レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

爲後喜光先生をお迎えして

2012/12/14 

285nishi-garden真っ白いコックコートとコック帽をパリッと着こなされた爲後喜光先生。「日本料理の先生でいらっしゃるのに、いつも洋風のスタイルですね」と白井に聞かれ「これは調理師学校の教員の制服なんですよ」と答えられます。長年調理師学校でたくさんの料理人を育て、またテレビなどでも日本料理の第一人者として活躍されてきた爲後先生。「先生と初めてお目にかかったのは、まだ私が若かった頃、高槻の講習会でした。たくさんの魚の種類について情報を教えてくださいました。プロの方も多く集まるセミナーで毎回盛況だったことを覚えています。」と白井。
今回教えてくださったのは、鶏の柚庵焼き。「鶏の照り焼きを・・・と最初思っていましたが、柚が出ているのを見て柚庵焼きに変更しました」とのこと。照り焼きの作り方を覚えたら、あとは季節を感じる素材、今旬を迎えるものを取り入れ、アレンジするのが大切と言われます。「鶏ではなく青身の魚でもいいですよ。臭みがあるから少し酒を入れようか、という具合です。」と毎日の料理が楽しくなるコツを交え、実演してくださいました。試食はクレソンを添えクリスマスを意識した仕上げに。
淡路の旅館の息子として生まれ、小学3年生の頃から板場さんに魚のおろし方を習い、のち学校卒業後は調理師学校に住込就職、土日は淡路に帰って実家を手伝われていたそう。「魚ひとつ下ろすのにも、ひれまでおいしく食べられるように考えるのが料理人。あえて骨に身をつけておろすということもします。でも家庭では我流もありです。」近頃の家庭での魚ばなれを心配される爲後先生。現在もお魚マイスターとしてあちこち各地へ魚のおいしい食べ方を伝えに足を運ばれます。
「小学校の頃から料理が好きで、初めて作らせてもらったアジの開きを喜んで干していたら猫に食べられたことも。今は小学4年の孫も料理に興味があるようです。やらせてほめてやるといった、大人が感動を伝えることや、子供に環境を作ってやることも大切です。」と爲後先生。「戦時中から戦後の食べ物のない時代に、母親の実家で手をかけ大切に野菜をつくる体験もしました。野菜を作る人、魚を獲る人の苦労を知るということも料理をする上で大切なこと。」とおっしゃいます。
「誰がやっても失敗のない手巻きずしでも用意して、子供に好きにさせてやるんです。やったら好きになるんです。」長きに渡り料理を極め、人を育てて来られた先生のお言葉のひとつひとつからは、食べ物や人への大きな愛情が、しっかり伝わってきました。

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