レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

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西宮阪急「食のミニセミナー」

吉野葛本舗 株式会社黒川本家 代表取締役 黒川重之さんをお迎えして

2012/6/8 

253nishi-garden古くから吉野の特産として知られる葛。今回は吉野の地で創業400年の歴史を持つ黒川本家さんの代表取締役黒川重之さんと奥様の雄子さんにお越しいただきました。
葛は意外と身近で、空き地やJRの線路の脇にはびこっている大きな葉のつる植物といえばピンと来る方も多いはず。「原料になる葛の根は何でも使えるわけではなくて、6年以上経った太い根を山で掘ります。葛は生命力が強く、若木を枯らす大敵。山の管理にも役立つのですが、重労働で人件費がかかるんです。」と黒川さん。
掘り出した葛の根は、つぶして水に浸けたものを沈殿させ、真っ白になるまで何度も水を変え、2ヶ月かけて乾燥させる本葛は、時間と手間の賜物。しかも葛の根50kgから5kgほどしか取れないのだそうです。
「高価なのもうなずけますね。今日の試食のピロシキの中身、牛肉やゆで卵、ピクルスなどのつなぎに葛を使ったら、これがなんともおいしい!もっと日常的に葛が使われたらいいなと思いました。」と白井。「子供の頃は風邪を引いた、腹を壊したというと薬としても飲んでいました。大豆の成分で有名なイソフラボンもたくさん含んでいます」と黒川さん。 「葛粉の使い方は、まず約3倍の水で溶いて、火にかけ練ります。透明になってからさらに5分練って・・・。」と教えてくださったのは雄子さん。砂糖を入れたり、火にかけた後さらに蒸すとより透明度が増すそう。
「前日から水に溶いておいておくとダマになりません。ただ葛は他のものの匂いを吸いやすいので、缶で保存するのがおすすめ。実は何年でも持つんですよ。」と教えていただきました。
ご自宅は280年前に建てられたお屋敷。「夏涼しくて、冬がまた寒いんです。」本葛を作るにはこの寒さが大切だとおっしゃる黒川さん。「自然の幸でもある貴重な葛を、後世にもずっと受け継いでいくことが大切だと思います。」と黒川さん。昭和天皇も愛された吉野の本葛への誇りが静かに伝わってきました。
本日の試食は『カラダにやさしいレシピ』最新の夏号から「スクエアピロシキ」とお中元の青いギフトカタログでご紹介した『吉野本葛もち』。万葉の頃から暮らしに根付いてきた日本の伝統食材が、今日はうんと身近に感じました。

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