レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

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西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2015.1.9 京・南禅寺藩畔 瓢亭 当主 高橋英一先生

2015/1/19 

今年も新年最初のセミナーは瓢亭 高橋英一先生をお迎えしました。5回目を数える今回は「京の食文化~だしのお話~」を。
「日本料理にとって一番大事なものがおだしです。吸い物が来たらふたを取ってまず一口二口汁を吸ってみてください。汁の味でお店のおいしさがわかります。」瓢亭で使われているのはまぐろ節。キハダマグロを使いかつお節と同じように作られたもの。何度も燻しを繰り返した荒節と更にそれをカビ付けした本枯節を半々で使われているそう。かつお節のようなえぐみや臭みがないので、すぐ濾す必要はなく20分ほどおいて濾すのだとか。
試食は椀物で蟹しんじょ、南禅寺麩、菜の花、京人参、松葉柚子を最高のだしで。
15.1.9瓢亭高橋先生①
しんじょはかまぼこ屋さんによって味が違うので気を付けること、吉野葛は二番だしで溶き、余ったら沈殿するのを待ってだしを捨て毎日水を変えれば冷蔵庫で保管できること、少し色を付けたいときは黄身で調整すること、春はハマグリ、若いタケノコとワカメ、夏はハモなど、具材を変えて季節感を楽しんで。生ウニに軽く塩をしてオーブンで2~3分焼いたものを入れた生ウニしんじょもおいしいなどなど、作業ごとにポイントをお話くださいます。
汁は「一番だしに薄口醤油でまずおいしそうな色と香りをつけます。そのあと塩で加減してください」いつも使われている伊豆大島の黒潮から作られた天然塩「海の精」をお客様にもお土産にお持ちくださいました。「口に入る塩は天然塩をおすすめします。海のミネラルがそのまま残っているので体にもやさしく、辛さもまろやかで味にも幅があります。」南禅寺麩は豆腐が入り弾力があってきめの細かい生麩。柚子は松葉に。金時人参と菜の花で品よく色よく。
「作る側からすると椀物は出されたらすぐふたをとって熱々を召し上がっていただきたいですね。」試食がテーブルに置かれると立ち上るだしの香りにまず「わぁ、いい香り」と歓声が。まぐろ節のやさしい旨みに感動の言葉が口々に。
年間80日は講演に出かけられる高橋先生。親子の食育講座ではわざと子供が嫌いな食材を使われるそうです。「ブリのアラを初めて見る子どもが一生懸命作ったブリ大根。おいしいと喜んでブリの骨までしゃぶります。しめじ・椎茸・舞茸が入ったかやくご飯をお代わりするわが子の姿に親御さんも驚かれます。日本料理のベースはおだし。昆布とかつお節、いいものでなくても普通のものでかまいません。だしを引いて欲しい。4~5日は冷蔵庫で保存できます。だしは体だけでなく心にもいいもの。粉末や顆粒ばかりでは子供が味音痴になってしまいます。」
最後に今年のメッセージをと白井からたずねられ「ご家庭で料理する時間を増やしてほしいですね。時短とか手抜きのレシピが多くなってきていますが、ひと手間かけた昔ながらのおふくろの味を、しみじみとおいしいものやなぁと味わえるように子供に伝えてください。新婚の時、今日は何食べたい?とたずねた気持ちをそのまま持ち続けてもらえたら嬉しいです。」
12月にはNHK出版から新刊「京都・瓢亭 四季の日本料理」を出され益々ご活躍の高橋先生。セミナーでもテレビと全くおなじ素敵な物腰で飾らず丁寧にお話くださいました。だしの香りと味わいに日本に生まれてよかったと心で感じたひと時でした。
15.1.9瓢亭高橋先生②
(文:土田)

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