レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

藤の蔓は右巻き?、それとも左巻き?

「ムッシュ・フルーリの小さなお話のタネ」
ムッシュ・フルーリは植物にとても詳しい白井の知恵袋ともいえる方。知っているだけで道端の草花や公園の並木など見慣れた季節の風景がキラリと輝く、楽しいお話のタネをどうぞ。
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ソメイヨシノもすっかり葉桜になり、八重桜が咲き誇っているこの時季、学校の校庭やみんなの家の庭、さらに里山では淡紫の藤の花が満開だね。藤は身近な里山によく見られるように、日本原産の木本性のツル植物で、古くからその長く垂れ下がる美しい花を愛でるため、藤棚があちこちに作られているよね。
ところで、この藤の蔓は右巻き?それとも左まき?と聞かれたら、みんなはなんて答えるかい? そんなの意識し見たことないから分からないよ!って言う人がほとんどだろうね。
じゃあ、日本原産の藤だけど、実は日本には2種類の野生の藤があることを知っているかい? 北海道を除く全国の山に自生しているヤマフジと近畿以西の西日本に自生しているフジ(別名ノダフジ)があって、関西の低山にはその両方が自生しているんだ。ヤマフジは花の色が濃い紫色で、花房が短くてずんぐりとした形をしているのに対して、フジは花の色は淡くてまさに淡紫~藤色、しかも花房が長く垂れ下がり、時には1メートルを超すのもあるくらいなんだよ。この特長は、遠目に見ても区別しやすいから覚えておくといいよ。でも、実は誰が見ても区別できる決定的な違いが一つあるんだぞ。それは蔓の巻き方なんだ!
藤の蔓①フジ(ノダフジ) 藤の蔓③フジの花房
フジ(ノダフジ)とその花房
藤の蔓②ヤマフジ藤の蔓④ヤマフジの花房
ヤマフジとその花房

ところで、朝顔の蔓は右巻き?、それとも左巻き? と聞かれたら、左巻きって答える人はムッシュフルーリと同年代以上の人だな! みんなの多くは、小学生時代、夏休みの宿題としてアサガオの観察日記を書いた経験があるよね。その際に、朝顔の蔓は左巻きって教わっただろう。でも、今では右巻きって習っている人が多いんだよ。もちろん、今と昔で朝顔の蔓の巻き方が変わったんじゃなくて、その呼び方が変わってきたんだよ。しかも、未だにしっかりと定義が定まっていないから、図鑑によって右巻きと書いてあったり、左まきと書いてあったりで、ややこしいのなんの! 誰かきっちりと決めてほしいもんだよ。そこで、ここでは、最近大勢を占めてきた、朝顔の蔓は右巻き説で説明しよう!
蔓の先端の伸びる方向を見て、すなわち蔓の根元の方から先っちょを見て、その先っちょの伸びる方向が時計回りだと右巻き、その反対だと左巻きというんだ。だから朝顔は右巻きとなるんだけど、昔は蔓の先端から見て、すなわち上の方から見下ろして蔓の巻き方が時計と反対回りだから左巻きと言っていたのさ。どうだい、分かったかい?
藤の蔓⑤つるの巻き方図
A       B
蔓の巻き方
A:下から上に向かって、反時計回りに生長していく → 左巻き
B:下から上に向かって、時計回りに生長していく  → 右巻き

さて、ここで藤に話を戻すと、2種類の蔓の巻き方の違いだけど、フジは右巻きで、ヤマフジが左巻きなんだ。もちろん野生のものだけじゃなくて、園芸品種もこの性質を引き継いでいるので、鉢植えの藤や藤棚の藤もこの方法で見分けられるぞ。
この春。近くで藤の花を見る機会があったら、ツルの巻き方を調べてみてごらん!

 

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