レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第52話 春の匂い~街中編~

「ムッシュ・フルーリの小さなお話のタネ」
ムッシュ・フルーリは植物にとても詳しい白井の知恵袋ともいえる方。知っているだけで道端の草花や公園の並木など見慣れた季節の風景がキラリと輝く、楽しいお話のタネをどうぞ。
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春の匂いって言われて、みんなが思い浮かべるのは? 凜として漂う梅の薫り、それともそこはかとなく漂う白木蓮の香り、でもやっぱり誰でも街中で馥郁と香る春の匂いといえば、沈丁花じゃないかな?
春の匂い 街中編 ジンチョウゲの花 (ジンチョウゲの花)
ジンチョウゲは中国南部の原産で、室町時代頃にはすでに日本で栽培されていたらしいんだ。日本にある木は、ほとんどが雄株で雌株はほとんど見られないんだよ。雌株には赤い実を付けるんだけど、そんなの見たことないだろう?
以前、キンモクセイの時にも話したけど、中国から導入したときに雄株だけを入れたんだろうね。
沈丁花という名前は、香木の沈香(じんこう)のような良い匂いがあり、丁子(ちょうじ、クローブ)のような形の花をつける木、という意味でつけられたんだよ。ときどきチンチョウゲって発音する人がいるみたいだけど、それは間違いで、あくまでもジンチョウゲが正しい発音なんだよ。ちなみに、ユーミンの「春よ、来い」という歌の歌詞にジンチョウゲが出てくるんだけど、どう聞いてもチンチョウゲと歌っているように聞こえるのは僕だけかな?
庭木としてもたいへん重宝するジンチョウゲ、特に剪定しなくても樹形は自然と綺麗に丸くなるし、生長も早くないので大きくなり過ぎないし、しかも早春に花を咲かせ、凄くいい香りを庭中に漂わせるからね。でも、移植に弱くて木が大きくなればなるほど難しくなるから、庭植えするときは小さめの木を選んでじっくりと大きくした方がいいぞ。
春の匂い 街中編 ジンチョウゲの樹形 (ジンチョウゲの樹形)
今度、ジンチョウゲの花を見つけたら良く花を観察してごらん。確かに丁字のような形をしているだろう。でもよくよく見ると花びらの下に萼がないのが分かるかな。そう、この花びらのように見えるのが実は萼なんだよ。花びらは退化してしまってほとんど分からないのさ!
春の匂い 街中編 ジンチョウゲの花(拡大)
神戸の街中でも、そろそろジンチョウゲの香りが漂ってきそうだね。

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