが良くてかどの無いお酢になりますよ」。「最近よく見かけるカラフルなスイスチャード。楽しい野菜が手頃な値段で手に入るのも西宮阪急の楽しさ」。「ゆがいたそら豆は豚肉の生姜焼きの付け合せにも。その時期にしか出回らないものをおかずに添えるだけでお皿に季節感がでます」。色んな野菜を次々に手にしながら楽しみ方をお伝えしました。

今回は白井から旭松の高野豆腐をお土産に。「高野豆腐は体にもすごくいいし、料理方法も色んな可能性があります。このセミナーでもご紹介した生姜焼きに高野豆腐を添えて、おいしいタレまでおいしく味わうレシピや、小さめに切った高野豆腐の含め煮にオリーブ油をかけてサラダ風に仕上げる・・・など新しい食べ方をまたご紹介しましょうね。家で作って食べてみてくださいね」。今回も和やかに駆け足ながら盛りだくさんのセミナーになりました。(文:土田)

セミナーレポート 2017.5.12 株式会社神戸酒心館 代表取締役社長 安福武之助さん

2017/5/18 

今回のゲストは阪神大震災で大打撃を受けた酒蔵を立て直し、海外での日本酒ブームの火付け役ともなった株式会社神戸酒心館 代表取締役社長の安福武之助さん。ノーベル賞の晩餐会で饗されるブルーのボトルに入った「福寿 純米吟醸」は世界に知られる銘柄に。
「創業は1751年、8代将軍吉宗の頃。それから266年、私で13代目です。震災後『神戸酒心館』として再スタートして20年になります。」

まずビデオで、神戸市北区大沢の酒米「山田錦」と六甲の伏流水「宮水」を使い、手づくりされる酒造りの様子の紹介から・・・。「糖分を持つぶどうから作るワインより、米のでんぷんを糖に変えて発酵させる日本酒は手間がかかるんです。」日本酒は酒米の出来不出来にかかわらず、杜氏の経験と技で毎年一定の品質を保つのが美徳とされ、ワインのようなヴィンテージはない分、杜氏の高い技術が必要なのだそう。
世界から日本酒のおいしさが注目される今でも日本酒業界は厳しいと安福さん。「私が生まれた昭和48年をピークに日本酒の販売量は減って今は当時の34%程。酒蔵の数は約半分です。」大学卒業後大手ビール会社勤務を経て、2003年家業に。78歳の但馬杜氏が酒造りを担い、後継者がない現実を見て、先々もずっと高品質の酒を作るために社員の手で酒を作ろうと決意されます。「まずは杜氏さんが来られた時にあらゆる数値データをとることから始め、だれがどの工程を担当しても失敗がないように工夫を重ね、杜氏の技の再現を目指しました。自信がついた頃、コンクールに出してみたら入賞したんです。」「へぇ~!金賞を何度も受賞されていますね。海外に売ろうと思ったきっかけは?」「ワイン市場は日本酒とは2桁も規模が違います。国内が縮小するなら海外へと。ウチの酒をカバンに詰めて、世界各国へ輸入業者を探す旅に出たんです。海外のワインの展示会で試飲をしてもらうと『白ワインのよう』と反応は上々で、ヒアリングを重ねては蔵での酒造りに生かしました」「ワイングラスで飲むと香りも楽しめますものね」。

本日の試飲も「福寿 純米吟醸」をワイングラスで。安福さんおすすめのマスカルポーネはそのままとクラッカーに鰹節と醤油を少しかけたものとを。鯛の刺身には醤油とオリーブオイル。「日本酒はそのものに旨みをたっぷり含みます。日本酒にソムリエがいなかったのはどんな料理とでも相性がいいからだと思います」。会場からはしばし感嘆のため息が。「このフルーティーでみずみずしい味わいをイメージしていただけるようにと青い瓶をずいぶん探しました」「ノーベル賞の晩餐会でもこの青は目立ってますね。」「東京のイベントで偶然同じテーブルになって意気投合した方がスウェーデンの有名なソムリエで・・・。スウェーデンへの輸出が始まり、魚を食べる北欧の人に日本酒のおいしさを広めたいと思っていたところに、日本人が4人もノーベル賞を受賞したと聞いて、晩餐会用にとテイスティングしてもらい採用が決まりました」「すごい!あなたのそのお人柄が素敵な偶然を招いているような気がするの。」「いえいえ。今はどこの国に行ってもシェフが『ウマミ』という言葉を普通に使いますし、日本酒や日本食に興味を持ってくれています。神戸のお酒が海外でも飲めるのは本当に幸せなことだと思いますね。夏に熟成し9月に出る“ひやおろし”、冬の新酒や燗酒・・・と、それぞれの個性を旬の味に合わせてぜひ楽しんでください」。
地元のお酒の素敵にふれてなんだか誇らしい気分になったひとときでした。

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