レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

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西宮阪急「食のミニセミナー」

2015.4.24 西宮阪急 精肉売場担当 白木直人さん

2015/4/30 

西宮阪急の食品フロアを支えるのは、職人の技を持った社員さんたちの力。西宮阪急をもっと知りたいシリーズ、今回は精肉担当の白木直人さんにお肉のお話を。
「これまで鮮魚、野菜、グロッサリーを経験し、梅田本店ではマグロの解体もやりました。10年前自社で精肉も手掛けるようになり、その時から精肉を担当しています」「精肉売り場は陳列が本当にきれい」と白井。「昔から熟練の職人が競って美しさを芸術的に表現してきた歴史があるんです」。百貨店だからおいしいのは当然、さらに鮮度感を魅せるのが職人のこだわり、と言われます。少しでも色が変わりかけたら品質に問題がなくてもひき肉用に。厳選した肉だけを扱うためひき肉も高品質。自社で精肉を扱うため西宮阪急ではショーケースの肉もパック詰めの肉も同じものなのだそうです。(ショーケースでは和牛を、パック詰め商品では主に交雑牛を扱っています。)
15.4.24西宮阪急白木さん②
部位についてはご自身の体も使いながら説明を。「首がネック、下がって肩ロース、ロース、モモと並びます。ロースでも肩ロースに近い方がリブロース、モモに近い方がサーロイン、モモに近づくほど、脂が少なくあっさりとした味わいに。モモは大きいので、さらに4つの部位に分けられます。」モモの中でも膝裏に近いヒウチを試食に。牛半頭分の枝肉から1~2kgほどしか取れない希少な部位。モモでもサシが多く独特の風味を持つヒウチを味わって欲しいという思いから。おいしい牛肉を見極るためには赤身を食べるのが一番だと言われます。
豚はアグー豚の最高種「南ぬ(ぱいぬ)豚」のバラ肉を。「100グラム680円で出しても採算がとれないぐらいの高級豚肉です。初めて食べた時これまでにない味に感動して、ぜひ試食していただきたいと」。エンダイブとさっとゆがいた新玉ねぎにさやえんどうを散らし、春野菜の付け合わせとともに。「売り場で一番安いものでも鹿児島で人気の「南州ナチュラルポーク」という銘柄豚。他にも北海道の「十勝野ポーク」や黒豚など常時4~5種を揃えています。育て方や飼料の違いで産地ごとに味に個性があります。ぜひ食べ比べてみてください。」
15.4.24西宮阪急白木さん①
『こま切れ』と『切り落とし』の違いは?と聞かれ、「部位に関係なく、肉の切り始めの筋が多いところをそぎ落としたものが『こま切れ』、部位の形を整えるための切れ端が『切り落とし』です。」どこまでそぎ落すかは職人の方針次第。阪急基準として『こま切れ』でも一般の『切り落とし』レベル、『切り落とし』はすき焼きでも使えるレベルになっているそう。
『国内産牛肉』と『和牛』の違いは?との質問には、「『国内産牛肉』の中で純粋種の和牛の血統を持つものが『和牛』、和牛とホルスタインを掛け合わせた『交雑牛(F1)』、ホルスタインのような『乳牛』に分かれます。脂が少なく安い『交雑牛』も味はなかなかのもの。ソースなどを生かしたい料理には『和牛』よりもバランスがいいと思います。」お客様からの質問に次々と答える誠実な言葉から白木さんの豊富な経験と探求心が伝わってきます。
「買って3日以上食べる予定がなければ、すぐ冷凍を。パックから出しラップに包んでジップ袋に入れてください。ラップとアルミ箔で二重に包めば冷凍焼けも防げます。牛肉は保存に強いですが、鶏や豚肉は早めに食べて。肉は料理の前に常温に戻してから加熱すると固くなりにくいですよ」とおいしく食べるアドバイスも。「入社して鮮魚に配属された時から、魚を見て、これをどう捌いて、どんな値段をつけて、どんな風に陳列するか、考える毎日がとても楽しかった。鮮魚も精肉も職人の集まりです。売り場にはその人生と魂がこもっていると思います。」見て買って歩くだけで楽しい、私たちをそんな気持ちにさせてくれる売り場はそんな思いに支えられていました。                                    (文:土田)

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