レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

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西宮阪急「食のミニセミナー」

フジッコ株式会社開発本部次長兼研究開発室長 工学博士 戸田登志也さんをお迎えして

2014/5/9 

413nishi-garden4月に大豆の話を聞かせてくださった、フジッコ株式会社開発本部の戸田登志也さんに再登場いただき、今回は学会発表直後のカスピ海ヨーグルトについて伺いました。「人は約60兆個の細胞でできているといわれますが、腸には約100兆もの腸内細菌を持つとされています。人が食べ物を食べるということは、この腸内細菌たちにエサをやっているということでもあるんです。」腸内細菌は人によって持っている菌が違っていて、体型や免疫力へも大きく影響するものなのだそう。
カスピ海ヨーグルトの生まれ故郷、グルジアでは各家庭で自家製のヨーグルトが作られ80歳を越えてもお通じが良好な方がほとんど。ヨーグルトの摂取量は日本人が平均一日20gなのに対してグルジアでは毎日360gと、まさに国民の長寿を支える伝統食。
そのグルジアをWHOの調査で家森先生が訪れた際、研究のためにと持ち帰られたヨーグルトは、粘りがあり、酸味が少なく、菌を植え継いで牛乳から手作りができるものでした。それがカスピ海ヨーグルトと呼ばれるようになり人の手から手へ広がり始めます。種菌は兵庫県内の食品会社の代表者が作る勉強会から応援を受ける時代を経て、現在はフジッコへ。凍結乾燥機を使って、種菌を粉末状に加工することがきっかけでした。
「家庭で植え継いだり、おすそ分けの途中で、いろんな雑菌も入って、もとのカスピ海ヨーグルトとは別物になっていることも。新しい種菌で作ったヨーグルトを食べて『あれ?違う』と驚かれる方も多いんです。粘りが弱くなったり、色が違ってきたら新しい種菌へ更新を。安全と健康効果が保たれます。」と戸田さん。
「続けて作っていると食べきれない時も・・・。料理にもどんどん使って欲しいですね。熱を加えると菌は死んでしまうのですか?」白井の問いに「熱を加えても菌体と粘りの成分は残って、腸で役立ってくれます」グルジアではヨーグルトを料理にもよく使うのだそう。
会場からの質問はこの日も活発に。「ヨーグルトの菌は腸までちゃんと届くのですか?」「腸内細菌として定着させるのは難しいので、継続して食べてやることが大切です」。食べるタイミングは食事の後がいいそう。菌のエサがたくさんある状態で体内にとり込むことが大切なのだそうです。「繊維がたくさんあると尚いいですね。短鎖脂肪酸が出て効果が上がります。」牛乳は無調整のものがおすすめだそう。
「発酵食品を自分で作ってみると、腐敗と発酵の違いがよく分かります。賞味期限の表示に頼るのではなく、自分で食の安全を守るためにも、見て嗅いで自分の感覚を養うことは大切。風邪を引きそうになってもこじれないのは、ヨーグルトをたくさん食べているお陰かも」と白井も笑顔で。今回も和やかでためになるセミナーとなりました。(文:土田)

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