レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

山茶花と椿

「ムッシュ・フルーリの小さなお話のタネ」
ムッシュ・フルーリは植物にとても詳しい白井の知恵袋ともいえる方。知っているだけで道端の草花や公園の並木など見慣れた季節の風景がキラリと輝く、楽しいお話のタネをどうぞ。
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このコーナーでも、今まで、色々な似通った花の違いを教えてきたけど、今回は山茶花と椿にしようか。この漢字は読めるよね、そうサザンカとツバキだね。
はい、それでは、サザンカとツバキの違いを一言で言える人はいるかい? おっ、予想以上に手が挙がったねぇ。

①サザンカは晩秋から冬に咲くけど、ツバキな早春から晩春にかけて咲く。
②サザンカは花びらがハラハラと散るけど、ツバキは花首からボトッと落ちる。
山茶花と椿①サザンカの花 サザンカの花
山茶花と椿②ツバキの花 ツバキの花
③サザンカのおしべは一本一本バラバラだけど、ツバキは根元でつながっていて筒状になっている。
④サザンカの葉は小ぶりで、やや中折れになっているけど、ツバキの葉は大きくて平べったい。
山茶花と椿③サザンカの葉 サザンカの葉
山茶花と椿④ツバキの葉 ツバキの葉
色々な違いが出てきたねぇ。みんなもよく観察してるってことだね。

さて、みんなから出てきた4つの違いは、どれも正解なんだよ。でも、実は、それぞれに例外があって完璧じゃないんだな! では、その例外を説明しよう。
まず①、サザンカは確かに晩秋から冬にかけて咲くんだけど、ツバキでも初秋から咲き始める園芸品種も数多くあって一概に春咲きとは言えないんだ。
次に②と③、ツバキの園芸品種に「肥後椿」というグループがあって、江戸時代に九州の肥後藩で門外秘として育成されたんだけど、このグループの花びらとおしべは根元でつながっていなくて、バラバラに散っていくんだ。
山茶花と椿⑩ツバキの園芸種(肥後椿) ツバキの園芸品種(肥後椿)
最後に④、これが一番曖昧なんだけど、ツバキにも小さな葉のものもあるし、中折れしているものもあって、一概には言えないんだ。

ツバキも、サザンカも特に江戸時代に園芸植物として大流行し、園芸品種も多数育成されているので、本来の野生の性質をそのまま引き継いでいないものもあって、なかなか決定的な違いを見つけられないんだよ。
山茶花と椿⑨サザンカの園芸品種 サザンカの園芸品種
でも、安心して! ほぼ例外のない違いがあるんだ。それは「毛」の有る無しなんだ。
花の中心部にある雌しべの根元には、花の終わった後に果実になる「子房」という小さな膨らみがあるんだけど、その表面をよく観察すると、ツバキは無毛でツルッツル、サザンカは絨毛がびっしりと生えているんだ。
山茶花と椿⑦サザンカの子房 サザンカの子房
山茶花と椿⑧ツバキの子房 ツバキの子房
そして、「毛」つながりでもう一つ、葉柄と葉の中肋(葉の真ん中に通っている太い様脈)の裏側にも毛が生えているんだよ。特に春先に葉が出た直後がわかりやすいよ。
山茶花と椿⑤サザンカの葉柄と中肋 サザンカの葉柄と中肋
山茶花と椿⑥ツバキの葉柄と中肋 ツバキの葉柄と中肋
みんなも、この冬から春にかけて、一度よく観察してごらん!

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