レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

初冬に咲く石蕗

「ムッシュ・フルーリの小さなお話のタネ」
ムッシュ・フルーリは植物にとても詳しい白井の知恵袋ともいえる方。知っているだけで道端の草花や公園の並木など見慣れた季節の風景がキラリと輝く、楽しいお話のタネをどうぞ。
              ******

石蕗という漢字、みんな読めるかな? おっ、知ってる人がいるねぇ。そう、そのとおり「ツワブキ」と読むんだよ。ツワブキならみんなもよく知っている植物だよね。晩秋から年末にかけて、花の少ない時期に黄金色の花を咲かせるよね。この花が咲き始めると、冬枯れで暗くなり始めた庭がパッと明るくなるので、僕の好きな花の一つなんだ。しかも日当たりの悪いところの方が良く育つので、重宝するよね。
初冬に咲く石蕗①ツワブキの花  ツワブキの花
初冬に咲く石蕗②花の拡大 花の拡大
さて、このツワブキだけど、葉の形などは、春先に地面から直接出る蕗の薹(ふきのとう)で有名なフキに近い形をしているよね。だからツワブキという名がついたんだけど、フキの様な葉の形で、艶々しているから、古来は「艶葉蕗」(つやはふき)と呼ばれていたのが、訛ってツワブキになったと言われているんだ。葉の形は似てるけど、フキの葉は冬には枯れてしまうよね。でも、ツワブキは冬でも青々としている常緑だし、フキの花は春先の蕗の薹だけど、ツワブキは晩秋に小菊のような黄金色の花を咲かせるよね。分類学的には同じキク科に属しているけど、非常に遠い親戚なんだよ。
初冬に咲く石蕗③ツワブキの葉 ツワブキの葉
初冬に咲く石蕗④点斑の入った園芸品種 点斑の入った園芸品種

ところで、ツワブキは何故「石蕗」と書くのか知ってるかい? ツワブキは東北の南部から沖縄にかけて、海岸近くに自生している植物なんだけど、特に岩場に多く自生していることが多いんだよ。だから、「石蕗」という漢字が使われてるんだ。九州などでは、イシブキと呼んでいる地域もあるんだって。
関西や関東では、ツワブキを食べる習慣はあまりないと思うけど、九州、特に鹿児島では、春先に出た葉柄や、秋の花などを食べる習慣があって、みんなもよく知ってる「きゃらぶき」という佃煮は、ツワブキの葉柄を使うのが本来なんだそうだよ。フキよりも香りが強くて、やや苦みもあって絶品らしいよ。どう食べてみたくなったかい? みんなも一度試してごらん。 皮むきや灰汁抜きが必要みたいだけど、詳しいレシピは白井先生に相談してね!
九州以外の地域では食用にはしないけど、あの分厚い葉を火で炙って、柔らかくしたものを傷口に貼って治すなど、民間療法によく使われていたらしいんだよ。
葉は一年中深い緑を湛え美しく、春先には葉柄をきゃらぶきにして味わうことができ、初冬には黄金色の花で庭を明るくしてくれる、最高の植物だね。みんなも是非、日当たりの悪い庭の片隅に植えてみてごらん。もちろん、一度根付けば放っておいても丈夫に育つからご安心あれ!
初冬に咲く石蕗⑥斑入りの園芸品種 斑入りの園芸品種
初冬に咲く石蕗⑤花の後にできる綿毛 花の後にできる綿毛

へぇ~の雑学一覧へ戻る