レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2016.6.10 公益財団法人兵庫県予防医学協会 健康ライフプラザ 健診部担当部長 田中由紀子さん

2016/6/15 

「行政の仕事を卒業されたばかり」と白井が紹介したのは、兵庫県予防医学協会健康ライフプラザの健診部担当部長田中由紀子さん。保健師として神戸市保健福祉局で活躍され健康増進担当部長を務めた方。「看護師さんとどう違うの?とよく聞かれます。病気を治すのに効果的な治療のお手伝いをするのが看護師で、保健師は未然に病気を防ぐことのお手伝いが仕事です」例えば、赤ちゃんの予防接種、メタボ防止の生活指導、健診による病気の早期発見。特にガンは治癒率が高い早期に発見することが大切だそう「病気になって生活やお金に心配がある時や、在宅看護や地域との連携の相談にも乗ります」。社員の健康を守る企業保健師や病院に設置される地域医療連携室など行政以外でも活躍の場は広く「赤ちゃんからお年寄りまで、お医者さんと福祉、地域をつなぐ仕事なんです。」と田中さん。
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「例えば小さな子を持つお母さんがガンになってしまった時、行政はどのように関われるの?」「子供の世話をする人がいない場合はサポーターの紹介やヘルパーの派遣、世話をしてくれるおばあちゃんがダウンした時には子供のショートステイを紹介したり。ご本人の治療に関わる不安や生活の困りごとを相談できるガン相談支援センターとつなぐことも。みんなが倒れないことが一番大切ですから。介護のこと、自分のこと、子育てのこと、保健師さんいますかと気軽に窓口に訊ねて下さい」。
阪神淡路大震災20年を契機に「食から学ぶ震災の記録」という本の制作を手掛けた際、田中さんのお話に感動した白井「前例がない災害の中、避難所の生活環境を守るために神戸市の保健師さんたちが最初にされた仕事が避難所のトイレの掃除。出すことが食べることに繋がると・・」。「足が不自由なお年寄りや片付けけられていないトイレが嫌で、できるだけ行きたくないからと水を飲まなくなると、それが原因で血圧の上昇や尿路感染症などが増えてきます。中越地震の時はポータブルトイレを使ってその都度汚物を処理するという作業が毎日続きました。でも出すことを確保すれば確実に食事が進んで、みんなが元気でいられるんです」「こんな地味な行政の働きがあって、神戸方式という災害支援の活動指針が確立されてきたんですね」。
会場からは「子供が未熟児で不安をかかえて子育てをする中、保健師さんか毎月家に来てくれて『大丈夫、ちゃんと成長していますよ』という言葉にいつも励まされていました」という声も。「保健師は成長や将来への不安を抱えるお母さんと寄り添って伴走しながら、お母さんとしての強さや判断力を養ってもらうために一緒にステップアップしましょうという思いでいます。家に入ってこられるのが嫌という人もいますが、訪問して生活のあり様にマッチングした助言をすることが大切。高齢者を支える方も同じです」。
認知症を遠ざける心がけとして「三食きっちりこだわりなくおいしく食べること。まめに健診を受けること。運動をすること。人との関わりや周囲に興味を持つことかな・・・」。動脈硬化や糖尿病などが認知症のリスクを上げることも。老後に備え生活習慣病の予防や改善も大切と田中さん。「ご自身の健康はご自身しか守れない。ご主人より自分のこと、その方がいい結果につながることが多いんです。ご自身をいたわって大切にしてください」最後のメッセージが強く優しく伝わってきました。
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今回の試食はお中元青いギフトカタログから赤花そばの十割そばと、北海道の完熟トマトだけを絞ったおなじみのトマトジュースを。                 (文:土田)

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