レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

くちなしの花

「ムッシュ・フルーリの小さなお話のタネ」
ムッシュ・フルーリは植物にとても詳しい白井の知恵袋ともいえる方。知っているだけで道端の草花や公園の並木など見慣れた季節の風景がキラリと輝く、楽しいお話のタネをどうぞ。
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この時期、しとしとと降り続く雨やどんよりとした梅雨空が続くと気分も滅入ってくるけど、雨上がりに、どこからともなく馥郁と漂ってくる強い甘い香りに、僕は気分が癒やされるんだよね。そう、その香りの正体はクチナシの花!
くちなしの花①野生のクチナシの花野生のクチナシの花
くちなしの花③八重咲の花八重咲の花
クチナシは西南日本に自生する常緑低木で、世界に誇りうる香りの良い花を咲かせる樹木なんだよ。ところで、クチナシはなぜクチナシという名前になったのか知ってるかい? クチナシの白い花が終わるともちろん実が成るんだけど、それは赤く熟しても開いて種を出すことがないんだね。それで、「口無し」と呼ばれるようになったとか・・・・・。ところで、将棋盤や碁盤の脚はクチナシの実をかたどっていて、「勝負には口出し無用」を意味しているんだってさ!知っていたかい?

くちなしの花②クチナシの実クチナシの実
赤く熟した実は、染料や食品の着色料になるんだけど、栗きんとんやたくあん漬けなどを鮮やかに黄色く染めるために使われてるんだよ。この黄色い色素はクロシンと呼ばれていて、あのサフランの色素の成分でもあるんだ。この実は乾燥させると、日本薬局方で「山梔子(さんしし)」と呼ばれる生薬になり、煎じて黄疸などに使われるんだ。
クチナシは英語ではガーデニアって呼ばれていて、日本でも良く耳にするよね。ガーデニアって言う名前は、植物の世界共通の名前であるクチナシの学名がGardenia jasminoides なので、そこから来てるんだけど、元々は,スコットランド人の植物学者Garden氏に因んでるんだよ。
さてさて、このクチナシの香りはもちろん香水にもなっていて、色々なメーカーから売り出されているらしいね。でも、クチナシの花の香りには似ているんだけど、似て非なるものなんだって(僕は香水の香りを嗅いだことがないんだけどね)。それは、クチナシの花から直接精油を採集しているんじゃなくて、人工的に合成した香りを使っているからかなぁ。

くちなしの花④オオスカシバの幼虫くちなしの花⑤オオスカシバ成虫
オオスカシバ(左:幼虫、右:成虫)

みんなはクチナシの木に鮮やかな黄緑色の大きなイモムシがいるのを見たことがないかな?大人の人差し指くらいの太さで、7~8センチ位の大きさで、おしりに角が一本生えてるやつ、見たことあるよね! これは、オオスカシバという蛾の幼虫で、クチナシの葉が大好きなんだ。この幼虫を見つけられずにいると、瞬く間に木の葉が丸坊主になってしまうほど、凄い食欲の持ち主。オオスカシバは漢字で書くと「大透羽」で、蛾なのに羽が蝉のように透明だからこんな名前がついたんだ。しかも、ハチのように高速で羽ばたくので、飛んでいるときは羽が見えなくて、ブーンと言う音を出して高速で移動するんだよ。さらに花の蜜を吸うときは,花に留まらずにホバリングで空中に止まって、ストロー上の口吻を花に突っ込むんだ。写真を見て貰えれば分かると思うけど、ジェット戦闘機のようにカッコイイんだぜ!! 一度よく観察してごらん!
くちなしの花⑥ホバリングして蜜を吸っているオオスカシバの成虫ホバリングして蜜を吸っているオオスカシバの成虫

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