レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第46話 蟻の火吹き

「ムッシュ・フルーリの小さなお話のタネ」
ムッシュ・フルーリは植物にとても詳しい白井の知恵袋ともいえる方。知っているだけで道端の草花や公園の並木など見慣れた季節の風景がキラリと輝く、楽しいお話のタネをどうぞ。
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「蟻の火吹き」と書いて「アリノヒフキ」と読むんだけど、みんなは聞いたことがあるかな? よっぽど古典に造詣が深い人でもないと知らないよね。
このアリノヒフキというのは、実はキキョウという花の古代の呼び名なんだ。
キキョウは元々日本の野山に自生する植物で、古代はオカトトキとかアリノヒフキという名前で呼ばれていたらしいんだ。キキョウという呼び名は中国の桔梗という呼び名が後にわが国に入ってきて、それが居着いてしまったようなんだ。中国で薬草として重宝していたらしく、キキョウが非常に堅い根であることからこの名前が付いたらしいんだけど、元々あった日本語の名前を駆逐してしまうなんて凄いよね。
さて、アリノヒフキはすなわち「蟻の火吹き」という意味で、これは、当時の子供たちが、キキョウの花に蟻を閉じ込めたり、または、蟻の巣穴にキキョウの花を突っ込んだりして遊んでいるときに、蟻がキキョウの花びらを噛むと、その部分が真っ赤に変色することから、蟻が火を吹いたと言われるようになったみたいなんだ。これは、キキョウの花の紫色の色素であるアントシアニンが蟻の出す蟻酸によって赤色に変色するためで、一般に青~紫色の花の色素に酸を作用させると赤く変色するんだよ。
みんながご幼少の頃、理科の時間に習ったリトマス紙の原理もこれを利用してるんだぞ! 青いリトマス紙を酸性の液に浸けると赤く変わったことを覚えているかな? ついでにもう一つ、紫キャベツに含まれる色素もアントシアニンだから、その汁を搾ってお酢を垂らすと赤くなるぞ! 是非、やってごらん!!

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キキョウのつぼみ

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