レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

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西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2016.3.25 株式会社蓬莱 取締役常務 田中一昭さん

2016/3/28 

大阪土産の定番551の豚まんが「ある時」と「ない時」をコミカルに対比させる関西でおなじみのCM。お父さん役として出てみるか?と社長に指名され、その後すっかり人気者になられた株式会社蓬莱の取締役常務の田中一昭さんをゲストにお迎えしました。
16.3.25株式会社蓬莱②
「行列ができている551の店先で感心するのは、包装する手が早いこと、手を休めることなく親切に対応してくれる店員さんたちの笑顔」と白井。「お待たせする時間を少しでも短くという日々の積み重ねやお客さんの言葉が励ましになって身についたんでしょうね。大阪市立大学の非常勤講師もしていますが、『大阪の元気な企業』ということで学生さんがウチを調査した結果『お客さん、取引先、従業員のすべてに恵まれている』という結論になったそうです。おとといも新入社員研修で『創業71年目を迎えられるのはお客さんのお蔭。忘れたらあかんで』と話したところです」。
創業経営者の羅邦強さんは台湾がご出身。昭和16年に来日後様々な仕事を経て、食べ物で喜んでもらいたいと蓬莱食堂を立上げたのが始まり。仕入れに訪れた神戸の中華街で豚まんのおいしさに感激し、大阪の人にも喜んでもらえる味をと泉州たまねぎと豚肉でオリジナルの具を考案。発売するとこれが大人気に。「『お客さんの側に立ってして欲しいことをして差し上げる、喜んでもらえることをすると長続きする』と初代はよく言ってました。価格も市営地下鉄の初乗り運賃より高くしないという方針をずっと守ってます。年間5500万個、一日15万個売れる豚まんは全部手作り。てっぺんの皮のひだの数は12か13、『おいしなれ、おいしなれ』と呪文を唱えて包みます。味も品質も変わらないように、生地も具も誤差は1g以内。これをまた従業員はきちんと守ってくれるんです」。
16.3.25株式会社蓬莱①
会場にも蒸したてホカホカの豚まんが用意されみんなで舌鼓。「まずは何もつけないで、その後辛子をつけてまたおいしく召し上がってください。ポン酢がいいという方も・・・。ウチの日本一おいしい辛子は正味そのまま天然の辛子。大阪の家の冷蔵庫に必ずあるといいますが、4日もすると風味がなくなるので『家のおでんに使いたいから余分に頂戴』というときはそのタイミングで豚まんを買って頂くほうがいいですよ」とにっこり。
神戸の震災の時は温かい物を届けたいと三千個の豚まんを携え11時に大阪を出発したものの大渋滞で現地に着いたのは18時。それでもほんのり温みが残っていたのが嬉しかったと振り返られます。
聞き手を飽きさせない明るく楽しい語り口が魅力の田中さんの好きな言葉は「アイラブユーモア」。天満繁盛亭で落語を学び、シニアミュージカル劇団でも活躍される多彩な方。天性のサービス精神と誠実さに、初代から受継がれる社風そのままのお人柄を感じます。「電話番号の0551から『味も電話もココが1番』で『551』。『蓬莱』の漢字が思い出せなくても数字なら誰でも覚えてもらえる。今では何においても『ココが1番』を目指すマークやと思てます。」
心和む「ある時」の幸せに胃袋と心をしっかりつかまれたひとときでした。
(文:土田)

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