レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

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西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2018.9.28 マルカン酢株式会社 取締役社長 笹田傳左衛門さん

2018/10/4 

「お酢のチカラのこと、長い歴史のこと、今日はお酢のことを色々教えていただきたくてお招きしました」白井が紹介したのは、マルカン酢株式会社 取締役社長の笹田傳左衛門さん。まずはマーケティング部の竹内しのぶさんからマルカン酢についてのお話を。

「1649年、徳川家光公の時代に名古屋で創業しました。酢屋勘三郎の「勘」の文字と丸を組み合わせたマルカン印は当時良い酢の証として世に知られ、社名にもなりました。明治に入り1893年に神戸の地に移転して125年。お酢だけを手掛けるお酢の専業メーカーとして来年には370周年を迎えます。」「へぇ~、すごい。アメリカにもいち早く進出なさったそうですね。」

笹田社長は笑顔でうなずかれ「アメリカでの創業は1974年。アメリカ人はお酢を使うの?とよく聞かれますが、ドレッシングやケチャップにも普通に入っているでしょう。お酢は世界中にあり、フランスではぶどうで作るワインビネガー、イギリスでは麦芽から作るモルトビネガーと、その国のお酒と同じ原料で作られること多く、日本はお米という訳です。」アメリカ在住の日本人や日系人のために・・・と現地生産を手掛けられたところ、すし酢がヘルシーなノンオイルドレッシングとしてアメリカ人の間で広まり大人気に。さらに20~25年前にはアボカドやカニかまを使ったロール寿司が登場し、新しいスタイルの寿司がアメリカで花開きます。「酢を通して日本の食文化の魅力を広めることに大きく貢献されたんですね」「酢は醸造物ですので、現地の工場では、ひとつひとつの作業を丁寧に行うように指導しました。輸出ではなくて、日本人のものづくりの心も伝えることが大切、という思いもありました」。モニターには現地のスーパーに商品がずらりと並ぶ写真が。今ではアメリカの工場も2つに増え、北米での売り上げも好調なのだそう。

本日の試食は、ミニトマトやきゅうり、玉ねぎ、パプリカ、セロリなど野菜を切って「ピックル酢」に漬けた簡単ピクルスと、新物の鮭とブリのムニエル。「寒い季節に出てくるはずのブリも近頃は年中売り場に並びます。ブリは匂いが気になるという人も、お酢を少しかけることで、おいしく召し上がっていただけますよ。今回はスタジオで作ったハーブ酢を。そのままのお酢の香りと比べてみてください。」好みのハーブを洗って水気を切ってお酢に浸すだけの手軽なハーブ酢はやわらかな風味。
「鶏肉とゆで卵の煮物に少し酢を入れると鶏の臭みが気にならず旨みもプラス。醤油・酒・みりん・砂糖に少し酢を足す、お酢が苦手な人はそんなところから初めては・・・。酢の物を作るときはだしをお酢に少し足すと酢が柔らかくなりますよ」「時間をかけたお酢はまろやかです。じっくり熟成させるとお酒がまろやかになるのと同じ。ウチは静置発酵という製法を守って、機械を使えば2日で済む行程を25日かけて発酵させています。丁寧に作ることが何より大事です」。

お土産にとすだちポン酢をご用意くださりお客様も嬉しそう。「1本にすだち10個分の果汁が入っています。買われた方が原材料をみて分かりにくいものは入れないという方針ですので、食品添加物は加えていません」と竹内さん。時を超え海を越えて、受け継がれ愛される本物のお酢。お酢を語る笹田社長のお話には誠実な思いがあふれていました。(文:土田)

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