レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第44話 コスモスは秋の花?

「ムッシュ・フルーリの小さなお話のタネ」
ムッシュ・フルーリは植物にとても詳しい白井の知恵袋ともいえる方。知っているだけで道端の草花や公園の並木など見慣れた季節の風景がキラリと輝く、楽しいお話のタネをどうぞ。
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秋桜と書いてコスモスと読むことは、百恵ちゃん世代なら誰でも知っているんだけど、みんなは知ってたかな?

みんなは、コスモスって言えば秋の花って言うイメージがあるよね。えっ、初夏の花じゃないのかって!? 確かに最近は、初夏や盛夏に咲いているコスモスもよく見かけるね。でも、やっぱりコスモスには秋空がお似合いだよね。

さて、コスモスは中南米原産の一年草で、本来は春に種が発芽して夏の間に大きく成長し、秋に花をつけて、晩秋には枯れてしまうという生活サイクルを持っているんだぞ。じゃあ、どうして夏じゃなくて秋に花が咲くのかって?

では、種明かしをしてみようか。地球上の赤道付近は一年中暖かい気候で熱帯と呼ばれている地域だけど、そこは昼と夜の長さも一年中ほとんど変わらないんだよね。でも、日本のような温帯地域では、夏には昼が長くなり、冬には夜が長くなるのが当たり前で、だから季節感があるんだよね。

 植物たちも気温の変化だけでなく、この昼と夜の長さの変化をしっかりと見極めて、季節を感じているって知ってたかい?

コスモスのように秋に咲く花は、昼の長さが短くなってくると花を咲かせるような仕組みを体内に持っていて、これを「短日植物」と言うんだ。反対に、昼の長さが長くなってくると花を咲かせる植物があり、これを「長日植物」と呼んでいるんだよ。

温帯地域では、昼の長さが一番長い日は、ご存じのとおり夏至、すなわち6月の20日頃で、夏至を過ぎると昼の長さは徐々に短くなり、秋の彼岸、つまり9月20日頃には、昼と夜の長さが同じになるんだ。「短日植物」は、夏至を過ぎて、昼の長さがある一定時間より短くなると、花芽をつくり始めるようになっているんだよ。花芽をつくり始めるスイッチが入る昼の長さと、スイッチが入ってから花が咲くまでの期間は植物によってそれぞれ違うので、早いものなら朝顔のように7月頃から、遅いものなら菊のように10月頃に花が咲くことになるんだ。だから「短日植物」といっても必ずしも秋に花が咲くとは限らないんだぞ!

コスモスは,通常なら9月中下旬には花を咲かせるんだけど、最近の園芸品種には、人為的に短日植物という性質を亡くしてしまったもので、そういう品種は、気温が○○℃以上あれば、種をまいてから○○日後に花が咲きます,という風な性質になっているんだよ。だから、温室などで、一定の気温を保つことができれば、真冬にだって、春先にだってコスモスの花を咲かせることができるぞ! 一度挑戦してごらん!!

秋空に生えるコスモス

秋空に生えるコスモス

コスモスとハナムグリコスモスとハナムグリ

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