レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

株式会社かむろ 代表取締役 室 忠義さんをお招きして

2012/3/9 

243nishi-garden春らしく桜餅の実演講習から始った今回のセミナー、教えてくださるのは和菓子処「かむろ」の室忠義さん。「関西と関東で桜餅は違いますね」と白井。「本来関西で食べられるのは道明寺といわれるもの。道明寺はもともと戦国時代に生まれた保存食のことで、もち米を洗って乾燥させ軽くつぶしたものを言います。今回は簡単なもち米を使う方法で」と、ぬるま湯に3時間ほど浸したもち米を、指で少し崩し、蒸し器に。蒸し上がったもち米は、お湯に上白糖と塩、食紅少々を加えて作った蜜に浸します。初めはしゃばしゃばの状態が、30分蒸らすともち米が蜜を吸って、ふっくら甘いご飯に。これはおはぎにも使える技だそうです。
和菓子のお店を持つという夢を胸に、18歳でこの道に入られた室さん。宝塚の和菓子屋さんで最初に弟子入りした親方を今でも深く尊敬しておられます。「新しいものを積極的に試してみるという姿勢を学びました。ここで4年修行させてもらった後、外に出たのですが、どこでも十分通用する力がついていて感謝しました。今は自分が作った新作を親方が真似してくれると誇らしい気持ちになります。」転機は33歳の時、当時働いておられたお店の業績不振からリストラを言い渡されます。「待遇も良くて、なかなか独立に踏み切れなかったので、逆に『来た来た!』と、そのことに背中を押された気持になりました。」3年の準備期間を経て、36歳で念願の和菓子店「かむろ」を開店されますが、なかなか軌道に乗らず、もう駄目かも・・・と思っていたところ、友人が大手和菓子屋さんに渡した「どら焼き」のおいしさが評判を呼び、阪急百貨店とのご縁にとつながっていかれたそう。「あのどら焼きの皮だけは、特別な技術がいるので、今でも自分で焼くんですよ」と笑顔で。
「いちご大福で大成功されたと、お聞きしました。」と白井。「あれも少し工夫をしていまして、餡にエバミルクを入れてコクを出したり、ふわふわの皮は特別なメレンゲを餅に混ぜてふくらませたものを使うんです。苺のおいしい季節を考えて、12月~4月の期間限定です。」とおいしさの秘密を教えてくださいました。
本日の試食は「桜餅」と「かりんとう」。「食べてなつかしい昔ながらのお菓子も大切にしたいと思っています。砂糖の加減を工夫することで、ウチは冷やしても固くならないことをコンセプトに作っています。ご自宅で冷蔵庫に入れてもおいしく召し上がっていただけます。」室さんの温かなお人柄が言葉のひとつひとつから伝わってきます。「あなたのメッセージが、家でお菓子を食べた方に、じんわり伝わっているといいですね。」白井の言葉にもその思いが表れていました。

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