レシピ&エッセイの白井操クッキングスタジオ

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西宮阪急「食のミニセミナー」

佐々木農園 佐々木敏明社長をお招きして

2010/5/14 

149nishi-garden今回はナチュラルセラーでも人気の「あの日の梅干し」を作られている和歌山みなべ町の佐々木農園代表佐々木敏明さんをお招きしてお話を伺いました。
「佐々木さんのところの梅の木は木の中心の枝が払われて、全部の実にまんべんなくお日様の光が届くようになっておられましたね。」と白井。「ウチは木で完熟させますから。梅本来の成分は熟してこそ整います。青梅はその途中の状態で味も栄養も完熟には及ばないんです。」と語る佐々木さん。完熟梅は痛みが速く、収穫した日に洗って漬けこんでしまわないといけないため、繁忙期は大変な作業に。「15%~18%の塩でつけると、一晩で水が上がってきます。コツは重石をしてからは触らないこと。土用の天日干しも味を決める大切な作業です」。一般には保存や効率が優先され、一旦濃い塩分で漬けたものを、加工時に必要な分だけ水で戻して塩分を調節するのが当たり前になった梅干し。佐々木さんは「梅の香りと栄養をできるだけ残すことを大切にしたい」と昔ながらの作り方を守っておられます。添加物を一切使わず、手間を惜しまず、梅作りから工程のひとつひとつを丁寧に積み重ねて作られる「あの日の梅干し」。今回は試食として白いご飯、おかか梅と共に客席へ。
「今回、梅を使ったデザートを作られたんですよね」白井が紹介したのは阪急の青いギフトカタログでも紹介されている「南高梅のジュレ」。誕生のきっかけはお母様が詠まれた「梅の香に浸かりて、梅の香にうとし」という俳句だったとか。「梅農園の三代目として梅のことは何でも分かっているつもりでした。梅は塩で漬けるものと・・・そんな思い込みを母の俳句が気づかせてくれたんです。」と振り返る佐々木さん。試行錯誤の末、甘酢と水あめで梅を漬けた甘酢漬け「木の香」と梅の甘酢漬けを寒天で寄せた「南高梅のジュレ」が完成。長年大切に梅を育み、梅を熟知し、梅を愛する佐々木さんの思いが、優しい味のデザートとして新たな実を結びました。
「斜面に植えると木には負担が大きくて育つのに時間がかかります。ところが時間をかけて育った木はいい実をつけるんです。人間と同じです。根の下に備長炭を引いたりして、梅の木がここは居心地がいいなぁと感じるような環境を作るのが私の仕事です。」佐々木さんの言葉から伝わる梅への深い思いが会場にあふれていました。

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