レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操発スタジオ*トピックス

料理を通してお届けします

2012/1/1 

年末片づけものをしながら、ほっとテレビをつけたら、仲良しのアナウンサー山本美希ちゃんが司会をしている番組が流れていました。画面の中の表に、いきなり私の名前を見つけ「ウン?何だ?」と思いながらみていると、どうやら何かのランキングらしい。番組の話題は、簡単でアイデアもののレシピの話。タイトルは「じゃがバタ」と書かれていました。やさしい気配りの美希ちゃんの笑顔が素敵でした。
NHKの番組に出るようになって20年も経ってしまいました。♪タンタカタカタカタンタンタ~♪とおなじみのメロディーは、「きょうの料理」の収録の始まる前の現場でも流れてきます。収録は案外覚えないといけない段取りが多くて毎回ドキドキ。年々覚えが悪くなっているので大変です。この前の収録でも「NHKではキッチンペーパーは紙タオル。切ったものは自分で持って、小皿に入れて右コンロに移動・・・」と頭では分かっていながら、ハハハ・・・忘れるよなぁ~。ごらんくださいますか?放送は1月12日夜9時Eテレです。やっぱりドジは何回かあります(笑)。
H23年度は2~3か月に1回出演だった「土曜ほっとタイム」というラジオ番組。H24年度は毎月第4土曜日に出演することになりました。ラジオはじわ~っと気持ちが伝わって素敵です。何か用事をしながら聞いてくださっているのか、年賀状にしたためられた全国の思いもよらない方からのひと言がうれしくなります。
2012年の始まり・・・。今年も料理を通して、心が楽しくなる暮らしの提案をしていこうと思っています。

白井 操

小篠綾子さんの思い出

2011/11/1 

朝の連続ドラマ「カーネーション」を観るたび、思い出すのはヒロインのモデル小篠綾子さんの元気なお姿。WHOのシンポジウムのパネリストとして同席させていただいた時、ロビーで会場を探しておられるご様子に「はじめまして、ご一緒しましょうか」と声をかけさせていただいたのは、先生が87歳のこと。「あー、あんた白井さん?コシノです」と気さくなお返事から始まり、92歳で亡くなられるまで、ご一緒させていただく機会がちょこちょこあり、私はコシノのお母ちゃんと呼ばせていただくようになりました。
いつもエネルギッシュで前向きだった先生の思い出は『NHKウィークリーステラ(関西版)』に、毎月1回連載しているエッセイでも、書かせていただきました。今回はその中から、少し抜粋してご紹介させていただきます。

ある日「白井さん、汚れてもエエ格好しておいで、肉食べに行こ」とお電話をいただきました。「その店はな、ほんまに汚いけど、最高にエエ肉出すから楽しみにしといて・・・」。「あんた、さっさと食べな肉に悪いで。さっと焼いてさっと食べる」。「ビール飲んだらお酒にしよか」。こうして書いていると、お母ちゃんのいろんな声が思い出されます。 だんじりの時はお祭りに合わせてふ化後130日目の鶏を調達し、おいしい鶏すきに。そしてお母ちゃん特製の自慢の卵焼き・・・。ぬか漬けのきゅうりや水なすのおいしかったこと。中でも一番おいしい思い出はシャーベット状に冷やした日本酒を、人にもすすめ、自分もくっと飲まれるお母ちゃんの姿でした。
色んなところへ連れていっていただきました。何しろスケジュール帳はいつも一杯で、いつお会いしても前向きで、愚痴っぽくない生き方は素敵でした。
過日の偲ぶ会で、次女のコシノジュンコさんが『夢は持ち続けたらきっと叶う』とよく口にされていたお母ちゃんの面白いお話をしてくださいました。NHKの朝ドラが大好きなお母ちゃんは、NHKの集金の人が来るたびに「私この番組に出たいねんけど、あんたからも偉いさんに頼んでくれへんか」と話しておられたそうです。今頃天国から「そうや、夢は持ち続けなあかんで。」と言われてると思います。
(NHKウィークリーステラ(関西版)11月11日号 「白井操のパステルライフ」より)

白井 操

地域に根ざしたひたむきな活動

2011/7/20 

兵庫県ならでは・・・といえる、地域に根ざした活動をひたむきに続けておられるお二人をご紹介したいと思います。
まず、お一人は、先日私の応援しているNPO法人フィールドキッチンで講演とそば打ちをしていただいた本田重美さん。県内唯一の在来種・赤花そばを豊岡市但東町で守り続け、おいしい十割そばに仕上げられた方です。きびしい自然環境のもと、赤花そばの栽培を復活させ、そばを乾燥する機械をはじめ、粉に引く機械、こねる機械など、すべてをご自身で発明。よりおいしい赤花そばを・・・と研究を重ね、発展させてこられました。本来400年前から地元で栽培されていた赤花そばは、その粒の小ささもさることながら、育てにくく、収穫量も少ない在来種。つなぎなしの十割そばは、本田さんのひたむきな工夫と努力の賜物。打ちたての風味を是非味わっていただきたい貴重なおそばです。当日奥様が作ってお持ちくださった、そばつゆのおいしいこと。一年寝かした醤油・酒・みりんに、昆布と分厚い宗田節を合わせたつゆは旨味が深く、赤花そばの香りとおいしさをいっそう引き立てます。その柔らかな味わいが、本田さんを支えてこられた奥様の存在と重なりました。出石そばの発展の陰にも本田さんの努力があったとうかがい感動しました。
もうお一人は神戸のシルバーカレッジにグループ学習の講師としてお越しくださった藤原たか子さん。多可郡多可町のマイスター工房八千代の施設長として巻き寿司を広められた方です。遠方からもたくさんの方が買いに来られ、毎日、卵2000個、お米180kg、きゅうり800本、のり1500枚などなど仕入れもケタ違い。中に入れる干し椎茸、かんぴょうも特選素材にこだわり、一切のムダを出さないよう調理にも細やかに気配りされています。たくさん売れることも良い食材を集められる理由の一つ。04年にはオーライ!ニッポン全国大会で農林水産大臣賞を受賞されたそう。彼女の強い統率力の下、ていねいな作業で作られるおいしい巻き寿司が町の名物になっています。
お二人に共通しているのは、思いが形になり、人を育み、町に人を連れてきて活性化するということ。たくさんの小さな事柄を一つずつ解決し、形を作ってこられたのでしょう。小さな小競り合いや反対を乗り越えて、大きな形に作られるまでの、ただならぬ努力を支えたのは、地域への愛情、食べ物への慈しみ、そして強い信念。思いの輪は人から人へと育まれていくことを教えていただきました。

白井 操218stadiotopics