レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

京・南禅寺藩畔 瓢亭 当主 高橋英一先生をお迎えして

2014/1/10 

379nishi-garden今年も瓢亭14代当主高橋英一先生にお越しいただき嬉しい幕開けとなりました。新春の会場には、セミナー当選の日からこの日を心待ちにされていたお客様の緊張感が漂います。
今回は「柚蒸し ちり酢がけ」を。「柚はフタになる部分を残し、中をくり抜きます。柚の底に昆布の座布団を敷いて、貝柱、九条ねぎ、雲子(くもこ)(タラの白子)を盛っていきますが、先に白子と貝柱はうす塩を当てて焼いておきます。こうすることで、香りが出て、白子は臭みも取れ、より美味しくなります。ネギも焼いてから3cmほどに切ります。」と、無駄のない美しい所作で実演を交え、丁寧に説明をしてくださる高橋先生。
「だしは和食の縁の下の力持ちです。だしの味が良いところは料理もおいしい。」柚蒸しにかけるちり酢には一番だしを使い、しょうゆは薄口の塩辛さと濃口のまろやかさの両方を生かして。「レモンは控えめ、柚の絞り汁、すだち、かぼす、お正月のお飾りのだいだいの果汁もおいしいです。最低でも3種類入ると美味しく仕上がります。」
高橋先生の後ろでは息子さんの義弘先生と師匠の下にかけつけた苦楽園にお店を持たれる熊谷さんが、柚蒸しを準備してくださいます。くり抜かれた柚、下ごしらえが整えられた具材、だしはすべてお店で使われるのと同じもの。和食の美味しさを伝えたいと重い荷物をお二人で京都からお持ちくださいました。アンケートにも味わい深く美味しかったとの感動のメッセージが多く寄せられました。
ユネスコの無形文化遺産に認定され、注目される和食。「文化遺産になるということはすたれようとしているものを守り伝えるという意味もあります。だしのおいしさをもう一度考えてもらいたい。小学校に講習に行くと子供の好きなものに和食が出てきません。これは日本料理の危機だと思います。家庭で献立にもっと和食を取り入れて欲しいと思っています。ご家庭では安いものでいいんです。昆布とかつおでだしを取ることが大切です」と語られる高橋先生。
「先生ご自身も京都府から無形文化財保持者として指定され、年末・お正月にもNHKの番組にも出演され、本当にお忙しい中、感謝しています。」と白井。話題は番組で取り上げられた迎賓館の話題に。「日本に来られた外国のお客様をおもてなしするのに、なんで日本料理を出さないのかと長いこと思っていました。京都の迎賓館は京都御所の中にあるすばらしい日本建築の建物です。お客様に合わせて、美術館から貸出された美術品を設えます。」ここでの晩餐は日本料理。高橋先生がコーディネート役をなさり、お客様の好みや要望など詳しく聞かれた上で、京都の7軒の日本料理屋が公平に分担できるように声をかけられるそう。日本の文化、日本の料理の粋でおもてなしする京都迎賓館。日本の心を五感で伝えるその技と思いを、セミナーでもおすそ分けしていただきました。(文:土田)

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