レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第37話 オオバコの戦略

「ムッシュ・フルーリの小さなお話のタネ」
ムッシュ・フルーリは植物にとても詳しい白井の知恵袋ともいえる方。知っているだけで道端の草花や公園の並木など見慣れた季節の風景がキラリと輝く、楽しいお話のタネをどうぞ。
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中国ではこういう言葉がよく使われるそうだ。「山中で迷ったら、車前草を見つけ、それを辿れば里に帰れる」と。車前草とはつまりオオバコのこと。みんなはオオバコっていう草は知っているよね。街中でもよく道の端なんかにず~っと並んで生えているのを見かけるよね。
もともと踏まれることに強いオオバコの茎は極端に短く、地面に近いところに葉を重ねて出して伏せているような体勢をとっているんだ。これは、絶えず踏まれるような環境に適応しているといえるんだけど、可哀想だからといってもし踏みつけずにいたら、それはオオバコにとってありがた迷惑なんだぞ。実は、オオバコは、踏まれ続けなければ生きていけないという宿命を持っているんだよ。
オオバコは背が極端に低いがために、他の植物との生存競争に弱く、やがてその地から追いやられてしまうんだ。だから、他の植物との争いを避け、自ら苦境に耐えて生きていく道を選んだ、これがオオバコの生き方なんだ。
こんなオオバコだって、何も踏まれることに耐えているだけじゃないんだぞ。オオバコの実は一つ一つがカプセル状になっていて、熟して踏まれると割れて中からたくさんの種がこぼれ落ちるんだ。この種の表面には水分を含むとゼリー状のねばねばした状態になる物質があって、靴の裏や車のタイヤなどにくっついて運ばれていくんだよ。こうして踏まれることによって種を遠くまで運んでもらうことのできるオオバコは、再び踏まれやすいところで芽生え、、生育場所を次第に広げていくことができるんだ。どうだい、なかなかしたたかな生き方だろう。
ところで、冒頭の言葉の意味が分かったかな。オオバコの生えているところは人や車が通ったことのある場所だからね。ところで、石川県にある白山(2,702m)という山での調査によると、海抜2,100m地点までその分布を広げていることが分かったようだよ。人の歩くところにオオバコありだね!
ちなみに、オオバコの学名であるプランターゴ(Plantago)とは、ラテン語の「足の裏」と「運ぶ」を組み合わせた言葉で、「足の裏で運ぶ」という意味だってさ。

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