レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

株式会社シュゼット 代表取締役社長 蟻田剛毅さんをお迎えして

2014/5/23 

422nishi-garden今やデパ地下の顔ともいえるアンリ・シャルパンティエ。数日前に40才になったばかりの新社長 蟻田剛毅さんをゲストにお迎えしました。「私が20歳の頃、感動したバターケーキは今も語り継がれる伝説のお菓子。西宮阪急のオープン当初、創業者でいらっしゃるお父様にもこの場にきていただいたんですよ。」阪神間のおしゃれな文化の先駆者だったと白井。「父には人を楽しませたいという思いがいつもあったと思います。」お父様が修行時代にフレンチレストランで強く印象づけられたのは、コースの最後、給仕が炎を灯し盛り上げるデザートに感激するお客様の顔。誰もがデザートだけでも楽しめる場を・・と思いを込め芦屋に最初のお店をオープン。クレープシュゼットをはじめおしゃれなメニューが話題を呼び、今の社名の由来にも。お店やパッケージの洗練されたデザインも時代の最先端でした。
百貨店に出店された頃は、保存の問題からケーキはまだバタークリームが主流の時代。他にはない生クリームの新鮮な白さは、お客様の心をつかみ行列ができる人気店に。「日持ちのしない生クリームを使うなんて、何も知らないなと笑われていたのですが、それが強みになったようです。」
その後、手土産や進物にと手がけた焼き菓子が「フィナンシェ」と「マドレーヌ」。本場フランスの味そのままにと試行錯誤の末、誕生したその味は、今も手土産や贈り物の定番に。「フランスのマカロンの工場でアーモンドを挽く機械をみかけ、他社に先駆けてすぐ取り入れました。フィナンシェにたくさん使うアーモンドパウダーは酸化しやすいのが難点でした。今では殻付きのままアーモンドを輸入して工場の中でパウダーにし、隣のミキサーですぐ混ぜ合わせて作っています。」とアンリ独自のおいしさの秘密を。
地元へも貢献したいと兵庫の食材を使ったお菓子を企画し、白井も出演した連休中の三宮のイベントで兵庫限定の「二郎いちごのフィナンシェ」を発表されました。北区・二郎は、香りがよくみずみずしいと評判のいちごが作られる古くからの産地。本日の試食として会場のお客様にもプレゼント。会場からも「わぁ、自然な苺の香り!」と評判は上々。一番おいしい時期のものをピューレにして使われるそう。「水分が豊富な分、焼き菓子には難しく、配合に苦労し工夫を重ねた末に完成しました。大変だった分面白くてレシピ開発にみんなで燃えました。」蟻田さんの提案で、工場でケーキを作る人は誰でもレシピの考案ができる自由な気風も育くまれています。
「原点回帰」を指針に、50年100年続くお菓子を作って、文化として世の中に受け入れてもらいたい。喜ばれること、驚いてもらうことをずっと大切にしたいと語る蟻田さん。明るく飾らない語り口から、地元への思いとお菓子への情熱が伝わってきたひとときでした。(文:土田)

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