レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

2015.7.10 株式会社やまつ辻田 辻田浩之社長

2015/7/21 

「毎年山椒の季節が来るとこのセミナーにお迎えしています」と白井が紹介したのは、株式会社やまつ辻田の辻田浩之社長。会場には特別にあつらえた大きな石臼とすでにほんのり漂う山椒の爽やかな香り。
15.7.10やまつ辻田①
「山椒はうなぎだけでなく何にでも合う万能選手。山椒の使い方で料理人のセンスが問われます。」と辻田さん。4月~5月に摘んだ山椒は芯が柔らかいので、10%の塩を入れた湯で湯通しの後、冷凍保存し佃煮に。面倒なエボ(軸)取りは、山椒より少し目が大きいフルイにかけると簡単に取れます。冷凍後に取っても大丈夫とプロの秘訣を。芯が黒くなる7月の山椒を、陰干しして芯を取り除き、皮を挽いて山椒に使うのだそう。
山椒は3種類あって、収穫量が一番多い和歌山の「ぶどう山椒」は大粒で加工(芯抜き)がしやすいが、香りが抜けるのも早い。「朝倉山椒」は小粒で色も香りも良く主に佃煮に。海抜約1000mで栽培される希少な「山朝倉山椒」は色も美しく、新芽・若芽の香りが長く続く。加工(芯抜き)が難しく収穫量は非常に少ない。3種の実物も見せていただきながら、実際に会場で石臼を挽き始めると山朝倉山椒の上品な香りが一気に会場を満たし、「わぁ!」と歓声が上がります。
ご家庭でも色々と楽しんでいただける山椒塩は山椒3:塩1が基本。おいしさが分かりやすいのはステーキ。かけると絶品の味わいに。山椒が痛覚を刺激するので、塩味も甘味も少ない量で際立つのだそうです。青いギフトカタログからはちや食品の焼きぎょうざに山椒塩をかけて試食に。
15.7.10やまつ辻田②
「素揚げの野菜に甘酢あんをかけたものに色が付くほど山椒をかけて出すお店もあります。塩気がある料理には山椒だけをかけてください。じゃがりこ、あります?」じゃがりこの容器にパッと山椒をかけ振りまぜ、即興で試食に。どちらも後に残る山椒の香りが何ともいえない余韻を残します。「この石臼で昨日挽いたばかりの山朝倉山椒を入れた夏仕様の辛い七味を今日のお土産に。お漬物、冷奴、溶き卵にこの七味を落として食べるすき焼きは特におすすめです。パッケージがはがきサイズなので暑中見舞いにもこのまま使えます。」
一番大切にされているのは商品の管理。挽いたらすぐ冷凍されるそう。「冷凍すると香りがいつまでも残ります。買われたら開封前も開封後も冷凍保存を」「アルミの袋もうれしいですね」。
10年間、高校の英語教師をされた後、会社を継がれ、今も自らの道場で剣道の指導に励まれています。「辻田さんのところがどこか他と違うなぁと思えるのはなぜなんでしょうね」「人間が好きで、教育が好きです。今も先生として子供たちに恥じない仕事をしたいと思っています。この山椒を売って1割から1割5分儲けさせてもらってます。希少なものでも同じです。売れたら終わり」「辻田さんの教える力はすごいと思います。自然に大切なことを伝えておられるなぁと。百貨店でも自ら店頭に立って、心を通わせて。お客様にも言葉を待つ力が不思議と備わります。学校でも道場でも同じように声を使って伝えてこられんだなぁとしみじみ感じました。」辻田さんのお人柄や姿勢が山椒の香りとともに爽やかに伝わってくる素敵なセミナーとなりました。  (文:土田)

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