レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2015.1.23 編集出版集団株140B 取締役編集責任者 江弘毅さん

2015/1/25 

今回のゲストは関西文化に根ざし編集者としてライターとして多くの読物を送り出してこられた江弘毅さん。
15.1.23江弘毅さん①
「江さんが書かれた『有次と包丁』は、食文化とか店のあり様までを含めて包丁のことが詳しく書かれた面白い本。誰かにプレゼントしたくなりました。」「有次さんは京都のあらゆる職人の仕事を支えてきた錦市場の刃物屋です。一流の料理人の使う包丁、家庭用の刃物、能面を彫る小刀まで、京都の店で使ってないところはないほど。戦国時代に刀鍛冶屋から始まって、幕末には村上水軍の刀を作っていた刀鍛冶が来て・・・」となんとも長い歴史の中で京の暮らしに根付く有次の刃物。その後職人は京都から刃物の本場堺に移住したそうで「実はメイドイン堺なんです。」と江さん。「切れ味のいい刃物で切るイカの感触は最高ですね。ナマコを薄く薄く切った時のなめらかな断面。切れ味というのは切ることで味をつけるという意味らしいですよ。」研いで、手入れして大切に使うことの意味を、有次の刃物を使うことで体感されたそう。
『あまから手帖』で始められた連載はグルメライターのような取材はしない手法。「写真は食べる姿勢で撮るんです。きれいな写真ではなく、端っこに食べかけの箸も写ってるようなリアルな感じ。この店にはどんな人間関係があってとか、商売の合間にちらっと見せる生活感とかそういうものが面白い」。人が知り合いの店に行くのは、親密な空気の中で、間違いなくいいものを出してくれるという信頼関係があるから。雑誌ミーツの編集長を長い間務めてきて、記号化された情報をメインに店を掲載し消費軸に乗せてきた自らへの猛省もあると振り返られます。
15.1.23江弘毅さん②
「今夢中になっているものを3つ教えて」白井の質問に「長く神戸に住んでいますが、生まれ育った岸和田で当番年番を引き受けました。昔からのまつりごとを司るんですがこれがほんとにやりがいがあります。もう一つはラテンバンドをやっていて、2月にキューバ国立民族舞踊楽団にレッスンを受けに行くこと。だんじり祭りの鳴物の指導的立場を長年務めたとスペイン語に訳してもらって入学オッケーになりました。三つめは西加奈子、黒川博行、朝井まかてと大阪の作家が連続して直木賞を受賞したこと。3人とも編集者として関わっていたということもありますが、大阪弁で書かれた小説を非関西圏の人がどんな風に取り込んでいくのかすごく興味があって、講師をしている神戸女学院の授業でも取り上げています。」と笑顔で。
「関西弁は奥行きがないと語れないんです。」同じ岸和田でも城に近い町と浜よりで言葉が変わり、職業や立場でも変わるそう。例えば「あなご」は消費者側と料理人・商人・漁師といった生産者側でアクセントが変わるのだとか。芸人にも芸人の言葉があり、ビデオなどでよくよく調べていくと横山やすし師匠は堺弁なのだそう。「正しい大阪弁はないんです。環状線に乗ると街もバラバラなのがわかる、そのバラバラということで統一されているのが大阪の面白さやと思います。」
「こんな56才素敵よね。暮らしを楽しむ切り口をどっからでも見つけられて、豊かなことを友達と楽しんで・・・」と白井。日頃なんとなく感じていた地元への思いを言葉にして形にして教えてもらったそんな充足感のあるセミナーでした。

西宮阪急に関西ではここでしか買えない粉末の高野豆腐が入荷しました。悪玉コレステロールを下げるレジスタントたんぱくを多く含み、動脈硬化を防ぐ効果も。粉末なので水気が多い煮物に入れたり、おからのようにも使えます。ぜひお試しを。                             (文:土田)

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